ベルシス24 Research Memo(1):新中期経営計画は売上収益で年率7.3%増、営業利益で同10.9%増が目標
ベルシステム24ホールディングス<6183>は東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に上場する国内コンタクトセンター大手で、傘下に子会社8社を持ち、CRM(Customer Relationship Management:顧客管理)を主たる事業として全国で事業展開している。2026年2月末現在、国内35拠点、ブース数(同社国内拠点でオペレーション業務を実施する席数)17,500席を擁するコンタクトセンター業界のリーディングカンパニーである。伊藤忠商事<8001>、TOPPANホールディングス<7911>との資本業務提携を最大限に活用し、2031年2月期に向けた「中長期成長シナリオ」の推進により、企業価値のさらなる向上を目指している。
1. 2026年2月期の業績概要
2026年2月期の連結業績は、売上収益145,826百万円(前期比1.5%増)、営業利益12,652百万円(同9.2%増)、税引前利益12,290百万円(同9.4%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,181百万円(同2.2%増)と、増収増益となった。売上収益は同2,219百万円増で、うちスマートコンタクトセンター業務は通信キャリア案件、公共系案件や選挙業務などにより同17.1億円増、スマートビジネスサポート業務はバックヤード業務や人事・経理系業務の増加により同6.5億円増であった。売上総利益がクライアントへの請求単価の引き上げや拠点整理などによる収益改善施策の効果により同2,105百万円増となり、販管費が前期の拠点整理関連費用の反動減から同576百万円減となったことで、営業利益は同1,065百万円増と大きく伸びた。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、営業利益に加えて持分法による投資損益の増益により、同178百万円増となった。以上の結果、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)は11.4%、自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は43.5%となった。2025年3月期東証プライム市場サービス業平均のROE8.6%、自己資本比率5.6%を大きく上回る水準で、引き続き同社の収益性や安全性は高いと弊社では評価する。1株当たりの年間配当は60.0円、配当性向は54.4%で、2025年3月期東証プライム市場サービス業平均の32.7%を上回り、株主重視の経営姿勢を示している。
2. 2027年2月期の業績見通し
2027年2月期の連結業績は、売上収益152,000百万円(前期比4.2%増)、営業利益13,000百万円(同2.7%増)、税引前利益12,600百万円(同2.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,500百万円(同3.9%増)の増収増益を見込んでいる。スマートコンタクトセンター業務は、人材不足などによるアウトソース需要の拡大やAI関連のHOL(Hybrid Operation Loop:同社が開発するAI自動化ソリューション)の本格的な業務開始による増収を見込む。また、スマートビジネスサポート業務は、BPR(Business Process Re-engineering:企業の業務プロセスや組織、ルールを抜本的に設計し直し、生産性や品質、コスト、スピードなどを劇的に改善する経営手法)案件からのBPOの取り込みや、(株)AVILENとの提携によるAIエージェントの開発運用といった新サービスにより増収を計画する。売上収益の増収効果にAI関連業務の利益が加わり、売上総利益の増加を見込むものの、販管費にセキュリティ対策などのコスト増を想定し、営業利益は小幅増益にとどまる見通しだ。親会社の所有者に帰属する当期利益も、営業利益の増加に伴い小幅増益を見込んでいる。1株当たりの年間配当は60.0円、配当性向は52.5%を予想するが、引き続き連結配当性向50%を基本方針として、利益の拡大を通じて増配の実現を目指す。
3. 中長期の成長戦略
新たにスタートした「中期経営計画2028(Hybrid Intelligence)」(2027年2月期~2029年2月期)では、最終年度となる2029年2月期の売上収益1,750億円(年率7.3%増)、営業利益160億円(同10.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益100億円(同8.7%増)+α、配当性向50%を目標にする。+αには、生成AIのさらなる拡大による上振れ余地を織り込んでいる。また、営業利益率は2026年2月期の8.7%から9.1%に上昇する計画である。目標達成に向けては、生成AIを活用することで、CX(Customer Experience:サービス利用時に顧客が感じる心理的な価値)高度化と、BPO(Business Process Outsourcing:顧客からの業務受託)拡大を成長戦略として取り組み、新たな価値創出の実現を図る。中期経営計画2028は、2031年2月期に売上収益2,500億円、営業利益率10%以上を掲げる中長期シナリオへの通過点であるが、AIを軸としたコンタクトセンター運営と事業の多角化に向けた転換期となる重要な3年間と位置付ける。中期経営計画2028は意欲的な計画であるが、目標達成に向けた取り組みの進展に注目したい。
■Key Points
・2026年2月期は増収増益決算で、引き続き収益性・安全性は高い。配当性向は2025年3月期東証プライム市場サービス業平均を大きく上回り、株主還元にも十分に配慮
・2027年2月期も増収増益を予想し、前期と同水準の配当を計画
・「中期経営計画2028(Hybrid Intelligence)」をスタート。生成AIを活用した成長戦略の推進により、売上収益は年率7.3%増、営業利益は同10.9%増を計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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