アーレスティ Research Memo(7):2026年3月期の売上高は前期比微減、営業利益は増益、最終利益も黒字化
1. 2026年3月期の業績見通し
アーレスティ<5852>の2026年3月期通期の連結業績は、売上高162,200百万円(前期比0.4%減)、営業利益3,600百万円(同6.8%増)、経常利益2,200百万円(同27.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,300百万円(前期は2,892百万円の損失)を見込む。売上高はダイカスト事業における国内、北米の順調な受注に加えて、中国で新規受注した中国資本系顧客との取引拡大、2025年6月に操業を開始したインド第2工場での量産開始などの増収要因がある一方で、米国関税の影響を引き続き注視しており、日本、メキシコで生産する最終仕向地が米国である製品については下期も保守的に一定の減少を織り込んでいる。売上高は期初計画を1,000百万円上方修正したが、前期と同水準の売上高を見込む。
損益面では、米国工場の収益改善遅延、中国における中資系メーカー向け製品の受注減少が見込まれることなどからダイカスト事業における北米、アジアの期初計画を下方修正するが、国内の受注増、生産性改善などがカバーし全体では期初計画を据え置く。また、再建計画を進めている米国工場の収益改善幅が大きく、全体では前期を上回る営業利益を見込む。経常利益は保守的に一定の為替差損計上を想定し、期初計画を900百万円下方修正するが、親会社株主に帰属する当期純利益は関係会社の株式売却益計上などもあり期初計画を据え置いた。
2. 事業セグメント別業績見通し
(1) ダイカスト事業 日本
国内のダイカスト事業の売上高は65,800百万円(前期比1.9%増)、セグメント利益は2,000百万円(同13.8%減)を見込む。主要顧客の国内自動車販売が順調に推移しているため、売上高は期初計画を4,200百万円上方修正した。セグメント利益も受注が順調に推移しているため期初計画を650百万円上方修正した。中間期は米国関税の直接の影響がなく、保守的に見積もっていた期初計画を上振れたため売上高、セグメント利益ともに通期計画を上方修正した。しかし、同社としては引き続き米国関税の動向を注視しており、下期の受注に一定の掛け目を設けているため、売上高、セグメント利益ともに中間期を下回る計画としている。
(2) ダイカスト事業 北米
北米のダイカスト事業の売上高は50,600百万円(前期比1.8%増)、セグメント利益は250百万円(前期は1,617百万円の損失)を見込む。北米市場(米国、メキシコ)においては、主要顧客のHEV・PHEVの生産拡大により受注は堅調に推移しており、加えて中間期の段階ではメキシコでの受注について米国関税の影響は直接なかったため、売上高は期初計画を600百万円上方修正した。しかし、引き続き米国関税の影響をメキシコの受注に織り込んだ保守的な計画としているため、下期の売上高は中間期を下回る計画としている。一方、米国工場の収益改善が遅れているためセグメント利益は期初計画を550百万円下方修正したが、通期では黒字を確保する計画だ。米国工場では引き続き再建計画の4本柱である個別製品の採算性の改善、品質ロスに着目した生産性の改善、ガバナンスとマネジメントの強化、労務費など製造原価を考慮したメキシコ工場との生産最適化に取り組み、下期黒字化を見込んでいる。社内では通期での収支均衡以上を目指しており、下期の取り組みに期待したい。
(3) ダイカスト事業 アジア
アジアのダイカスト事業の売上高は36,200百万円(前期比0.9%減)、セグメント利益は800百万円(同55.8%減)を見込む。中国において最終ユーザーの自動車販売競争激化に伴う大手中資系メーカー向け製品の受注減少を見込み、売上高は期初計画を3,600百万円下方修正した。一方、インドの受注は第2工場の稼働もあり順調に推移しており、下期の売上高は中間期を上回る計画としている。セグメント利益は、中間期のインドでの生産性悪化や中国資本系主要顧客からの受注減少に伴う稼働率の悪化などの影響を織り込み、期初計画を150百万円下方修正した。下期は中国資本系主要顧客からの受注減少に対応した生産体制整備、インドでの生産性改善などにより、中間期の約4倍のセグメント利益を見込んでいる。
(4) アルミニウム事業・完成品事業
アルミニウム事業の売上高は6,600百万円(前期比8.5%減)、セグメント利益は250百万円(同10.6%増)を見込む。販売量の減少から売上高は期初計画を400百万円下方修正した。セグメント利益も50百万円下方修正したが、販売単価の上昇、原材料費の圧縮などにより前期を上回る見込みだ。完成品事業の売上高は3,000百万円(前期比38.6%減)、セグメント利益は250百万円(同68.6%減)を見込む。売上高、セグメント利益はそれぞれ修正計画を200百万円、50百万円上方修正したが、半導体工場の需要がピークを過ぎたこともあり前期比で大幅な減収を見込む。引き続き、米国、インドなど海外での半導体製造市場における販路確立が課題である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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