ホクト:国内首位のきのこ総合メーカー、加工・海外展開で新たな成長局面へ
ホクトの2026年3月期第2四半期(2025年4月〜9月)の連結業績は、売上高38,080百万円(前期比5.8%増)、営業利益58百万円(前期は282百万円の赤字)、経常利益307百万円(前期は639百万円の赤字)、親会社株主に帰属する中間純利益1,401百万円(前期は499百万円の赤字)と増収・大幅な増益となった。
セグメント別では、国内きのこ事業が売上高23,273百万円(前期比3.0%増)、セグメント利益320百万円(同319百万円増)と堅調に推移。主力製品のブナシメジ、ブナピー、エリンギ、マイタケは生産量が微減したものの、価格は比較的堅調に推移した。海外事業は売上高3,827百万円(同6.7%増)と伸びたが、マレーシアでの販売不振などが影響し、利益は前年を下回った。加工品事業は売上高3,837百万円(同1.7%減)ながら、利益は175百万円(同59.3%増)と採算が改善した。化成品事業は売上高7,141百万円(同20.7%増)、セグメント利益263百万円(同97.2%増)と大幅な増収増益を達成した。
2026年3月期通期の連結業績予想は、売上高84,700百万円(前期比1.9%増)、営業利益5,830百万円(同12.0%減)、経常利益6,280百万円(同9.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5,760百万円(同29.7%増)と増収・最終増益を見込む。国内きのこの堅調な需要と米国などの成長領域が牽引する見込みである。年間配当は期末42円を予定しており、中間配当10円と合わせて年間52円(前期比2円増)と増配を計画している。
同社の中期経営計画(2025年3月期〜2029年3月期)は、「事業領域の拡張」と「戦い方のアップデート」を基本方針に掲げ、国内収益力の強化と海外・新規事業への展開を両輪として持続的成長を目指すものである。最終年度である2029年3月期には、連結売上高1,000億円(2025年3月期比169億円増)、営業利益100億円(同34億円増)、全社営業利益率10%の達成をKPIとして設定している。
国内事業では、主力のきのこ事業を中心に「生産量の最適化と価格安定化」「エリア×アイテム戦略」「原価低減」の3軸で収益性を高める。さらに、LED照明導入や空調効率化によるエネルギーコスト削減などにより、生産性向上にも取り組む。
併せて、加工品事業を次の成長エンジンとして位置づける。即食・簡便志向の高まりを背景に、レトルト食品やきのこ加工品の需要拡大を取り込む。傘下のアーデンが製造するレトルト食品の収益性改善を図るとともに、新たに開発した「冷凍きのこ」を通じて、冷凍野菜市場という新たな消費領域への進出を進める。これにより、国内の食卓シーン全体で「きのこをいつでも美味しく食べられる」環境を整備し、ブランド価値を高める方針である。
海外では、米国市場を成長ドライバーと位置づける。北米ではスペシャリティきのこの市場が年平均12%増の成長と高い伸びを示しており、ホクトはこの機会を捉えて米国西海岸地域に新たにブナシメジ3,000トン規模の生産工場の建設を計画。既存の2,400トン工場と合わせて生産能力を倍増させ、直販チャネルの拡充を通じて大手スーパーやナチュラル系小売チェーンへの浸透を図る。一方、マレーシア事業では、富裕層向けスーパーへの展開により採算の改善を図る。
これらの施策により、同社は「日本発・世界展開のきのこ総合企業」として、研究開発と生産・販売の両輪による収益基盤を確立し、安定成長と社会的価値創出の両立を実現していく方針である。
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