ディーエムソリュ Research Memo(7):ダイレクトメール事業がけん引、過去最高業績の更新を予想
ディーエムソリューションズは2026年3月期において、売上高22,830百万円、営業利益800百万円を見込んでおり、過去最高業績の更新を予想しています。主力のダイレクトメール事業は、引き続き顧客の新規開拓に努め、設備投資を通じて効率化と新規大型案件の獲得を目指しています。インターネット事業では、自社メディアの強化とEC支援の強化を図り、シナジーを創出する計画です。アパレル事業も収益貢献が期待されており、新たな販路と仕入先の確保を進めています。これらの成長戦略により、企業価値の最大化を図り、他に類を見ないソリューションカンパニーへ進化することを目指しています。
3. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績見通しについて、同社は売上高22,830百万円(前期比7.9%増)、営業利益800百万円(同17.8%増)、経常利益798百万円(同16.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益515百万円(同4.0%増)を見込んでいる。重点施策として、EC事業者への支援サービスの強化と、事業ポートフォリオを生かした企業価値の増大を図る。
ウクライナや中東の情勢不安、世界的な原材料及びエネルギー価格の高騰、物価上昇の継続、米国の経済政策の動向などにより、今後の日本経済は引き続き不透明な状況で推移していくものと考えられている。このような環境下において、ダイレクトメール事業では、引き続き顧客の新規開拓に努めるとともにサービス拡充のための投資を積極的に行いつつ売上の拡大を図り、インターネット事業では、主力の自社メディアを充実させるとともに、新たなサービスの創出に注力する方針である。加えて、ダイレクトメール事業、インターネット事業双方において、EC事業者への支援サービスの強化を行う考えである。アパレル事業では、ビアトランスポーツで販売施策や業務の改善による収益性の向上を図る。この結果、ダイレクトメール事業が引き続き売上高、利益をけん引する見込みで、アパレル事業も収益貢献を期待する。
ダイレクトメール事業は、DM発送代行サービスの業界内での優位性や強みを生かして一層のシェア拡大を図る。クロネコDM便の廃止やゆうメールへの一本化など事業環境が変化するなかで、同社のような強みを持つ発送代行会社を顧客が再選定する機会が訪れていると考えられることから、新規契約先の獲得に注力するとともに、大型案件を獲得するための営業強化を図る。大型案件を獲得するには大型機械の導入が必要だったが、今般の設備投資により、1ロット数十万通という大型の仕事もこなせるようになった。このため、もちろん作業効率改善による利益率向上も期待できるが、競争力のある価格などを提案することで自治体案件など大口先を獲得する考えである。また、事業拡大を背景に、設備を有する同業などとのM&Aも前向きに検討しているようだ。フルフィルメントサービスは、国立フルフィルメントセンターによる利益貢献が大きくなる見込みである。EC市場の拡大によってフルフィルメントサービスの需要拡大も続いていることから、既に将来の能力増強に向けた設備投資拡大の検討段階に入ったと言える。既存案件の効率化によって生産性と収益性を向上し、次なる投資に耐えられる体質づくりを進める方針である。
インターネット事業は、自社メディアの強化以外の有効な策が見つかるまでは引き続き苦戦が予想されている。しかし、ユーザータッチポイントから内的システムまで、EC支援を強化する際に必要となる多様なニーズに対してのインターネットスキルを蓄積してきていることを生かし、ダイレクトメール事業とのシナジーを創出する計画である。さらに、新領域の確保へ向けて、EC支援やSNS広告に人材をシフトしていく方針である。アパレル事業では、為替や関税問題を意識して、新たな販路や仕入先の確保、仕入方法の検討など、利益を重視した柔軟な事業運営を実行する計画である。これにより業績を拡大し、全体利益への貢献度をあげていく方針である。
インフラを生かし、事業ポートフォリオを拡大へ
4. 成長イメージ
近年、同社は収益バランスが急速に良化し、成長企業としての骨格が構築されてきたことで、ダイレクトメールとインターネットというリアル×ネットの2つの事業の強みを生かして、自社ECやEC支援などEC関連サービスを全社横断的に積極的に展開していくことになった。そのため、新たに「ロジスティクスとマーケティングの力で 世の中に必要とされるモノと情報を届け 豊かな未来に貢献する」というパーパスを定め、「常に時代が求める「つなぐ」を提供し 価値と利益を創造する」というミッションのもと、「今から100年続く 自己成長できる会社になる」というビジョン、「自尊心と敬意/感謝と誠実/責任と情熱/進化と挑戦/好奇心と探求心/チームワークとシナジー」というバリューをバージョンアップした。EC関連サービスの拡大へ向けた従業員の意識統一を目的としたものであるが、足元の施策などを考え合わせれば、目標数値がないだけで、中期経営計画レベルの重要な方針と言うことができる。
リアル×ネットという自らのインフラを最大限生かし、事業ポートフォリオを拡大するべく、全社的に成長戦略を展開する。具体的には、ビジネス基盤となる既存2事業で収益を確保しつつ、EC関連サービスへの投資と育成を行って収益力を強化する計画である。これにより、成長を加速できる事業ポートフォリオを構築し、他に類を見ないソリューションカンパニーへと進化、企業価値を最大化していく考えである。また、さらなる成長を求めて、海外市場を見据えた越境ECにも着手する。セグメント別では、ダイレクトメール事業において、安定成長のダイレクトメールサービスと高成長のフルフィルメントサービスで安定収益基盤を強化・拡充していく。インターネット事業では、競争力を高める一方、EC関連サービスなどの事業を支援するキービジネスとしてシナジーの創出を追求する。アパレル事業では、収益化と事業拡大を図るほか、ECやEC周辺領域で柱となる新規事業を創出する方針である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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