CAP Research Memo(4):2025年9月期は増収増益、売上高は過去最高を更新。全KPIも目標を達成
1. 2025年9月期の業績概要
2025年9月期の業績は、売上高で9,689百万円(前期比18.5%増)、営業利益で530百万円(同78.4%増)、経常利益で535百万円(同73.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で401百万円(同156.3%増)となった。売上高は、生命保険向けの顧客管理システム再構築案件や変額個人年金保険システム案件の獲得によって大幅な増収となり、過去最高を更新した。利益面では、プロジェクト管理の徹底により、労務費及び外注費などの原価率の低減に加え、販管費の増加を売上増加の範囲内に抑制したことで営業利益は増益となり、同利益率は5.5%に改善した。また、試験研究費や賃金増加に関わる法人税額控除の適用によって、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比2.5倍を超える大幅な増益となった。これにより、KPIとしていた売上高(目標値は8,780百万円)、営業利益(同450百万円)、営業利益率(同5.1%)、ROE(同8.0%、2025年9月期実績11.6%)のすべての項目において目標を達成した。
生命保険向け売上が前期比17.5%増、証券向けが同69.2%増
2. クライアント別売上
クライアント別売上高では、生命保険向けが8,111百万円(前期比17.5%増)、銀行向けが988百万円(同7.4%増)、証券向けが398百万円(同69.2%増)、FP・会計事務所ほか向けが191百万円(同56.6%増)となった。生命保険向けは、新NISA制度の開始を背景とする資産形成商品の需要拡大を受け、新商品リリースに関連するシステム開発案件が堅調に推移した。銀行向けは、ゴールベースプランニングシステム開発などの受託開発の受注が寄与した。証券向けは、IFA向け投資商品発注サポートシステムをはじめとする、証券業務における新たな事業領域での受託開発が寄与し、大幅増加となった。これらの進展により、生命保険会社向けに偏重していた売上構成は徐々に見直されており、特定の販売先への集中を緩和する事業ポートフォリオの分散が着実に進展している。
受託開発が前期比20.1%増と好調
3. サービス別売上
サービス別売上では、受託開発売上が9,121百万円(前期比20.1%増)、使用許諾・保守売上は516百万円(同6.7%減)、その他が50百万円(同67.7%増)となった。生命保険及び証券向けの受託開発案件が好調に推移した。加えて、メガバンクからの富裕層向け資産管理プラットフォームに関する継続的な開発受注や、地方銀行からのゴールベースプランニング、相続・医療ローンのシミュレーションシステム開発案件の獲得が受託開発増に寄与した。
自己資本比率は56.1%と健全性を維持、営業利益率は5.5%に改善
4. 財務状況と経営指標
2025年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比970百万円増加し6,630百万円となった。主な増減要因としては、無形固定資産が149百万円減少した一方で、現金及び預金が358百万円、売掛金及び契約資産が544百万円、投資その他の資産が267百万円増加したことが挙げられる。売掛金は検収済みで回収待ちの債権であり、契約資産は工事進行基準を適用する請負工事において、工事進捗割合に応じて擬制的に認識される売上債権である。期末にかけて契約資産が増加したのは、期をまたぐ案件が増加したことによるものであり、ビジネスモデルの変化によるものではない。
負債合計は前期末比336百万円増加し2,700百万円となった。有利子負債は27百万円減少した一方、買掛金が86百万円増加しており、事業拡大に伴う取引量増加が主な要因である。
純資産合計は前期末比633百万円増加し3,930百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益401百万円の計上に加え、有価証券評価差額金181百万円の増加によるものである。
収益性指標では、ROE(自己資本当期純利益率)が11.6%と前期比6.6ポイント上昇した。営業利益率も1.9ポイント改善し5.5%となり、中期経営計画における2025年度目標である5.1%を上回った。安全性指標では、自己資本比率は0.8ポイント低下したものの、56.1%と依然として高水準を維持している。D/Eレシオは0.38倍と低位に抑えられており、財務の健全性は良好である。加えて、流動比率は239.0%と高く、短期的な資金繰りに対する懸念はない水準と言える。
営業活動によるキャッシュ・フローで現金及び預金が増加
5. キャッシュ・フローの状況
2025年9月期のキャッシュ・フローの状況を見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは434百万円の収入となった。売上債権の増加により544百万円減少したものの、税金等調整前当期純利益544百万円及び減価償却費280百万円の計上が主な増加要因となった。
投資活動によるキャッシュ・フローは130百万円の支出となった。これは、有形固定資産及び無形固定資産の取得に伴う支出が主因である。
財務活動によるキャッシュ・フローは27百万円の収入となった。長期借入金が27百万円減少したことに加え、配当金91百万円の支払いがあったが、非支配株主からの払込み147百万円が収入要因となった。
これらの結果、現金及び現金同等物は前期末比331百万円増加し、期末残高は1,747百万円となった。
2026年9月期第1四半期も大幅増収増益
6. 2026年9月期第1四半期の業績概要
2026年9月期第1四半期の業績は、売上高で2,510百万円(前期比21.8%増)、営業利益で180百万円(同12.4倍)、経常利益で174百万円(同17.5倍)、親会社株主に帰属する四半期純利益で115百万円(同54.0倍)と大幅な増収増益となった。同社の主要クライアントである生命保険会社では、従来、保険商品のリリース時期が4月及び10月に集中する傾向があり、同社の売上が第2四半期及び第4四半期に偏重しやすい季節性があった。しかし足元では、資産形成商品の受注拡大を背景に、商品リリースのタイミングが分散する傾向にある。この結果、2026年9月期第1四半期においても売上が堅調に推移し、収益の期中平準化が進展したことが、大幅な増益につながった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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