飛島HD Research Memo(3):2026年3月期は7.5%の営業増益、グロース事業等がけん引
■飛島ホールディングス<256A>の業績動向
1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期の業績は、売上高139,255百万円(前期比0.7%増)、営業利益6,910百万円(同7.5%増)、経常利益5,968百万円(同4.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,845百万円(同30.2%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な増加は、新規連結子会社の買収に伴う負ののれん発生益499百万円を特別利益に計上した点に起因する。
売上高は、建設事業(土木事業)では、一部案件における発注者側の計画進捗の見直し等により減収となった。また、建設事業(建築事業)では前期に完成した大型工事の反動により小幅な増収にとどまったものの、注力しているグロース事業等が大きく伸長したことから、全体では増収を確保した。利益面では、採算性の向上に加え、グロース事業等の拡大が寄与し、売上総利益率は12.2%(前期は11.4%)へ改善した。販管費は同7.0%増と予算圏内で推移したことから売上総利益の増加が上回り、営業増益を確保した。
2. セグメント別状況
(1) 建設事業(土木事業)
建設事業(土木事業)の売上高は60,229百万円(前期比12.3%減)、セグメント利益は4,371百万円(同20.6%減)となった。これは主に新規工事における発注者側の計画進捗の見直し等によるもので、工事の進捗遅延に伴い売上総利益率は11.3%(前期は12.0%)へ低下し、売上総利益は68億円(同14億円減)となった。
一方で受注環境は堅調に推移しており、民間における大型案件の受注などにより、受注高は66,489百万円(同12.6%増)と前期を上回る実績を確保した。この結果、2027年3月期への繰越高も123,734百万円(同5.3%増)と高水準を維持している。
(2) 建設事業(建築事業)
建設事業(建築事業)の売上高は51,535百万円(前期比0.8%増)、セグメント利益は3,991百万円(同55.3%増)となった。堅調な工事進捗に加え、収益性を重視した選別受注及び徹底したコストマネジメント等が功を奏し、売上総利益率は10.8%(前期は8.3%)へ大幅に改善した。これにより売上総利益は55億円(同13億円増)を確保した。
一方で受注高は、案件の選別を厳格化したことや、前期に大型案件の反動があった影響などから、46,041百万円(同16.1%減)にとどまった。これに伴い繰越高は69,107百万円(同7.1%減)となったものの、依然として高水準を維持している。
(3) グロース事業等
グロース事業等の売上高は27,490百万円(前期比48.7%増)、セグメント利益は2,458百万円(同18.6%増)となった。不動産開発部門を担う(株)フォーユーにおける順調な不動産販売に加え、新たにグループへ加わった極東建設(株)、共和成産(株)、たち建設(株)の3社が大きく寄与した。各事業領域において堅調な進捗を見せ、売上総利益は45億円(同12億円増)へ拡大している。
主要な事業領域の動向としては、まず杉田建設(株)やたち建設などが担う地域建設の売上高が77億円(前期比31億円増)、売上総利益が11億円(同5億円増)へと大幅に伸長した。(株)テクアノーツ及び極東建設などが手掛ける水インフラは、売上高52億円(同4億円増)、売上総利益14億円(同1億円増)と手堅く推移している。(株)ウッドエンジニアリング及び共和成産が推進する木造・木質は、売上高8億円(同8億円増)、売上総利益2億円(同2億円増)を計上した。フォーユー等を展開する不動産他は、売上高136億円(前期比47億円増)、売上総利益18億円(同4億円増)を確保し、セグメント全体の成長をけん引した。
3. 財務状況及びキャッシュ・フローの状況
2026年3月期末の流動資産は124,792百万円(前期末比3,002百万円減)となった。主な増減要因としては、現金預金の減少4,969百万円、受取手形・完成工事未収入金等の減少1,587百万円、開発事業等支出金等の減少3,853百万円などが挙げられる。固定資産は38,256百万円(同8,947百万円増)となり、その要因は有形固定資産の増加6,931百万円、無形固定資産の減少81百万円、投資その他の資産の増加2,096百万円となった。この結果、資産合計は163,096百万円(同5,930百万円増)となった。なお、有形固定資産が増加したのは、主に新規連結子会社の買収によるものである。
流動負債は100,270百万円(前期末比9,530百万円増)となった。増減要因は支払手形・工事未払金等の減少1,408百万円や未成工事受入金の減少1,266百万円があったものの、短期借入金が8,361百万円、預り金が4,706百万円それぞれ増加したことによる。固定負債は主に長期借入金の減少8,822百万円などにより、8,416百万円(同7,558百万円減)となった。この結果、負債合計は108,687百万円(同1,972百万円増)となった。
純資産合計は54,409百万円(前期末比3,959百万円増)となった。これは主に利益剰余金の増加4,846百万円、その他有価証券評価差額金の増加491百万円などによるものである。この結果、2026年3月期末の自己資本比率は33.3%(前期末は32.0%)となった。
2026年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは3,531百万円の収入となった。主な収入要因としては、税金等調整前純利益6,503百万円や減価償却費1,279百万円の計上のほか、売上債権の減少2,542百万円、開発事業等支出金等の減少3,907百万円、預り金の増加4,634百万円などが挙げられる。一方で、販売用不動産の増加4,646百万円や仕入債務の減少1,691百万円などが主な支出要因となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは4,654百万円の支出となった。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,893百万円に加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得に伴う支出3,636百万円などが生じたことによる。
財務活動によるキャッシュ・フローは、4,017百万円の支出となった。主な要因は、長短借入金の減少(ネット)2,241百万円や、配当金の支払額1,730百万円などの支出によるものである。
これらの結果、現金及び現金同等物は前期末比5,067百万円減少し、現金及び現金同等物の期末残高は20,425百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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