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kubell Research Memo(5):売上高・各段階利益のすべてにおいて増収増益を達成


*11:05JST kubell Research Memo(5):売上高・各段階利益のすべてにおいて増収増益を達成
■kubell<4448>の業績動向

1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期中間期の連結業績は、売上高5,276百万円(前年同期比16.4%増)、EBITDA938百万円(同62.2%増)、営業利益556百万円(同278.7%増)、経常利益552百万円(同316.6%増)、親会社株主に帰属する中間純利益490百万円(前年同期は14百万円の損失)となった。主力のSaaSドメインが安定した成長を継続したことに加え、BPaaSドメインが高い成長率を維持したことが増収をけん引した。通期業績予想下限値に対する進捗率は49.0%であり、おおむね計画どおりの水準で推移している。EBITDAマージンは17.8%と、中期経営計画に掲げる2026年目標レンジ10~15%を上回り、収益構造の改善が想定以上のスピードで進んでいることを示している。

売上高については、ストック収益を中心に安定した成長を継続している。特に売上収益の約95%を占めるストック売上は5,004百万円(同16.5%増)と収益基盤の安定性を支えている。売上総利益率は71.4%と前年同期比4.5ポイント改善しており、収益性向上が進展している。費用面では、BPaaS事業拡大に伴うオペレーター増員によって人件費が増加した一方で、広告宣伝費及び業務委託費は効率化が進み、売上高に対する費用構成比は低減した。事業面ではAI関連施策を積極的に展開した。ChatworkへのAI要約機能やAI下書き作成機能の実装に加え、社労士向けAIエージェント事業を開始するなど、既存サービスの付加価値向上と新たな収益機会の創出が両輪で進んだ。

グループ全体の従業員数は824名となり、前四半期から89名増加した。成長ドライバーであるBPaaS事業の拡大に伴うオペレーターの増員及び新卒社員の入社によるものである。従業員のうちBPaaSオペレーターは371名であり、売上拡大に合わせて順調に採用が進んでいる。加えて、クラウド郵便事業を展開するatena(株)のグループ入りに伴い、atenaのパートタイマー29名を新たにBPaaSオペレーターとして算入している。そのため足元では売上高をオペレーター数で除して算出した生産性指標は一見低下しているように見受けられるものの、既存BPaaS事業単体で見た場合、1人当たり売上高などの生産性指標は実際には向上傾向にある。今後もAI活用や業務プロセスの標準化による生産性向上を進めながら、収益性の高い事業モデルの構築を目指す。

2. ドメイン別の売上高推移
SaaSドメイン全体の売上高は4,083百万円(前年同期比5.8%増)となった。ストック売上高ベースでは同6.4%増と堅調な成長を維持しており、Chatworkを中心とした既存サービスが安定した収益基盤を築いている。一方、BPaaSドメイン全体の売上高は1,193百万円(同77.5%増)と極めて高い成長率を維持した。BPaaSドメインのストック売上高も同80.9%増と大幅に増加しており、継続的な契約獲得とサービス利用拡大が進んでいる。同社が推進するSaaSとBPaaSの融合戦略は、既存顧客基盤を活用したクロスセルによって成長を実現するモデルであり、その成果が如実に現れていると弊社では見ている。

3. 2026年12月期第2四半期の主要KPIハイライト
2026年12月期第2四半期の全社ARR(年間経常収益)は10,237百万円(前年同期比17.3%増)と、安定したサブスクリプション収益基盤の拡大が続いており、将来売上の予見性向上につながっている。SaaSドメインのARRは7,920百万円(同6.4%増)となった。内訳では、Chatwork関連が7,474百万円(同5.4%増)、その他サービスが445百万円(同25.2%増)となっており、主力サービスに加えて周辺サービスの成長も進んでいる。BPaaSドメインのARRは2,317百万円(同80.9%増)と高い成長率を維持している。全社ARR成長への寄与度は年々高まっており、同社の成長ドライバーとしての位置付けが一段と強まっている。

同社グループサービスの導入社数は100.4万社(同7.3%増)と、順調にプラットフォームとしての規模を拡大している。なお、この導入社数は、Chatworkの契約企業とBPaaSやその他のサービスを利用している企業の合計である。

Chatwork登録ID数は823.1万ID(同6.2%増)と利用者基盤は着実に拡大しており、中小企業向けビジネスチャットとしてのポジションを維持している。DAU(Daily Active Users:1日当たりのサービス利用者数)も123.5万人(同1.6%増)と着実に拡大した。登録ID数だけでなく実際の利用状況を示すDAUも増加していることから、利用者基盤の質を維持しながら拡大が進んでいると言える。

課金ID数は84.9万ID(同3.3%増)と堅調に推移している。1課金ID当たりの平均単価であるARPUは734.5円(同1.8%増)と改善が続いている。これは主に、値引き契約の適正化を中心とした値引きマネジメントの徹底や、スタンダードプランからプロフェッショナルプランへの移行促進などのアップセル施策の推進によるものである。課金ID解約率は1.17%(同0.29ポイント増)となった。フィッシング詐欺の影響によりやや上昇したものの一過性と見ている。フィッシング詐欺については、実際の発生件数は既に大幅に減少している。複数認証をはじめとする対策も実施済みであり、技術的な対応は一定程度完了している状況である。また、セキュリティ対策強化のために追加的なエンジニア採用を行う必要性はなく、既存体制の範囲で対応できている。総じて解約率は低水準にあり、ストックモデルの安定性は維持されていると評価できる。

4. 財務状況
2026年12月期中間期末の資産合計は、前期末比285百万円増の6,968百万円となった。主に、のれんが255百万円増加したことによる。負債合計は、同282百万円減の4,401百万円となった。主に、1年内返済予定の長期借入金が193百万円、未払法人税等が101百万円減少したことによる。純資産合計は同567百万円増の2,567百万円となった。主に、資本金が54百万円、資本剰余金が7百万円、利益剰余金が490百万円増加したことによる。自己資本比率は同6.9ポイント上昇の36.8%となった。EBITDAや営業利益の黒字化により財務基盤の改善が進んでいると弊社は見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)



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