クリアル Research Memo(1):2026年3月期中間期は前年同期の反動で減収も、売上総利益は順調
クリアル<2998>は、不動産投資クラウドファンディングのリーディングカンパニーとして、オンライン不動産投資市場で事業を展開している。事業構成は、資産運用プラットフォーム事業の単一セグメントであり、クラウドファンディングを活用した個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービス「CREAL」(投資額1万円~)、機関投資家及び超富裕層向けに大型不動産を対象とした資産運用サービス「CREAL PRO」、個人投資家向けに実物不動産を対象とした中長期の資産運用サービス「CREAL PB」の3つと、「その他」として物件管理事業及びホテル運営事業がある。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高16,794百万円(前年同期比22.5%減)、売上総利益2,985百万円(同12.6%増)、営業利益743百万円(同28.0%減)、経常利益713百万円(同26.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益521百万円(同29.6%減)と減収、売上総利益を除き減益となった。各段階利益の通期業績予想に対する中間期進捗率は、売上総利益が40.4%、営業利益が27.8%、経常利益が28.4%、親会社株主に帰属する当期純利益が28.9%となった。同社が業績面で最も重視する売上総利益は堅調に推移している。売上面では、主力の「CREAL」が不特法3号4号ファンドの組成を開始し収益貢献を始めたほか、不特法1号2号ファンドの運用物件売却が高いテイクレートを確保して増収となり、売上総利益は同221.2%増と伸長した。「CREAL PRO」は前年同期の反動で減収、売上総利益も減少したが、アセットマネジメントフィーを着実に計上したことで売上総利益率は高まった。「CREAL PB」は、投資用区分レジデンスの販売戸数を伸ばし増収、売上総利益は同20.8%増加した。「その他」では「CREAL PARTNERS」や「CREAL HOTELS」が増収増益となり、売上総利益は同152.9%増と伸長した。利益面では、売上総利益の増加の一方で、積極的な事業拡大に伴う人件費や広告宣伝費など販管費が増加したが、業績予想には織り込み済みである。
2. 2026年3月期通期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は、売上総利益7,410百万円(前期比30.8%増)、営業利益2,660百万円(同35.1%増)、経常利益2,500百万円(同36.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円(同33.2%増)と、期初予想を据え置いた(2026年3月期から売上高予想の開示を中止)。「CREAL」では不特法3号4号のファンド組成が進むことや、不特法1号2号ファンドの運用物件の売却も予定どおり進捗しており、業績のさらなる上積みを目指す。「CREAL PRO」は対象物件の性質から収益化が下期に集中するほかパイプラインの蓄積も進んでおり、着実に案件をクロージングして予想の達成を目指す。「CREAL PB」は下期も人員増強の効果発揮により利益の上積みを目指す。「その他」では、ストック収益となるレジデンス賃貸管理収入の増強や、ホテル運営の収益最大化により予想達成を図る。費用面では、不動産ST(セキュリティトークン)※事業やホテル運営事業の成長に向けた、システム開発を含む人材の拡充策による人件費の増加のほか、不特法3号4号スキーム拡販のための認知度向上に向けた広告宣伝費が増加するが、成長加速への必要な投資判断と言えよう。「CREAL」や「CREAL PRO」のパイプラインは明確で、これらが予定どおりに進めば、業績予想達成の確度は相当に高いと考えられる。
※ 不動産を裏付けに、ブロックチェーンなどの先端技術を活用し、発行・管理されるデジタル金融商品
3. 中期経営計画の進捗状況
2025年5月、中期経営計画「Game Changer 2030」を発表した。対象期間を2026年3月期から2030年3月期までの5ケ年とし、最終年度において年間獲得GMV2,500億円、売上総利益270億円、親会社株主に帰属する当期純利益100億円の実現を目指す。CAGR(年平均成長率)については、年間獲得GMV58%、売上総利益36%、親会社株主に帰属する当期純利益50%の目標を設定し、財務目標は、ROE40.0%(2025年3月期比9.8ポイント上昇)、自己資本比率40.0%(同30.2ポイント上昇)、当面の目安として配当性向15%程度(同1.8ポイント上昇)を設定した。計画を通じて既存の不動産投資関連サービス(プロダクト)に加え、不動産STやオルタナティブ投資プラットフォームを構築し、業界のGame Changerとなることを目指す。特に不特法3号4号スキームや不動産STに注力し、期間中の加速度的な成長を計画している。2026年3月期中間期時点で不特法3号4号ファンドを計画どおりローンチしたほか、不動産STでは開発人材を増強してプラットフォーム開発を推進しており、滑り出しは順調と言ってよいだろう。
■Key Points
・2026年3月期中間期は業績堅調、KPIの売上総利益が2ケタ増益
・2026年3月期通期は業績予想を据え置き、「CREAL」を中心に予想を上回る業績確保を狙う
・不特法3号4号ファンドをローンチ、今後のGMV拡大に弾みを付ける
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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