積水ハウス:循環型ビジネスモデルによる安定成長で配当利回りは4%超、14期連続増配へ
事業は大きく「請負型」「ストック型」「開発型」「国際」の4本柱から構成される。請負型では、鉄骨住宅「イズ」、木造住宅「シャーウッド」、賃貸住宅「シャーメゾン」を中核ブランドとして展開し、戸建住宅のオーダーメイド比率は98%に達する。ストック型では、賃貸住宅管理事業やリフォーム事業を通じ、建築後のアフターサービス・改修・管理までを自社で担う。開発型では住宅用地の販売や分譲マンション「グランドメゾン」シリーズの開発、オフィス等の都市再開発事業を推進し、国際事業では米国・豪州を中心に住宅供給を拡大している。住宅の建設から維持・管理、再販までを一貫して手掛けるビジネスモデルにより、安定したキャッシュフローを生み出している点が最大の特徴である。
同社の強みは、技術力とブランド力の高さにもある。鉄骨・木造両構法に対応する自社工場生産体制を有する。また、環境対応住宅のZEH普及率が高く、2024年度には戸建住宅のZEH比率が96%に達し、過去最高を更新した。また、ネット・ゼロ・エネルギーの賃貸住宅「シャーメゾンZEH」については、太陽光パネルを各住戸に接続する入居者売電方式を採用し、光熱費削減のメリットが好評。これにより、賃貸住宅受注のうちZEH住戸比率は76%に達している。さらに、2023年度から全国展開を開始した新しい住宅デザイン提案システム「life knit design」により、顧客ごとに最適化された住宅設計を実現している点も特徴である。
2026年1月期第2四半期累計(中間期)は、売上高2兆154億円(前年同期比8.4%増)、営業利益1,554億円(同1.1%減)と増収減益となった。国内事業が堅調に推移し、売上は過去最高を更新したが、米国事業の利益率低下が影響した。
セグメント別では、戸建住宅事業の売上高は2,382億円(同3.3%増)、営業利益243億円(同17.2%増)。環境配慮型住宅等への需要増加を背景に受注が堅調に推移した。賃貸・事業用建物事業は、長期間にわたり入居需要が見込まれる都市部エリアにおける同社オリジナル構法を用いた3・4階建て賃貸住宅の拡販等により、高い入居率と賃料水準を実現し、2桁の増益を確保。
ストック型では、賃貸住宅管理事業が堅調で、売上高3,578億円(同4.7%増)、営業利益371億円(同31.4%増)と大幅増益。リフォーム事業も提案型リノベーションが好調に推移した。
開発型では、不動産・マンション事業が順調に進む一方、都市開発事業は前期と比較して大型物件の売却減により減収。
国際事業は、売上高6,143億円(同26.8%増)と拡大したが、営業利益155億円(同48.5%減)。米国での住宅ローン金利の高止まりや買収したM.D.C. Holdings, Inc.ののれん償却による利益率低下が響いた。ただし、MDCの連結効果で供給戸数は増加し、米国住宅市場回復後の収益改善が見込まれる。
通期見通しは、売上高4兆3,310億円(前期比6.7%増)、営業利益3,400億円(同2.6%増)を計画。国内の請負・賃貸・開発事業が引き続き堅調なことに加え、後半にかけては都市開発事業の売却進捗が期待される。国際事業の減益を他セグメントで補う見通しだ。
現行の「第6次中期経営計画」(2023年~2025年度)は最終年度を迎え、上方修正後の3か年累計目標(売上高11兆4,968億円、営業利益9,423億円)は概ね達成の見通しとなっている。最終年度単独では、米国市況の悪化により期初計画を下方修正したものの、国内事業のマージン改善でカバーする構えだ。
国内では高付加価値提案に注力し、高単価案件の受注拡大を目指す。国際事業では、MDCを含む米国ビルダー4社を統合して「Sekisui House U.S.」として2026年1月に本格始動予定。システム統合や本社機能の共有化でコスト削減を図り、北米での供給戸数を現在の1.5万戸から2031年度に2万戸体制へ拡大する方針だ。国際事業の売上比率は現在の約30%から45~50%へ上昇する見込み。
また、成長投資として3か年で3,000億円(うちM&A2,000億円、設備・IT・人材投資1,000億円)を計画。MDC買収により当初計画を超過したが、今後も不動産取得や海外開発など戦略的投資を継続する。財務健全性を維持しつつ、持続的なROE向上を重視している。
2026年1月期の年間配当は前期比9円増の144円を予定している。配当性向40.2%、配当利回り4.3%と高水準を維持し、14期連続の増配となる見通し。配当方針は「配当性向40%以上」「年間下限110円」を掲げ、1株当たり利益(EPS)を増加させながら配当額を伸ばしていくことを目標に、安定かつ持続的な株主還元を継続する。次期以降、自己株式取得も含めた株主還元策を検討していくとしている。
同社は、高付加価値住宅とストックビジネスの両立で持続的な成長を実現している。米国金利上昇による短期的な利益圧迫はあるが、中長期的にはMDC統合によるスケールメリットと利益率改善が見込まれる。安定的な財務基盤と14期連続の増配方針を背景に、今後も「安定成長+高還元」の両立が期待される。投資家層の拡大にも積極的で、海外IRや個人投資家向け説明会を強化。配当利回りの高さから個人株主数が増加傾向にあり、今後は長期保有の株主の拡大を目指す。
<HM>
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