ダイキアクシス Research Memo(10):新中期経営計画を公表。海外での水衛生インフラ整備が成長エンジン(2)
ダイキアクシスは、新しい中期経営計画において、水衛生インフラの海外展開を重視すると発表しました。国内の環境機器関連事業では、メンテナンス事業を中心としたストックビジネスの強化を目指し、3年間の平均成長率を14%と見込んでいます。海外では、インドモデルの成熟を基にグローバル展開を加速。特にインドと東南アジア、中東アフリカへの進出を視野に入れています。また、再生可能エネルギー事業では、グリーンデータセンターやバイオディーゼル燃料を将来の重点市場とし、サーキュラーエコノミーにも積極的に対応します。目標として、2027年までに過去最高の業績を達成することを掲げています。
3. 事業戦略の概要
(1) 環境機器関連事業(日本市場)
メンテナンス(保守・修繕)の積み上げに注力し、ストックビジネスを強化する戦略である。保守契約数は新設工事に付随して着々と増加(年平均150件増)しており、それをストックビジネス化することにより、1) 売上の平準化(先まで売上が読める)、2) 利益への貢献(利益率が高い)、3) 営業効率の向上(顧客資産が次の受注につながる)といったメリットを享受していく考えだ。今後3年間におけるメンテナンス事業の平均成長率を14%と見込んでいる。メンテナンス業務の標準化により生産性を高め、利益率の向上にも取り組む。
(2) 環境機器関連事業(グローバル)
これまで試行錯誤により取り組んできた「インドモデル」※1を成熟化させ、それを強みにグローバル展開を加速させる戦略である。注力するインドにおいては一定の成果※2を収めており、3年後には黒字化(180百万円の利益計上)も見込んでいる。最も早く進出したインドネシアをはじめ、スリランカやバングラデシュでも既に同様のアプローチに取り組んでおり、さらにはインドで育成した人財による、中東やアフリカへの展開も視野に入れている。
※1 グローバル展開(新興国)の成功要因は、1) 現地政府との連携による、水質基準・製品基準・資格要件等の策定(ルール作りから始める)と、2) 現地を広くカバーしている代理店との友好関係構築にあることを突き止め、それをモデル化したものである。
※2 例えば、インド政府と進めてきた認証制度も2024年末に整備され、同社が第1号となる予定である。
(3) 住宅機器関連事業
国内の建設市場の成長鈍化を踏まえ、成長事業から利益重視の中核事業へと移行する方針である。利益増強に向けては、1) コストコントロール力の強化と、2) トップラインの強化(ソリューション型事業への転換)に取り組む。1) については、これまでも卸売に加え、工事案件の受注に注力してきたが、今後は、設計などの上流プロセスをカバーしていく戦略であり、バリューチェーンのスパンを広げることで、コストコントロールをしやすくする。2) については、現在進めている空調工事におけるビジネスモデル変革※のように、「モノを売る」から「課題解決」へと転換することにより、付加価値を高める戦略だ。また、将来的には、「環境機器関連事業」で築いたネットワークの活用により、グローバル展開も視野に入れており、水衛生インフラ整備による「公衆衛生(安全安心)」が満たされた後の暮らしの「快適性」へのニーズの変化を取り込んでいく。
※ 設計機能を自社で保有することにより、従来の「冷やす/暖める(空調機能)」という機能価値から、「来店者数向上(課題解決)」などのビジネス価値の提供へと変革を進めている。
(4) 再生可能エネルギー関連事業
太陽光発電施設の拡大が一巡するなかで、今後は市場成長率の高いグリーンデータセンターとバイオディーゼル燃料を重点分野として取り組む戦略である。グリーンデータセンターについては、既に候補案件が複数リストアップされており、それらを厳選のうえ、投下資本に対する収益性の高い案件に絞り込む考えである。一方、バイオディーゼル燃料については、これまでの四国エリアでの実証を生かし、茨城県での新プラントを稼働させ、市場の大きな首都圏での本格展開を進める。既に、東武鉄道グループのバス車両や「セブン-イレブン」の店舗改装トラック向けに燃料供給を開始しているが、サーキュラーエコノミー※への機運の高まりを追い風として、3年後までにフル稼働を目指す。
※ サーキュラーエコノミー(循環経済)とは、資源の消費量を抑え、廃棄物を減らすことを目的とした経済システム。
4. 数値目標
3つの主力事業がそれぞれ伸長する計画としている。特に「環境機器関連事業」における海外事業の拡大とストックビジネス(メンテナンス)の積み上げが業績の伸びをけん引する。最終年度となる2027年12月期の目標として、売上高53,000百万円、営業利益1,450百万円、経常利益1,550百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,100百万円を掲げており、達成すれば過去最高業績を更新することとなる。また、自己本比率は31.0%、ROEは9.7%を想定しており、財務規律を維持しながら、投資効率を意識した利益成長(売上高の拡大と利益率の改善)により資本収益性(ROE)を大きく向上させる前提である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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