ADワークスグループ Research Memo(4):2026年12月期は戦略投資で減益を見込むも、2ケタ増収が続く
1. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績は、売上高が前期比14.0%増の77,000百万円、営業利益が同13.8%減の4,300百万円、税引前利益が同13.3%減の4,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.5%減の3,100百万円と増収減益を見込む。不動産小口化商品の税制改正※の影響を考慮し、事業ポートフォリオの柔軟な再編を行うとともに、2027年以降の大幅な成長を目指した戦略的投資を実施することが減益の要因となる。
※ 不動産小口化商品のうち、任意組合型または信託受益権型の貸付用不動産については、取得時期に関係なく、相続開始時または贈与時の通常の取引価格に基づいて評価されることになり、2027年1月以降に相続・贈与される商品に適用される。
売上高については、国内収益不動産販売事業のうち小口化商品が前期比78.2%減の5,000百万円と大きく減少する一方、一棟再生販売が同39.9%増の50,000百万円と高成長を見込んでいるほか、オフィス区分販売も前期の626百万円から10,000百万円と急拡大する。米国での収益不動産販売や外部オーナー向けPM事業の売上がなくなるものの、その他の既存事業の拡大や新規事業の立ち上げ等により連続2ケタ増収を見込む。売上高の目標がややチャレンジングな印象も受けるが、収益不動産残高の状況を考慮すると、達成可能な範囲であると考えられる。2025年12月期の売上高は2024年12月期末の収益不動産残高の約1.5倍の水準にあり、また2026年12月期の売上計画77,000百万円は、前期末の収益不動産残高54,586百万円の1.4倍に相当している。したがって、収益不動産の売上回転率を維持できれば、この目標は達成可能と見ることができる。
なお、同社は売上高の上振れシナリオとして、不動産小口化事業の売上高が予想以上に増加する可能性があると考えている。現在、顧客が小口化商品の特性を十分に理解したうえで投資を検討する動きが見られ、金融機関でも顧客紹介を再開し始めているためだ。同社は今後の状況を注視し、需要が見込まれる場合は商品ラインアップを拡充し、夏頃を目途に当初の計画を見直すことも検討している。
増収減益については、販管費で前期比13.3億円の増加を見込んでいることが要因となる。主な増加要因は、BtoC事業領域の強化に向けたブランディング戦略費用5億円(うち、プロダクトマーケティング費用3億円、認知度向上に向けたコーポレートブランディング費用2億円)の計画のほか、人的資本投資(人員増に伴う人件費、採用費、教育研修費等)の増加を見込む。2025年は約40名を採用したのに対して、2026年は約50名の採用を計画している。
営業外の増減要因として、支払利息が前期比5億円増加する一方で、特別利益も同5億円の増加(外部オーナー向けPM事業の売却等により15億円計上の見込み)を計画している。この結果、税引前利益の減益幅は営業利益と同水準となる見通しだ。また、親会社株主に帰属する当期純利益の減益率が1ケタ台にとどまる要因は、法人税率の正常化によるものである。2025年12月期は、米国子会社の解散に伴う繰延税金資産の取り崩しにより、法人税が一時的に増加した。
同社は四半期ベースの業績計画を開示していないが、不動産小口化事業の売上高が第2四半期以降に偏重する見込みであり、またオフィス区分事業の拡大に向けた先行投資(商品理解・提案プロセスの標準化・運用定着等の教育研修費用等)を第1四半期に行うため、第1四半期の売上高及び営業利益の通期計画に対する進捗率は低くなると見込んでいる。一方、税引前利益は外部オーナー向けPM事業売却による特別利益の計上時期により変わってくるが、現時点では第1四半期に大半を計上する可能性が高いと見ている(最終金額は契約条件に基づき2026年7月以降に確定)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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