ミガロHD Research Memo(4):2025年3月期はDX推進事業が過去最高売上を達成し、業績けん引(1)
1. 2025年3月期の業績概要
ミガロホールディングス<5535>の2025年3月期は、売上高51,709百万円(前期比21.2%増)、営業利益2,713百万円(同8.5%増)、経常利益2,121百万円(同3.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,390百万円(同25.0%増)となった。売上高は、DX不動産事業における中古物件販売の好調と、DX推進事業の過去最高売上達成によって前期比21.2%増を果たした。特にDX推進事業では期初に掲げた売上高見通し30~35億円に対し、案件受注の順調な伸長により最終的に37億円超を計上したことが目を引く。さらに営業利益は、DX推進事業とDX不動産事業の双方で利益貢献が進み、前期比8.5%増の27億円で着地した。粗利率の向上を背景に、修正予想を102.4%の達成率で上回る結果となった。金融費用の増加が見られたものの、保有上場株式の売却による特別利益を計上したことで最終利益は大幅に増加している。
また、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」を活用したマンション導入棟数は前年86棟から205棟へと大幅に増加した他、DX不動産会員数も順調に増加し、ミガログループDX不動産経済圏の着実な拡大が確認された。不動産販売戸数は引渡戸数が1,000戸超を維持し、賃貸・建物管理戸数も前期比で順調に増加している。これらの実績は、同社のDX推進事業とDX不動産事業がシナジーを発揮しつつ、両輪で成長戦略を推進していることを示しており、今後の収益拡大余地を十分に残していると評価できる。
2. セグメント別の事業動向
(1) DX推進事業
DX推進事業は、売上高3,765百万円(前期比43.2%増)、セグメント利益75百万円(前期は101百万円の損失)となった。
売上高は、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の大手デベロッパー向けマンション導入が大幅に拡大したこと、さらにクラウドインテグレーション案件でもグループ内のシナジーを生かし受注が増加したことにより、前期比43.2%増と大幅に伸長した。セグメント利益は、人材採用やM&A、その他先行投資を継続したものの、想定以上に案件が伸長したことで黒字を確保している。M&Aでは、同事業を注力領域として成長を加速させるべく、2024年10月にベスト・プラクティスを連結子会社化した。
同社グループのDXを推進するIT人員は約300名まで増加している。この人材の増強こそがDXビジネスの成長エンジンであり、システム開発力を支える重要な強みとなる。IT人員の質・量ともに拡充が進んでいることは、今後の新規サービス開発や顧客企業とのプロジェクト推進においても大きなアドバンテージと弊社では考える。
成長ドライバーである「FreeiD」の2025年3月期末の累計ユーザー数は33,623人(前期末は19,004人)と前期末比で約1.8倍、累計ソリューション数(導入デバイス数)は4,494個(前期末は2,422個)と前期末比で約1.9倍となった。また、SI稼働案件数も順調に増加しており、2025年3月期は302件(前期末は211件)と前期末比で約1.4倍となった。連結子会社は様々なリーディングカンパニーをクライアントとして持つが、不動産事業会社ではなく、金融・生命保険・証券・大手銀行等のクライアントを中心としている。今後はより幅広い業種へ提供可能なDX支援サービスを強化する方針だ。
三菱地所<8802>グループの三菱地所レジデンス(株)や、日本リート投資法人<3296>など大手企業の導入実績を背景に周辺企業にも安心が生まれており、顔認証サービスや顔認証マンションの受注が増加している。2025年6月には、(株)ブランシャールが供給する賃貸マンションにおいて、「FreeiD」の標準採用化の決定が公表されており、2023年7月に北海道内で初導入した「ブランシャール ALAIN 西町」を皮切りに、約1年半で20棟への導入が完了している。加えて、(株)フージャースアセットマネジメントが開発する「デュオフラッツ品川戸越」への導入決定も公表されており、これはフージャースアセットマネジメントとして初の「FreeiD」導入となる。IDプラットフォームの展開が着実に進捗していることが読み取れる。顔認証サービスの市場規模として、日本における顔認証サービスの市場規模は約1.4兆円であり、国内におけるID共通管理・決済プラットフォームの市場規模は約4,000億円である。そのうち、同社が実際にアプローチできる顧客の市場規模は約500億円を見込んでおり、拡大の余地はまだまだ大きいと同社は見ている。
クラウドインテグレーション事業では、設立したドレスコードをはじめ、ベスト・プラクティスをM&Aにより取得したことで、トップラインも順調に伸びている。同社は、「Salesforce」「AWS」の導入・運用・定着化支援やシステム開発などを行うシステム開発エンジニアを約300名擁しているが、2025年5月に、テラ・ウェブクリエイトを子会社化したことで、新たに約20名程度のエンジニアが加わった。旺盛な需要に対応できる体制が順調に整備されており、2026年3月期はさらなる売上の伸長を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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