サンワテクノス Research Memo(3):自動車関連業界向け電子部品やマウンター業界向け電機品が増収に
サンワテクノスは、電機・電子・機械の3部門において異なる業績動向を示しています。電機部門はマウンター業界向け電機品の増収が見られたものの、他の分野での売上減少により全体では減収となりました。電子部門では自動車業界向け電子部品の販売が増加しましたが、その他分野の売上減少の影響で部門全体での減収となりました。機械部門も同様に一部の増収は見られるものの、全体では売上が低下しました。 2026年3月期には売上高11%増の見通しですが、営業利益面での増加は慎重な見込みが持たれています。市場の不確実性、米国の関税政策、中国の景気動向などが懸念材料となっている中、AI関連投資や脱炭素化への投資がリスクを緩和する可能性があります。為替レートの影響についても注視されています。
2. 部門別、地域別動向
サンワテクノス<8137>は売上高について、取扱商品別に電機・電子・機械の3部門に分けて内訳を開示しているほか、地域別セグメント情報として売上高及び営業利益を開示している。
(1) 部門別売上高の動向
電機部門の主な商材は、サーボモータやモーションコントローラ、インバータ、マシンコントローラ、パワーコンディショナなどが挙げられ、主に安川電機<6506>の製品を取り扱っている。主要顧客としてはSCREENホールディングス<7735>、KOKUSAI ELECTRIC<6525>、パナソニックホールディングス<6752>、ニコン<7731>、ダイフク<6383>などが挙げられる。売上高は、マウンター業界向けの電機品の販売が増加に転じたものの、半導体製造装置業界及び太陽光関連業界向けの電機品、FA業界向けの制御機器の販売が減少し、前期比15.0%減の28,346百万円となった。
電子部門の主な商材は、コンデンサやコネクタ、リレー、スイッチなどの一般電子部品のほか、ファンモーターやステッピングモーター、LED、電源装置など多岐にわたっている。主要顧客としてはデンソー<6902>、安川電機、三菱電機<6503>、オムロン<6645>、富士電機<6504>などが挙げられる。売上高は、自動車関連業界向けの電子部品(光学ユニット)の販売が増加した一方で、社会インフラ業界向けの電子機器、FA業界向けの電子部品(ケーブル、コネクタ等)の販売が減少し、同15.2%減の99,582百万円となった。設備投資関連機器の需要低迷に加えて、顧客先による部材の在庫調整が継続し減少要因となった。ただ、四半期ベースでは当第1四半期の21,962百万円を底に第4四半期は27,053百万円と上向きに転じており、底は打ったものと弊社では見ている。
機械部門の主な商材は、安川電機のロボットのほか搬送装置や減速機などが挙げられる。主要顧客はデンソーやSUBARU<7270>、富士フイルムホールディングス<4901>、AGC<5201>、SUMCO<3436>などが挙げられる。売上高は、自動車関連業界及び半導体製造装置業界向けの産業用ロボットの販売が増加したものの、半導体製造装置業界向け設備機器(除振台)の販売が減少し同24.0%減の11,652百万円となった。
(2) セグメント別業績動向
日本の売上高は前期比11.2%減の101,715百万円、営業利益は同40.3%減の2,172百万円となった。自動車関連業界向けの電子部品及びマウンター業界向けの電機品、半導体製造装置業界向けの産業用ロボットの販売が増加したものの、FA業界向けの制御機器や電子部品、半導体製造装置業界向けの電機品や設備機器の販売減少が響いて減収減益となった。
アジアの売上高は同23.4%減の46,880百万円、営業利益は同52.0%減の1,125百万円となった。前期の売上に大きく寄与した太陽光関連業界向け電機品の販売が減少したほか、FA業界向けの電子部品及び電子機器や、半導体製造装置業界向けの電子機器の販売も減少した。なお、2024年3月期より進出したインドについては現地に進出する日系インフラ企業向けの販売を開始するなど順調に立ち上がったようだ。インドでは自動車産業だけでなく、半導体などエレクトロニクス産業も育成する方針を政府が打ち出しており、今後も注力すべき市場と同社では位置付けている。
欧米の売上高は同8.6%減の6,374百万円、営業利益は同68.8%減の46百万円となった。FA業界向け電子部品の販売が減少した。
受注底入れで2026年3月期業績は3期ぶりの増収に転じる見通し
3. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の連結業績は売上高で前期比11.0%増の155,000百万円、営業利益で同0.2%減の3,500百万円、経常利益で同1.5%減の3,760百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同6.8%増の2,610百万円と3期ぶりの増収、営業利益、経常利益はおおむね横ばい水準を見込んでいる。
足元の受注動向は地域によってバラつきがあるようで、日本は回復基調となっているものの、海外に関しては中国、欧米市場含めてまだ不透明な状況が続いている。ただ、全体的に見れば受注は底入れしており、売上の先行指標となる発注残も3月以降増加に転じるなど、米国の関税政策による影響は今のところ出ていない。自動車や携帯電話などの最終需要が冷え込むことによる関連業界の設備投資意欲減退がリスク要因ではあるものの、AI需要の高まりによるデータセンター関連投資や、脱炭素に向けた環境対策投資、人手不足による省人化投資などの拡大によりカバーできる見通しだ。半期ベースの売上計画は上期が前年同期比3.3%増、下期が同18.7%増と、下期から回復ペースが加速することを想定している。
利益面では、売上高が計画どおりに伸張すれば増益となる可能性が高いものの、米国の関税政策や中国の景気動向などが依然不透明なことから、保守的に横ばい水準として策定したようで特段の費用増は見込んでいない。なお、為替前提レートは144.00円/米ドルとしており、1円/米ドルの変動で、売上高は413百万円、営業利益は26百万円の増減要因※となる。
※ 円/米ドルが1円変動し、他通貨も同じ比率で変動したと想定した場合の影響額。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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