タイミー Research Memo(1):2025年10月期は大幅な増収増益を達成。営業利益率は19.7%に向上
タイミー<215a>は、日本における「スキマバイト」(スポットワーク)市場の先駆者であり、ワーカー(働き手)側の「就業希望時間」と雇用主側の「稼働要請時間」をマッチングするスキマバイト仲介サービス「タイミー」を展開している。サービス利用率・求人掲載数において業界首位※である。2019年10月期に83百万円だった売上高が、2025年10月期に34,289百万円まで急成長したベンチャー企業である。
※ サービス利用率出所:調査委託先(株)マクロミルによるインターネット調査。調査時期 2025年1月31日から2025年2月4日。調査対象 直近1年以内にスキマバイトを経験したことのある18〜69歳の男女1,033人を対象。
求人掲載数出所:(株)日本マーケティングリサーチ機構が行った2025年6月期スキマバイトサービスにおける市場調査結果。2025年5月13日から2025年6月12日に実施。
1. 2025年10月期の業績概要
2025年10月期の業績は、売上高が34,289百万円(前期比※1 27.6%増)、営業利益が6,747百万円(同58.9%増)と、大幅な増収増益となった。前期比については、売上高に関しては深刻な人手不足を背景に利用企業が増加し、大幅な増収となった。登録クライアント事業所数は417千拠点、アクティブアカウント数※2は226千拠点(第4四半期単独)に増加した。全社の売上高の成長率鈍化は継続しているものの、競争激化による影響を想定範囲にとどめた。売上総利益が大幅増収を主因に増加した一方で、販管費は戦略分野への投資を行いつつも、増収効果及び規律を持った投資によりコストを最適化した。結果として、営業利益は前期比58.9%増、営業利益率は19.7%に上った。
※1 同社は2025年10月期から連結決算に移行した。前期比は2024年10月期の日連結決算上の数値との単純比較としている。
※2 月に少なくとも1つの求人を掲載したクライアント事業所数。3ヶ月毎のアクティブアカウント数の合計を示しており、かかる数値は3ヶ月中に1つの求人を掲載したクライアント数よりも大きくなる可能性がある。
2. 2026年10月期の業績見通し
2026年10月期※の業績は、売上高が39,648〜41,241百万円(前期比15.6〜20.3%増)、営業利益が7,837〜8,924百万円(同16.2〜32.3%増)と、前期に比べやや成長率は落ちるものの、引き続き大幅な成長が続く見込みである。レンジ予想となった背景は、戦略的投資の効果、M&Aのシナジー、マクロ環境(特に物流業界の動向)などを精緻に織り込むことが困難なためである。戦略的施策としては、物流業界の受入負荷軽減プロジェクト、介護福祉業界への浸透、正社員採用サービス「タイミーキャリアプラス」の売上貢献も見込む。また、子会社化したスキマワークスの物流倉庫領域の業務委託型事業の連結化に伴う売上高の純増を織り込んでいる。2025年10月期第4四半期における単独の増収率が20.4%であったことからも、2026年10月期においても、予想の上限に近い成長率(20.3%)を達成する蓋然性は高いと弊社は見ている。2026年10月期は売上高の堅調な成長継続と営業利益のさらなる成長を目指し、戦略的な投資を継続する方針である。
※ 同社は業務効率化を目的として決算期を10月から4月に変更した。これに伴い2026年4月期は6ヶ月間の変則決算となるが、本レポートでは前期との比較可能性を担保するため、同社公開資料に基づき従来の決算期に基づいた12ヶ月間の試算値を「2026年10月期」として記載している。
3. 成長戦略
中期的な視点では、同社は「守り」から「攻め」に転じるターニングポイントを迎えている。2025年10月期は、競合企業の参入や不正利用強化などの外部環境対応を優先した「守り」のフェーズであった。そして2026年10月期は再成長に向けた「仕込み」を行い、将来の「攻め」の準備に注力する計画である。具体的な戦略としては、まず物流、小売・飲食といった既存の主要業界において、拠点浸透率の向上や長期採用支援サービスの展開などソリューション開発の深掘りを行う。並行して、介護福祉業界を「新成長領域」と位置付け、戦略的投資によるシェア拡大を進める。さらに、さらに、インオーガニック(M&A等)戦略を成長の加速装置として活用する方針である。既に子会社化したスキマワークス(株)による業務請負(BPO)事業の展開はその先駆けであり、今後も創出される豊富なキャッシュを原資として積極的なM&Aを推進する。これに加え、ワーカーの勤務実績データを活用した正社員紹介サービス「タイミーキャリアプラス」などの新規事業を多角化することで、さらなる市場支配力の強化を目指している。
■Key Points
・2025年10月期は大幅な増収増益を達成。営業利益率は19.7%に向上
・2026年10月期は2ケタ増収増益を見込む。戦略投資を継続しつつ、利益成長へ
・既存事業の深掘りと介護福祉業界への投資などにより、「攻め」への転換を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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