ミロク情報 Research Memo(5):サービス収入の2ケタ成長が続き、2026年3月期業績は過去最高業績更新へ
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比6.2%増の49,000百万円、営業利益で同6.6%増の6,700百万円、経常利益で同6.4%増の6,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同11.8%増の4,900百万円と期初計画を据え置いた。ERP製品の販売形態を売切り型からサブスク型へ移行し、システム導入契約売上高が前期並みの水準に留まるものの、サービス収入が同13.2%増と2ケタ成長を継続し、業績をけん引する。
売上総利益率はソフトウェア資産の償却負担軽減(2.8億円減)や子会社の損益改善等により、前期比1.2ポイント上昇する見込みだ。人件費を中心に販管費が同8.8%増となるものの、増収効果と売上総利益率の改善で吸収し、過去最高業績を更新する見通し。中間期の進捗率は売上高で49.3%、営業利益で47.0%と直近3年間の平均進捗率(売上高49.9%、営業利益47.6%)※1と比較してもほぼ同ペースとなっていること、中間期末におけるシステム導入契約売上高の受注残高(単体)が7,738百万円、月換算で4.04ヶ月分※2と高水準を維持していることから計画の達成は可能と弊社では見ている。
※1 2023年3月期~2025年3月期累計の進捗率
※2 受注残月数=受注残高÷当該年度の月平均のシステム導入契約売上高計画
なお、同社は2025年10月にシンガポールのクラウドERP企業であるSynergix Technologiesの株式を70%取得し、連結子会社化した。株式取得額は2,799百万円でM&Aに係るアドバイザリー費用・手数料等183百万円(概算額)を第3四半期に計上する見込みだ。多様な業種・業界別の業務プロセスを最適化するERPシステムで、モジュール化した機能を顧客ニーズに合わせて組み合わせ、また、必要に応じてカスタマイズして提供している。従業員数は130人弱で、開発に関してはベトナムを拠点に行っている。2024年12月期の業績は売上高で1,170百万円、営業利益で282百万円と規模は小さいながらも利益率は20%以上と高収益企業である。2026年3月期の業績への影響は軽微だが、今後、シンガポールの現地日系企業に対してSynergixのERP製品を協業して拡販していくほか、Galileoptとの連携も進め、ASEAN市場の現地日系企業開拓も進めるなど海外展開を強化する考えで、中長期的な収益貢献が期待される。
(1) システム導入契約売上高
システム導入契約売上高は、前期比横ばいの23,990百万円を計画している。売切り型からサブスク型への移行が加速することでソフトウェア売上高が同1.9%減の11,159百万円と漸減傾向が続くほか、ハードウェア売上高も前期にパソコンの買い替え需要が発生した反動減により、同2.6%減の5,419百万円と減少に転じる見込みである。一方で、サブスク型契約の顧客に対する導入支援サービスも含まれるユースウェアの売上高は同5.1%増と増収基調が続く見通しだ。中間期までの進捗率を見ると、中間期もパソコンの買い替え需要が続いた影響でハードウェアが56.0%と高進捗となっているが、下期は需要が一巡し減少に転じる可能性が高い。
販売先別では、企業向けが前期比9.6%増の13,915百万円、会計事務所向けが同19.0%減の6,707百万円、その他(子会社売上、本社売上、パートナー向け売上等)が同11.8%増の3,367百万円となる見通しである。企業向けに関しては引き続き19のソリューション支社を中心にDXコンサルティング営業を推進し、既存顧客に対するアップセルや新規顧客の開拓を進める。「ACELINK NX-CE」をサブスク型に完全移行した影響もあって中間期の進捗率は48.3%とやや低めだが、計画達成は射程圏内と見られる。一方、会計事務所向けは保守的に減収計画を立てていたが、中間期の進捗率が64.6%と高いことから、通期も上振れする可能性が高いと弊社では見ている。
(2) サービス収入
サービス収入は全体で前期比13.2%増の20,901百万円と2ケタ成長が続く見通しである。主力ERP製品のサブスク型へのシフトによりソフト使用料が同30.4%増の9,846百万円と成長をけん引する。売切り型契約の保守サービスとなる企業向けのソフト運用支援サービスは同2.6%増の6,231百万円、会計事務所向けのTVSは同0.7%増の2,631百万円と計画しており、いずれも顧客数が増加することで堅調推移を見込んでいる。ただ、ソフト運用支援サービスについてはサブスク移行への影響により、中間期で微減に転じたことから、通期でも下振れする可能性がある。
同社がKPIとしている主力ERP製品のサブスク契約社数は、中小企業向け「ACELINK NX-CE」をサブスク契約に完全移行した効果により、前年同期比64.2%増の7,000社と大幅増を見込んでいる。「ACELINK NX-CE」は、3種の主力ERP製品の中では低価格帯の製品のため、ARPUは同11.5%減の799千円と低下する見込みだが、契約社数の増加により主力ERP製品のARRは同45.4%増の55.9億円と高成長が続く見通しだ。主力ERP製品のサブスク売上比率は前期の20.2%から30%台を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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