BS11 Research Memo(1):主力の放送事業が伸び悩むも周辺事業が引き続き拡大
■要約
日本BS放送<9414>は、無料のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営する独立系のBS放送局である。キー局系列に属さない独立系であることに加えて、無料放送という2つの特徴を持つ。独立系ならではの強みを生かし、全国のテレビ局及び制作会社との自由なコンテンツ制作・展開を実現している。
1. 2026年8月期中間期の業績概要
2026年8月期中間期の個別業績は、売上高が5,499百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益882百万円(同26.0%減)、経常利益911百万円(同24.6%減)、中間純利益630百万円(同24.6%減)となり、連結業績は売上高が5,834百万円(同0.9%減)、営業利益849百万円(同26.7%減)、経常利益876百万円(同25.3%減)、親会社株主に帰属する中間純利益596百万円(同25.7%減)となった。いずれも減収減益で着地した。個別業績では、売上面は主力のタイム収入において引き続き公営競技関連が好調だったが、ショッピングカテゴリーが伸び悩み同3.4%減収となり、スポット収入は純広告スポット(一定の枠を買い取るスポット広告)で増加基調を維持したが、通販スポットで苦戦し、同3.8%の減収となった。その他部門は同34.6%増と大きく伸びた。アニメ製作委員会からの出資配当収入が好調だったほか、「BS11+」等の配信事業収入の堅調が要因である。利益面は、重点施策の既存コンテンツ強化や新規コンテンツ開発、良質なアニメコンテンツの確保のほか、宣伝活動の強化により、各段階利益は前年同期比で大きく減少したが、ほぼ期初予想並みで着地した。連結業績は、出版子会社の減収があったが、予想比の減収幅は個別業績並みで、利益面ではやや上回った。
2. 2026年8月期の業績見通し
2026年8月期業績予想は、個別では、売上高11,800百万円(同6.9%増)、営業利益1,800百万円(同9.5%減)、経常利益1,886百万円(同7.7%減)、当期純利益1,305百万円(同7.7%減)と増収減益予想を据え置いた。連結ベースでは売上高12,576百万円(前期比6.5%増)、営業利益1,804百万円(同6.6%減)、経常利益1,888百万円(同4.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,306百万円(同2.9%減)と増収減益の期初時点の予想を据え置いた。売上面では期初に策定した重点施策を継続し、IP(知的財産)コンテンツの開発加速と連動した放送事業収入の最大化や周辺事業の収益拡大を目指す。放送事業収入については、タイム収入は中間期に続き状況は厳しいと見込むが、ゴルフジャンルのさらなる強化に取り組む等、今期重点的に推し進めているコンテンツ面における強化を継続し、媒体価値向上による挽回を図る。スポット収入は純広告スポット、通販スポットにおいて引き続き顧客開拓に注力する。その他の収入については、中間期のアニメ製作委員会からの出資配当や配信事業の好調継続を予想し、通期でも高い伸び率を見込む。これらが堅調に推移すれば、予想達成の確度は高まると考えられる。利益面は、重点施策として取り組むIPコンテンツの拡充や広告宣伝等の先行投資により通期で減益を予想するが、収益拡大の布石として期待したい。
3. 「6つの“力”」を具現化する重点施策「Value4」を推進
2025年8月期に引き続き、中長期戦略で定義した「6つの“力”」(「マーケティング力」「企画力」「戦略構築力」「実行力」「変化対応力」「改革推進力」)を具現化する重点施策「Value4」として、「I. 放送事業収入の最大化」「II. 独自IPコンテンツの開発加速」「III. アニメビジネスの収益基盤拡充」「IV. 企業価値向上のための戦略的投資」の4つを推進中だ。「I. 放送事業収入の最大化」では、放送事業収入の回復に向け、報道、エンタメ、音楽、紀行・教養、ドラマ、スポーツ、アニメ等の各分野の番組ラインアップと広告宣伝を強化している。「II. 独自IPコンテンツの開発加速」では、子会社の(株)国土社が刊行した『雨上がりのスカイツリー』をドラマ化し、本放送や配信サービス、イベント開催等、各事業連携の実績を残した。「III. アニメビジネスの収益基盤拡充」では、アニメコンテンツへの投資を拡大し、3ヶ月クールごとの新作アニメ番組の放映や、周辺事業となる他社との協業による「コトブキヤくじ」等のグッズ販売、「AnimeJapan 2026」への出展等の実績を挙げている。「IV. 企業価値向上のための戦略的投資」では、重点施策の実現に向け投資を一層強化し、2030年の売上高130億円超、営業利益率20%超を目指す。アニメや配信等の成長事業を含む、放送事業以外の収入を売上高全体の15%超へと拡大させるべく、アライアンス等を検討中だ。
■Key Points
・2026年8月期中間期は減収減益もおおむね期初予想どおり。アニメ・配信関連が好調
・2026年8月期は期初予想を据え置き。先行投資等により減益予想も出資配当や配信事業の好調継続等で増収見込む
・重点施策「Value4」を推進中。IP資産の開発加速と周辺事業拡大で企業価値向上を目指す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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