rakumo Research Memo(3):Google等のグループウェアを拡張するツールを提供(1)
1. 事業概要
rakumo<4060>はITビジネスソリューション事業の単一セグメントである。なかでも、サブスクリプション型であり、継続成長率の高いrakumoサービスが主力である(2025年12月期の売上高構成比は77.3%)。Google及びSalesforceとパートナーシップを結び、両社のクラウド上でGoogle Workspace版「rakumo」Salesforce版「rakumo」を提供している。加えて、AvePoint Japanとの業務提携により、2025年9月よりMicrosoft 365版「rakumo」の提供を開始した。クライアントはベンチャー企業から大企業まで業種、規模を問わず幅広く、2025年12月末時点のクライアント数は2,552社(前期末比79社増)と着実に増加している。
Google Workspace版「rakumo」では、Googleが提供するグループウェア「Google Workspace」と連携し、機能拡張したアドオンツールとして提供している。Google Workspaceは一般ユーザー向けに提供開始されたこともあり、「rakumo」は企業がGoogle Workspaceを利用する際に不足する機能の補完や、より使いやすい画面の設計、より便利に利用できる機能を追求し、提供している。具体的には、共有スケジューラー「rakumoカレンダー」、共有アドレス帳「rakumoコンタクト」、電子稟議システム「rakumoワークフロー」、電子掲示板「rakumoボード」、経費精算システム「rakumoケイヒ」、勤怠管理システム「rakumoキンタイ」の6つのサービスを提供している。同様にSalesforce版「rakumo」では、共有カレンダー「rakumoソーシャルスケジューラー」と、カレンダー同期サービス「rakumo Sync」を提供している。
「rakumo」の価格はプロダクトごとに細分化している。「rakumoカレンダー」は1つのIDにつき月額200円(税抜き。以下、同)、「rakumoコンタクト」は同130円、「rakumoワークフロー」は同500円、「rakumoボード」は同300円、「rakumoケイヒ」は同300円、「rakumoキンタイ」は同300円となっている。また、複数のプロダクトをまとめて購入するパッケージプロダクトも取り揃えており、「rakumoカレンダー」「rakumoコンタクト」「rakumoワークフロー」「rakumoボード」の4つのプロダクトが利用できる「rakumo Basicパック」は同680円、全6プロダクトが利用できる「rakumo Suiteパック」は同1,100円となっている。
同社は2025年7月にGoogle Workspace版「rakumo」一部製品及びパックの利用料金を改定すると発表した。料金改定の背景は、大型アップデートによるサービス価値の向上である。今回のアップデートでは、GoogleのAI技術「Gemini」や「Vertex AI」を活用したAIエージェント「rakumoエージェント」を新たに搭載し、業務効率やユーザー体験を大幅に向上する。また、既存顧客から要望の多かったカレンダーで社外とのスケジュール調整を効率化する日程調整機能や、ワークフローのコメント・ディスカッション機能などの新機能も追加する。加えて、従来は有償オプションとして提供していた一部機能を標準搭載とするため、ユーザーにとっては一段と利便性が高まる。なお新規契約に関しては2025年10月1日からすべて新料金体系へ移行しており、既存契約は2026年1月1日以降に契約更新のタイミングを迎えたものから順次切り替えている。利用料金改定は「rakumoカレンダー」「rakumoコンタクト」「rakumoボード」「rakumo ワークフロー」と、それらを含む「rakumo Basicパック」「rakumo Suiteパック」で行う。
同社はGoogle Workspace版及びSalesforce版に加え、新たにMicrosoft 365版展開を本格化している。Microsoft 365プラットフォームにおいてグループウェアSaaS「rakumo」シリーズを提供するため、AvePoint Japanと業務提携を行った。AvePoint JapanはMicrosoftとの強固なパートナー関係を有し、Microsoft 365環境におけるプロダクト開発力に強みを持つ。同社はこのパートナーシップを活用し、Microsoft 365ユーザー向けに最適化した「rakumo」プロダクトの開発と販売体制の構築を進めている。
同社は2025年9月、Microsoft 365対応の「rakumoカレンダー」及び「rakumoコンタクト」を提供開始し、2026年2月には「rakumoボード」の提供も開始した。今後は他プロダクトのMicrosoft 365対応についても検討を進めており、ラインナップの拡充によりクロスセル機会の拡大を図る方針である。国内ではMicrosoft 365の導入企業が増加しており、Google Workspace版で培った機能開発力やUI設計の知見を横展開することで、新たな顧客層の開拓が可能になると見込まれる。販売面では、2026年2月に(株)USEN Smart Works及びソフトバンク<9434>との間で「rakumo for Microsoft 365」の再販を開始した。両社は法人向けにMicrosoft 365の導入支援やライセンス販売を手掛けており、既存顧客基盤を活用した拡販が期待される。Google Workspace版に依存しないマルチプラットフォーム戦略を確立することで、市場ポジションの強化と中長期的な成長基盤の拡大を目指す考えである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林 拓馬)
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