ジーニー Research Memo(1):好調な事業環境を背景に2026年3月期も高成長が続く見通し
広告プラットフォームを提供するジーニーは、2025年3月期において売上と利益の大幅増加を達成しました。特に、エンタープライズ顧客の獲得とマーケティングSaaS事業の増収が要因です。2026年3月期も売上と利益の高成長が続くと見込んでおり、全セグメントで2桁の売上増を予測しています。同社は中期経営計画「〜First Magic 2025 Towards 2030 Vision〜」を推進中で、国内外でのアドテク事業の強化やデジタルPR事業の機能強化を進めます。次期中長期目標として、営業利益の年平均成長率(CAGR)35〜40%を設定しています。ジーニーはマーケティング技術の進化を通じて、さらなる市場拡大を目指しています。
ジーニー<6562>は、インターネット上で閲覧者に合った広告を瞬時に選択し表示するプラットフォームサービスを開発・提供している。また、積極的にAI技術を活用することで、AI技術関連の導入コンサルティング、プロダクト提供、並びに研究開発を推進する「マーケティング領域のテクノロジー・AI企業」である。「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」ことをビジネスパーパスとし、「日本発の世界的なテクノロジー企業となり、日本とアジアに貢献する」ことを存在意義として掲げている。
1. 2025年3月期の業績概要
2025年3月期の連結業績は、売上収益11,321百万円(前期比41.3%増)、売上総利益8,807百万円(同43.5%増)、営業利益2,520百万円(同63.8%増)、税引前利益2,267百万円(同77.5%増)、当期利益2,048百万円(同97.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,954百万円(同89.4%増)と売上収益・利益ともに大幅増となった。また営業利益から一過性損益を差し引いた正常利益も1,593百万円(同81.8%増)と成長した。売上面では、主力である広告プラットフォーム事業は、サプライサイドビジネスにおけるエンタープライズ顧客の増加に加え、デマンドサイドビジネスでの大型案件受注を獲得した。マーケティングSaaS事業は各プロダクトでMRR(月次経常収益)が増加したほか、「GENIEE SFA/CRM」等の大型案件受注により2ケタ成長となった。利益面では、マーケティングSaaS事業が増収により下期に黒字転換となったほか、デジタルPR事業のセグメント利益が加わり大きく成長した。販管費率は同1.6ポイント低下した。要因はマーケティングSaaS事業のMRR増加や、JAPAN AI(株)の持分法適用会社移行による開発経費のはく落が挙げられる。
2. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績予想は、売上収益15,300百万円(前期比35.1%増)、売上総利益11,800百万円(同34.0%増)、営業利益2,750百万円(同9.1%増)、税引前利益2,600百万円(同14.7%増)、当期利益2,010百万円(同1.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,960百万円(同0.3%増)を見込む。一過性損益を除く正常利益は同53.8%増と大きな成長を見込んでいる。事業環境は引き続き好調で、全セグメントで2ケタの増収を見込む。売上面では、広告プラットフォーム事業はグローバル統合を踏まえ、同社製品やZelto製品のクロスセルを国内外で推進するほか、サプライサイド、デマンドサイド両面でエンタープライズ(大企業)顧客の開拓を推進する。利益面では、広告プラットフォーム事業では増収効果に加え、グループ内での意思決定や業務効率化で原価や販管費の削減を見込む。
3. 中期経営計画
2023年5月に発表した3ヶ年(2024年3月期〜2026年3月期)の中期経営計画「〜First Magic 2025 Towards 2030 Vision〜」を推進中である。2030年までに同社のビジネスパーパス「誰もがマーケティングで成功できる世界を創る」を国内で実現するために、3つのフェーズを設定し、「Phase1」と位置付けている今回の中期経営計画では、新たな成長軌道を創るために、国内外のアドテクノロジー事業の再強化を行う。同社は今後の中長期的な目標ラインと方針を明らかにした。中期経営計画の全体方針に変更はないが、デジタルPR事業については製品の機能強化によるシェア拡大、生成AIを活用して事業効率化を図る。JAPAN AIについては再度連結子会社化する構想がある。なお、次期中長期目標の営業利益のCAGR(年平均成長率)は35〜40%に設定した。
■Key Points
・2025年3月期はエンタープライズ顧客の取り込みを主因に大幅増収増益
・2026年3月期も高成長が続く見通し。全セグメントで2ケタ増収を見込む
・今後の中長期的な目標ラインと方針を示す
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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