コニシ Research Memo(3):2025年3月期の営業利益は前期比3.5%増で過去最高更新。全セグメントで増益
コニシ株式会社が2025年3月期の業績を発表し、営業利益が過去最高を更新しました。売上高は135,876百万円と前年同期比2.2%増、営業利益は10,649百万円と3.5%増加しました。特に「ボンド」セグメントでは、住宅向けの低迷をカバーする形で建築用シーリング材や電子向け接着剤が好調で、販売価格の改訂も奏功しました。また、「化成品」は原材料価格の低下が影響しつつも利益率が向上し、「工事事業」も公共事業を中心に順調な進捗を見せました。財務状況では、自己資本比率が63.1%に改善し、キャッシュ・フローステートメントでは営業活動から7,174百万円の収入を得ましたが、設備投資の増加により現金及び現金同等物は期末に減少しました。
1. 2025年3月期の業績概要
(1) 損益状況
2025年3月期の業績は、売上高135,876百万円(前期比2.2%増)、営業利益10,649百万円(同3.5%増)、経常利益11,194百万円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,084百万円(同10.1%増)となった。売上高と営業利益は、収益認識基準適用後で過去最高となった。
売上総利益率は20.3%(前期は20.0%)となり前期比で0.3ポイント改善した。これは主に製品価格改定効果に加えて、化成品及び工事事業での粗利率改善による。その一方で、販管費の3.5%増は想定内で、増収と粗利率改善により営業利益は過去最高となった。
セグメント別では、「ボンド」は主力の住宅向けが低迷したものの、建築用シーリング材や自動車、電子・電機向け接着剤が伸長し、また販売価格の改定を行い増収増益となった。「化成品」は、原材料価格の低下に伴い売上高は減少したが利益幅を確保し利益率が改善したことから増益となった。「工事事業」は、公共事業を中心としたインフラ及びストック市場の補修・改修・補強工事が引き続き好調に推移し、工事の進捗も良好であったため、増収増益となった。
設備投資額は栃木工場の水性製造所新設を中心に7,761百万円(前期は6,984百万円)と高水準であった。これに伴い減価償却費は2,082百万円(同1,819百万円)となった。
営業利益の増減要因を見ると、プラス要因としては「ボンド」における販売数量増による利益増が813百万円、販売価格の改善による利益増が1,189百万円、「化成品」及び「工事事業」の粗利益率改善による利益増加が292百万円(化成品98百万円、工事事業194百万円)となった。マイナス要因(減益要因)としては、「ボンド」の原材料コストの増加998百万円、同製造経費の増加が343百万円、全体の販管費の増加573百万円などがあり、結果として営業利益は前期比362百万円増となった。
中計の方針に沿って政策保有株の縮減を進め、自己資本比率は63.1%へ上昇
(2) 財務状況
2025年3月期末の財務状況は、流動資産は前期末比6,856百万円減少し85,769百万円となった。主に現金及び預金の減少5,532百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権含む)の減少2,800百万円、契約資産の増加1,915百万円、棚卸資産の減少791百万円などによる。固定資産は同2,807百万円増の51,032百万円となったが、主な要因は設備投資による有形固定資産の増加3,039百万円、無形固定資産の増加1,128百万円、投資その他の資産の減少1,359百万円などであった。投資その他資産の減少は、主に中期経営計画の方針に沿った政策保有株式の売却による。その結果、資産合計は同4,049百万円減の136,801百万円となった。
負債合計は前期末比6,037百万円減の50,128百万円となった。主に、支払手形及び買掛金(電子記録債務含む)の減少5,913百万円、1年内返済予定の長期借入金を含む短期借入金等の減少3百万円、長期預り保証金の増加167百万円、繰延税金負債の減少361百万円等による。純資産合計は、同1,987百万円増の86,672百万円となったが、主に当期利益の計上による利益剰余金の増加5,694百万円、消却による自己株式の減少96百万円、その他有価証券評価差額金の減少991百万円などによる。この結果、2025年3月期末の自己資本比率は63.1%(前期末56.6%)へ上昇した。
(3) キャッシュ・フローの状況
2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは7,174百万円の収入となった。主な収入は税金等調整前当期純利益の計上11,503百万円、減価償却費2,082百万円、、売上債権及び契約資産の減少981百万円、棚卸資産の減少871百万円などで、主な支出は、仕入債務の減少5,715百万円であった。投資活動によるキャッシュ・フローは7,310百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得による支出6,956百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは5,621百万円の支出となったが、主な支出は自己株式の取得3,065百万円、配当金の支払い2,388百万円による。
以上から2025年3月期の現金及び現金同等物は前期末比5,619百万円減少し、期末残高は20,008百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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