NSW Research Memo(9):中期経営計画の目標達成を目指し、事業戦略、経営基盤戦略、投資戦略を推進(2)
2. 事業戦略
「コア事業・基盤事業の拡大」「成長領域の創出」のために以下の事業戦略を推進する。
(1) エンタープライズソリューション
Fit to Standardモデルへの転換を行う。「コア事業・基盤事業の拡大」のために、組立製造向けソリューションの拡充、クレジットカード事業者向けシステム開発領域からシステム企画領域への拡大、デジタルガバメントプロジェクトへのシフトを図る。「成長領域の創出」のためには、異業種連携による業務コンサル人材の創出、生成AIの各業種適用による新規ビジネスの創出、SI事業(システムインテグレーション事業)のビジネススタイル進化による持続可能なビジネスモデルの確立を目指す。なお「注力分野」として、ERP(企業が有する経営資源を一元管理しリアルタイムで経営判断に役立てるシステム)事業のFit to Standardモデルへの転換、AI活用によるモダナイゼーションの加速、スマートPOS事業による購買行動の革新を図る。以上により、事業規模を2025年3月期の155億円から2028年3月期には180~190億円に拡大し、うち注力分野については40億円から70億円に拡大する。
2026年3月期中間期の取り組みとして、コア事業の拡大では、デジタルガバメントプロジェクトへのシフトとして、官公庁の業務のIT化案件にビジネスパートナーして参画中である。今後は、デジタル庁の「デジタル社会の実現に向けた重点計画」へのシフトを図る。また、注力分野では、金融、製造、流通業界を中心に、老朽化したメインフレームの移行・刷新が急務である。AI活用によるモダナイゼーションの加速について、2025年8月には、メインフレームモダナイゼーションサービスに、生成AIを活用してメインフレームやオフコンなどのレガシーシステムのコード解析や要件定義書の自動生成、加えてモダンアーキテクチャでのコード最適化を一貫して支援する「スマートモダナイゼーションサービス」の提供に向けた検証を開始した。このサービスにより、従来は多くの工数と専門知識を必要としていたレガシー資産の解析・移行・再構築を効率的かつ高精度に実現可能となり、企業のDX推進やレガシーシステムからの脱却を後押しする計画だ。今後は、ビジネスパートナーとの協業のなかでサービスメニューを拡充する。
(2) サービスソリューション
デジタルを活用し、顧客をより良い未来へ導く。「コア事業・基盤事業の拡大」のために、製造業DXでは設計・製造領域DXソリューションに特化を、クラウドプラットフォームでは基盤構築と活用促進の一括提供を、運用事業ではIT運用サービス拡充とBPO(企業の業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託すること)事業の展開を図る。「成長領域の創出」のためには、上流領域からの企画提案及びコンサルティング人材育成、AI人材とデータ活用人材の育成、最新テクノロジーの調査と活用、生成AIを活用した業務変革を行う。また「注力分野」として、製造業アフターマーケット向けソリューション、MES(製造プロセスを管理し、データを収集・分析するシステム)やSCADA(監視制御とデータ収集システム)を主としたスマートファクトリー、AIやデータ活用におけるプロフェッショナルサービスに注力する。以上により、事業規模を2025年3月期の143億円から2028年3月期には170~180億円に拡大し、うち注力分野については60億円から90億円に拡大する。
2026年3月期中間期の取り組みとして、コア事業の拡大では、製造業DXでの設計・製造領域DXソリューションに特化することに関して、2025年4月に、設計分野などの超高負荷環境に対応した仮想デスクトップ(VDI)ソリューションの提供を開始した。建築・製造・自動車など高負荷なPC作業を必要とする業界に向けて、柔軟性と生産性を両立する高性能クラウドVDI環境を提供するものだ。今後は、製造業の競争力を左右する設計・製造領域において、PLM、IoTなどを統合した高度なデジタル化を推進する。また、注力分野では、AIやデータ活用におけるプロフェッショナルサービスとして、データマネジメント領域でのコンサルティングサービスを立ち上げた。今後は、AIモデル構築からデータ基盤整備、業務への実装支援までを包括的に提供する計画だ。
(3) エンベデッドソリューション
多様な製品開発技術を融合し、新たな付加価値の創出を図る。「コア事業・基盤事業の拡大」のために、車載や産業機器向けの組み込み開発の深耕を図り、また特定分野の組み込み開発を幅広い業種へのシステム開発に展開する。「成長領域の創出」のためには、クルマのSDV化加速に向けた対応領域の拡大、次世代ネットワークに向けた技術強化、異なる業種ノウハウをクロスさせたビジネスモデルの創出を目指す。また「注力分野」としてモビリティ分野の強化、宇宙・防衛領域の拡大、キャッシュレス決済分野への深耕を図る。以上により、事業規模を2025年3月期の110億円から2028年3月期には130~140億円に拡大し、うち注力分野については30億円から50億円に拡大する計画である。
2026年3月期中間期の取り組みとして、コア事業の拡大では、車載、産業機器向けの組み込み開発の深耕として、OEM業務の拡大による伸長に取り組んでいる。今後は、OEM業務のさらなる深耕と付加価値領域への拡大を図る計画だ。また、注力分野では、モビリティ分野の強化として、ロボティクス分野は農業、鉄道、航空、建機領域へ拡充している。今後は、顧客の課題解決ができる“カスタマイズ型ロボティクスソリューション”を目指している。
(4) デバイスソリューション
“How to IC design”偏重から、“What to design”思考への転換を目指す。「コア事業・基盤事業の拡大」のために、デバイス提供ビジネスへのダイナミックな進化、LSIソリューションビジネスの拡大と深化、グローバル人材の育成による事業の成長を推進する。「成長領域の創出」のためには、最先端技術を活用した海外市場への進出、グローバル展開によるデバイス事業の拡大、東南アジア拠点による国際競争力の強化を図る。また「注力分野」として、デバイス提供型ビジネスの強化・拡大、車載やFA(工場の生産工程の自動化)及びセンシングデバイス分野への注力、デバイス事業のグローバル展開を行う。以上により、事業規模を2025年3月期の90億円から2028年3月期には100~110億円に拡大し、うち注力分野については10億円から25億円に拡大する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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