NCD Research Memo(5):2025年3月期は上方修正値を上回る大幅増収増益・過去最高で着地
2025年3月期のNCDの連結業績は、売上高が18.1%増加し、30,106百万円、営業利益は32.8%増の2809百万円、経常利益も33.3%増の2852百万円となった。これは予想を上回る結果であり、過去最高の記録となった。主にJCSの通期連結が寄与し、新たな事業投資や福岡オフィス移転コストを吸収した。IT関連とパーキングシステム事業の両方で大幅な増収増益が見られた。特にパーキングシステムでは、不採算からの撤退が収益性を改善し、利益は39.1%増加した。財務的にも健康で、資産合計が増加、自己資本比率が48.4%まで上昇した。
1. 2025年3月期連結業績の概要
NCD<4783>の2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比18.1%増の30,106百万円、営業利益が同32.8%増の2,809百万円、経常利益が同33.3%増の2,852百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同37.3%増の1,905百万円となった。前回予想(2024年11月8日付の上方修正値、売上高30,000百万円、営業利益2,700百万円、経常利益2,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円)を上回る大幅増収増益・過去最高で着地した。子会社JCSの通期連結(前期第4四半期より新規連結)も寄与して大幅に伸長し、人的資本投資や新規事業関連投資に伴うコスト増加、福岡オフィス移転コスト等を吸収した。売上総利益は同27.2%増加し、売上総利益率は同1.5ポイント上昇して21.8%となった。販管費は同23.2%増加し、販管費比率は同0.5ポイント上昇して12.5%となった。この結果、営業利益率は同1.0ポイント上昇して9.3%となった。なおJCSの通期連結効果として売上高は2,116百万円増加、営業利益は95百万円増加(のれん償却費増加額31百万円相殺後)している。
パーキングシステム事業の収益性が大幅に向上
2. セグメント別の動向
セグメント別(売上高は外部顧客への売上高、セグメント利益は全社費用等調整前)の動向を見ると、IT関連事業のシステム開発事業は売上高が前期比21.9%増の12,699百万円でセグメント利益が同21.1%増の1,867百万円、サポート&サービス事業は売上高が同21.6%増の9,409百万円でセグメント利益が同21.0%増の1,029百万円となった。いずれも前期比で大幅増収増益となった。保険会社のアプリケーション保守、ガス会社のシステム開発、製造業の基幹システム刷新やクラウド型基幹システム運用など需要が高水準に推移したのに加え、価格適正化の進展やJCSの通期連結も寄与した。業務分類別の売上高はSIサービスが同22.9%増収、ITインフラが同9.0%増収、ITコンサルが同35.7%増収、サービスデスクが同51.3%増収、パッケージ導入が同24.2%増収といずれも順調だった。なおJCSの通期連結効果を除いたIT関連事業の売上高のオーガニック成長は同10.5%増収となった。セグメント利益率はシステム開発事業が同0.1ポイント低下して14.7%、サポート&サービス事業が同0.1ポイント低下して10.9%となった。コスト増加に加え、通期連結したJCSの利益率が同社の既存事業に比べて現時点ではやや低いことも影響した。
パーキングシステム事業は売上高が同9.3%増の7,975百万円でセグメント利益が同39.1%増の1,786百万円となった。売上高の内訳は指定管理が不採算案件撤退で同11.8%減収だが、ストック収益となる自営駐輪場が同15.2%増収と順調に伸長したほか、機器販売が機器入れ替えを含む複数の大型案件が寄与して同63.1%増収となった。受託は同3.0%増収、その他は同1.3%減収となった。セグメント利益は前回予想を上回る大幅増益となった。セグメント利益率は同4.8ポイント上昇して22.4%となり、コロナ禍前(2019年3月期14.7%、2020年3月期14.1%)を大きく上回る水準に上昇した。自営駐輪場を中心とする価格改定、業務効率化、不採算の指定管理駐輪場からの撤退など、収益構造改革に向けた取り組みの成果で収益性が大幅に向上した。
財務の健全性維持
3. 財務の状況
財務面で見ると2025年3月期末の資産合計は前期末比1,196百万円増加して16,095百万円となった。主に有価証券が同200百万円減少、土地が同172百万円減少した一方で、現金及び預金が同1,654百万円増加、売掛金が同384百万円増加した。負債合計は同253百万円減少して8,241百万円となった。主に賞与引当金が同162百万円増加した一方で、リース債務(流動負債と固定負債の合計)が同325百万円減少した。また長短借入金合計が同109百万円減少して799百万円となった。純資産合計は同1,450百万円増加して7,854百万円となった。主に利益剰余金が同1,357百万円増加した。この結果、自己資本比率は同5.8ポイント上昇して48.4%となった。利益の積み上げで自己資本比率が上昇し、キャッシュ・フローの状況を含めて特に懸念される点は見当たらない。財務の健全性が維持されていると弊社では評価している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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