アルファパーチェス Research Memo:間接材購買PF新機能で粗利が大幅増、2029年営業利益は35億円へ
アルファパーチェスは間接材購買プラットフォーム「APMRO」を運営し、MRO事業とFM事業を展開しています。2025年12月期第1四半期の業績では、売上高は前年同期比6.3%増、営業利益は34.5%増と好調な立ち上がりを見せました。特に「無限カタログ」の推奨品への自動置き換え機能により粗利益が増加しました。今後、MRO事業は大企業向けが牽引し、電子カタログの改善が顧客基盤を強化、売上拡大に寄与すると見込まれています。2029年には売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上を目標として掲げています。次の4年で営業利益は年平均35%の成長が見込まれ、資本効率改善にも注力します。株主還元策としては、1株当たり35円の配当を予定しています。
「無限カタログ」の推奨品への自動置き換え機能による粗利益の増加が想定以上
1. 2025年3月期期第1四半期決算の概要
2024年12月期の売上高に対して、間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業の売上が約74%を占め、残りはFM事業やその他が占める。MRO事業の内訳は、製造業・建設業やサービス・小売業が多く、大企業直販が8割を上回ってきている。残りは中小事業所向け再販(アスクル経由の売上高)で構成される。プライム市場に上場している企業を中心とした大企業群が同社の顧客で、大企業直販の顧客解約率はほぼ0%のストック型ビジネスとなっている。MRO事業は昨年末に新規導入した「無限カタログ(電子カタログ)」の推奨品への自動置き換え機能による粗利益の増加が想定以上となり、売上高で前期比11.2%増の11,519百万円、セグメント利益で同69.4%増の308百万円となった。無限カタログは、同一商品に複数の価格提示があり、コスト競争力が強いサプライヤーへ売上集中(サプライヤーの意欲向上)、サプライヤーの売上拡大による同社の粗利率改善が可能となる。一方、商業施設向けにサービスの提供を行うFM(Facility Management)事業は、インバウンド需要により顧客の業績こそ好調であるものの、好調な需要を背景に営業を止める必要がある改装工事を控える傾向があり、売上高で前期比9.3%減の2,895百万円、セグメント利益で同27.7%減の67百万円となった。
2. 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期は、売上高で前期比10.8%増の61,975百万円、営業利益で同13.5%増の1,410百万円が予想されている。MRO事業では大企業向けが引き続き全体をけん引し、中小企業向けも底打ち基調が継続、FM事業も後ろ倒しとなっていた大型案件が復調するなど増収率が加速という前提で、営業利益も2桁増となり、11期連続の増収が見込まれている。MRO事業の大企業向けは、今期も顧客あたりの購入金額の増加と、新規顧客の増加を見込む。最適購買品推奨機能を付加され、「無限カタログ」と命名されたコアサービスである電子カタログは、新機能追加が顧客数の増加、粗利益率の増加に大きく寄与し始めている。
2029年12月期の目標は売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上
3.中期経営計画、類似企業との比較、株主還元
大企業向けMRO市場の市場規模は約1兆円だが、既存の電子カタログで取引される領域(同社の既存事業領域)の市場規模は約4,000億円程度となる。同社は引き続き既存領域での成長を軸として市場シェアの拡大を図るようだ。ただ、電子カタログ掲載品で価格交渉が必要な領域や、電子カタログ非掲載で対面販売や入札型見積購買システムで取引される領域などにも将来的に対応できるように、「問合せ機能」をAPMROシステムおよび無限カタログに追加搭載していく。強固な顧客基盤を有して今後も大企業グループへの売上拡大とともに認知度拡大が進むことで、持続的な成長が期待されそうだ。実際、大企業グループへの売上高は、年を追うごとに大きくなる傾向があり、機能の向上がその傾向に拍車をかけることになる。
また、厳密な意味での類似企業はないが、MonotaRO<3064>の数値は確認しておいても良いだろう。MonotaROはROE25%超、今期予想の営業増益率で2桁が予想されており、予想PERで50倍の評価だ。アルファパーチェスのROEは15%強であるが、利益成長は13.5%増、予想PER20倍となる。ROEは劇的に向上するものでなく、同社においては地力を付けながらの上昇となろうが、2桁増益の達成が続けば、PER不変でも株価は上昇し得る。アズワン<7476>、ミスミグループ本社<9962>、アスクル<2678>などと比較したPERも下限に近く、下値不安に乏しい。資本効率の改善は、さらなるアップサイドポテンシャルと考えておきたい。アルファパーチェスの2029年12月期の目標は、売上高1,000億円、営業利益率3.5%、ROE20%以上である。そこから試算されるEPSは250円程度。営業利益のCAGRは+35%であり、現状程度のPER20倍から試算される株価は5,000円となる。資本効率が高まった数値におけるPER水準の切り上がりの有無にも注目しておきたい。
株主還元では、記念配当5円を含む1株あたり配当35円を予定しており、配当利回りで1.75%が予想されている。
(執筆:アナリスト 山本泰三)
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