starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

ハッチ・ワーク:プラットフォーマーとして評価不足、利益とPERは両面で切り上がりへ


ハッチ・ワークは、月極駐車場のオンライン管理「アットパーキングクラウド」やレンタルオフィス提供で事業成長を見せ、2025年12月期第1四半期の業績が好調です。売上高は前年同期比17.4%増、特に月極イノベーション事業が強化され、利益も大幅に伸びました。同社は駐車場管理の効率化を通じて顧客基盤を拡大し、株価の上昇が期待されています。また、EV充電やカーシェアリングなど新規サービスを展開し、モビリティサービスのネットワーク構築を目指す戦略も注目されています。将来的には、駐車場を多様なモビリティサービスの拠点とし、社会課題解決に資する計画を推進中です。

*10:42JST ハッチ・ワーク:プラットフォーマーとして評価不足、利益とPERは両面で切り上がりへ 月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」、月極駐車場検索・契約ポータルサイト「アットパーキングクラウド」が主力サービス(月極イノベーション事業)であり、貸会議室、シェア会議室、レンタルオフィスなどを提供するビルディングイノベーション事業もてがけるハッチ・ワーク<148a>が5月13日に発表した2025年12月期第1四半期決算は、早くも通期業績予想の上振れ期待が高まる数値となった。

売上高は前年同期比17.4%増の643百万円、経常利益は同92百万円(前年同期は2百万円)。月極イノベーション事業が売上高で前年同期比24.2%増の406百万円、セグメント利益で同58.9%増の133百万円と引き続き高い成長となり、採算を考慮して新規出店を控えているビルディングイノベーション事業でも売上高で同5.5%増の233百万円、セグメント利益で同9.3%増の48百万円と業績の底上げにつながった。通期予想は売上高で前期比15.8%増の2,740百万円、経常利益で同27.5%増の197百万円となっている。

厳密な意味で同社に類似した上場企業はないが、駐車場運営に関わる企業群の中で、時価総額100億円以下のプラットフォーマーなどと参考までに比較する。これらの企業群としては、日本駐車場開発<2353>、アズーム<3496>、パーク24<4666>、パラカ<4809>などが挙げられる。負債先行のビジネスモデルでないこと、利益成長率、資本効率の観点を加味すると、アズームが同社に近しいと言えるように見える。また、100億円以下のプラットフォーマーという観点では、不動産に絡むことと利益成長率の観点から、ツクルバ<2978>などは比較対象となり得るだろう。アズーム、ツクルバとハッチ・ワークとは高ROE、高い利益成長率でも共通項がある。アズームのPERは31.1倍、ツクルバは同70.6倍であり、ハッチ・ワークのそれは18.4倍。PERの切り上がりと利益成長が合わされば、株価は数倍の上昇が期待できる。

なお、「アットパーキングクラウド」の主な顧客は月極駐車場を運営する不動産オーナー・管理会社(全国のJR系各社や私鉄各社をはじめとした不動産管理会社)、および月極駐車場の利用者となる。不動産オーナー・管理会社は同サービスを導入することで物件情報の掲載・集客、募集審査、契約・解約手続き、賃料回収といった管理業務のアウトソーシングが可能となり、管理業務の工数が大幅に削減される。また同サービスで管理される駐車場は駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」や、データ連携する大手住宅ポータルサイトに自動的に掲載され、駐車場契約希望者が見つけやすくなる集客効果といったメリットもある。駐車場契約希望者にとっても、ポータルサイト上で満空情報がリアルタイムに分かるため、契約締結までスムーズに完結するというメリットがある。

事業モデルの特徴として、導入の判断をする不動産会社には、「アットパーキングクラウド」を導入するにあたりほとんど負担が生じないため顧客基盤が拡がりやすく、その結果「アットパーキングクラウド」登録台数は急速に膨らんでおり、2025年3月末の台数は前年同期比20%増の39.4万台となった。うち滞納保障台数は同41%増の6.8万台、決済代行台数は同20%増の15.6万台で、APクラウド登録台数39.4万台との差が潜在顧客ということなるため、その著しい伸びがストック売上高に転嫁してくことになり、その好循環の加速が観測され始めている。

そもそも月極駐車場ビジネスは、不動産所有者にとって遊休土地の用途が決まるまでつなぎ的に活用されることがほとんどであり、不動産管理会社にとっても単価が安く管理が相対的に煩雑である。そのため、双方にとって事業のメインストリームになり難い。一方で月極駐車場はコインパーキングと違って競合が激しくなく、一度契約すると安定的な収益になりやすい。そのようなマーケットを束ねることに成功したのが同社である。しかも、月極駐車場のマーケットは全国で3,000万台(同社想定)あると言われているが、同社の登録は39.4万台であり、シェアわずか1%強で拡大余地も大きい。

また、同社は次のステップにも踏み出している。月極駐車場を管理し収集される駐車場・利用者・車両データなどの属性データを活用することで、多様な需要予測分析などが可能となるため、他企業と連携しながら、それに基づいた推奨・提案などの実現を目指す。既に需要予測に基づいた新しい企画をいくつか展開中である。車両データからEV充電器設置を推奨しており、2023年3月にENEOSホールディングス<5020>とのアライアンスによりグランドプリンスホテル新高輪の月極駐車場にてEV充電サービス付月極駐車場「アットパーキングEV」の運営を開始した。同年11月にはEV充電インフラ事業を展開するTerra Motors(株)(テラモーターズ)と協業し、賃貸マンションに付帯する月極駐車場で同サービスの運営を開始した。アキマチ予約やリアルタイムな満空情報といった変動データを活用し、近隣の工事関係車両入庫者や一時利用者などに向けて「短期契約」ができる「アットパーキングウィークリー」も展開している。1日単位や1ヶ月単位での契約も可能だ。また、車検情報や走行情報などの変動データを活用して、カーライフサービス提供各社と連携する「アットパーキングカーサポート」を展開しており、カーケアなどのサービスを駐車中に受けられることで利用者拡大を目指している。さらに、満空情報などを活用して、月極駐車場の「空白地」をカーシェアリング拠点としてカーシェアリング事業者と連携して開発した案件が累計で400ヶ所を突破するなど、月極駐車場を再定義し、新たな価値を生み出す新たな市場領域・機会を次々と創造する取り組みを進めている。

また、さらなる将来を見据えては、点在する月極駐車場のネットワークを構築し、多様なモビリティサービスのハブとして、気軽に利用できる「ファーストワンマイルステーション構想」も提唱している。提唱する「ファーストワンマイルステーション構想」は、少子高齢化などの社会課題が叫ばれるなかで、周辺住民や来訪者の利便性向上を目指し、生活に隣接するエリア<=ファーストワンマイル>にある月極駐車場を再定義することで、駐車場としての利用はもとより、各種モビリティサービスの拠点<ステーション>となりえるネットワークの構築を目指したものだ。EV充電設備の設置でEVカーシェアリング・ステーションとセットで運用されれば、例えば自動運転ステーションや相乗りステーション、ドローンステーションや宅配拠点ステーションなど数限りないモビリティ活用サービスの拠点になり得る。カーシェアリング拠点開発支援は、同構想の実現に向けた重要なファクターの一つと位置づけられている。

実際、神戸市の第三セクター「こうべ未来都市機構」と協力し、ファーストワンマイルステーション構想の社会実験がスタートしており、同社の月極駐車場をハブとした経済圏の構築スケールの大きさには注目しておきたい。

<HM>
    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2025
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.