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小池酸素工業:厚板の切断技術に優位性あり、技術力・業績に比して株価は割安で配当利回り高い


*13:30JST 小池酸素工業:厚板の切断技術に優位性あり、技術力・業績に比して株価は割安で配当利回り高い 小池酸素工業<6137>は、1918年に創業したガスエネルギーを利用した工作機械を手がける企業であり、現在は東証スタンダード市場に上場している。「ガス・溶接・切断の総合製造・販売会社として世界市場での顧客の満足と信頼を獲得する」を経営理念とし、機械装置、高圧ガス、溶接機材を中心に製造・販売を行っている。
機械装置部門では中大型の鉄板切断機を主力とし、特に造船、建築用鉄骨、橋梁などに用いられる厚板の切断において高い技術力を有している。切断方式はガス、プラズマ、レーザの三種を揃え、なかでも自社開発のDBCファイバーレーザ切断機に技術的な優位性を持ち、同社の成長を牽引している。世界三大切断機メーカーの一角であり、国内でも二大メーカーの一つとして高いシェアを誇る。近年では、シャーリング業界における底堅い設備更新需要を背景に、自動化・省人化ニーズを的確に捉え、同機の販売を伸ばしている。高圧ガス部門では産業用および医療用ガスを扱い、睡眠時無呼吸症候群に対応するCPAP装置などの医療機器も展開している。溶接機材部門では他社製品の販売や工場用備品を取り扱う商社機能を担っており、ガス・溶接・切断のトータルシステムサプライヤーとして、部門間の連携を強化し、付加価値の高い提案を行っている。売上構成比は、機械装置が5割弱、高圧ガスが4割弱、溶接機材が2割弱である。

2025年3月期は、売上高55,206百万円(前期比7.4%増)、営業利益5,448百万円(同26.3%増)、経常利益6,046百万円(同17.4%増)、当期純利益3,633百万円(同18.9%増)であった。売上高は、主に機械装置セグメントにおいて、国内外でのDBCファイバーレーザ切断機の好調な販売と、サウジアラビアの造船所向け設備納入により増収となった。また高圧ガス部門では価格改定やCPAPレンタルの強化が奏功した。利益面では、機械装置セグメントの業績が大きく伸長し、セグメント利益が前年比で45.8%増となった。人件費などの販売管理費の増加はあったものの、増収効果が上回り、営業利益・経常利益・当期利益とも過去最高を更新した。
2026年3月期は、売上高55,000百万円(前期比0.4%減)、営業利益5,100百万円(同6.4%減)、経常利益5,600百万円(同7.4%減)、当期純利益3,200百万円(同11.9%減)を予想している。売上は、前期のサウジアラビア向け大型案件の反動減を見込むものの、全体としてほぼ横ばいを維持する見通しである。利益面では、人件費やシステム関連費用の増加により減益の見通しながら、引き続き高い利益水準を維持する。

2024年4月からスタートした3ヶ年の中期経営計画「NEXT STAGE 2026」では、「社員一人ひとりが主体性をもって仕事に取組み、誇りをもって働ける会社」を目指し、最終年度である2027年3月期に連結売上高570億円、経常利益63億円、経常利益率11%、ROE10%、ROIC10%を目標としている。主要施策としては、DBCファイバーレーザ切断機の高性能化と拡販、産業用ガスと医療機器の販売強化、溶接機器における課題解決型の提案営業や環境装置の開発などがある。成長ドライバーとしては、造船業界においてプラズマ切断機からDBCファイバーレーザ切断機への置き換えの推進、国内及び米国におけるシャーリング業界向けの拡販が挙げられる。

株主還元については、配当性向30%以上を基本方針としながら安定的な配当を目指している。2025年3月期の年間配当金は260円(配当性向30.1%)を実施し、2026年3月期は年間48円(同31.6%)を予定している。2025年4月には普通株式1株を5株に分割しており、分割後換算では実質的に4円の減配となる。同社は株主との対話を重視し、株式流動性の向上や認知度向上に向けてIR活動を強化している。千葉ロッテマリーンズのオフィシャルスポンサー就任もその一貫である。また自社株買いについては、機動的に対応する方針としている。
株価の水準については、PBRが3年前と比べて約2.5倍に上昇したものの、引き続き0.6倍台に留まっており、割安の水準にある。2025年3月期の配当利回りは3%を超えており、同社の技術力と業績の底堅さを踏まえれば、投資妙味のある銘柄といえよう。

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