ダイキアクシス Research Memo(5):国内外の水インフラビジネスを主力として環境関連事業を複合的に展開(2)
ダイキアクシスは、水インフラビジネスを軸に、住宅機器関連事業や再生可能エネルギー関連事業を展開しています。住宅機器関連では、タイルや衛生陶器から始まり、システムキッチンやユニットバス等の住設機器を販売しています。再生可能エネルギーでは、太陽光発電が主流で、DCMグループの店舗屋上に発電設備を設置し、PPAモデルに注力しています。バイオディーゼル燃料事業では、廃食用油から燃料を精製し、地域の循環型エネルギーを推進中です。小形風力発電では、2025年までに70サイトでの運営を目指し技術開発を進めています。
2. 住宅機器関連事業
「住宅機器関連事業」の2024年12月期上期における売上構成比は、建設関連業者等が57.9%、ホームセンターリテール商材が8.1%、住機部門工事が34.0%であった。
前身のダイキが1958年の創業時に「タイルと衛生陶器の専門店」としてスタートしており、住宅機器の卸売業では数十年来の実績を持つ。システムキッチン、トイレ、ユニットバスなどの水回り住設機器を元請のゼネコン、地場建築業者、ハウスメーカーに販売している。商圏は本社がある四国及び瀬戸内に面する中国・近畿地方が中心で、公共施設向けの内外装資材等の卸売など、同地域内では高い販売実績を上げている。時代のニーズを捉えた新たな商材を開拓し、近年では木製水槽、環境パイル工法など、環境に配慮した商材の提案にも力を入れている。また、DCMホールディングスのグループ企業向けにホームセンターリテール商材を供給しており、ホームセンター店舗の建築工事も請け負うほか、ホテル、病院、教育施設などへの資材及び設備の販売や施工も手掛けている。卸売り型の事業モデルであるため、利益率は1.5〜2.7%程度と相対的に低いが、木構造事業のすべての工程を自社で完結する体制を構築するなどメーカー機能を強化することで付加価値及び競争力の向上を目指している。
3. 再生可能エネルギー関連事業
「再生可能エネルギー関連事業」の2024年12月期上期における売上構成比は、太陽光発電事業が89.8%、バイオディーゼル燃料関連事業が8.0%、小形風力発電事業が0.5%、水熱処理事業が1.0%であった。2019年より風力発電及び太陽光発電設備の開発・管理をDASPに集約し、2021年7月には同社のバイオディーゼル燃料関連事業を移管、買収したサンエイエコホームを2023年1月に吸収合併することで、DASPに事業を統合した。
(1) 太陽光発電事業
太陽光発電事業は、2021年12月期において130ヶ所のDCMグループ店舗の屋上を賃借利用して設置した発電設備の系統連携が完了した。長期にわたる安定収益源となる※。
※ 太陽光発電施設の償却期間は、固定価格買取制度(FIT制度)の買取期間と同等の20年(定額法)となる。また、同社は20年後の撤去費用について、期間按分して引き当てた予算を既に組んでいる。
FIT制度終了後における持続的な事業運営に加え、世界規模での環境意識の高まりによってPPAモデル※をはじめとする様々な方法での需要が増している。2021年のサンエイエコホームの買収に続き、2023年2月には埼玉県さいたま市に本社を置くメデアの株式の100%を取得し子会社化した。メデアは、太陽光発電設備の設計・施工・維持管理を主とした電気工事業及び自社保有太陽光発電所における売電事業を主要事業とする。同社グループは、活発なM&Aにより太陽光発電に関わる経営リソースを取得することで、大口電力需要家からの要望に対してより迅速に対応できる体制を構築する。
※ 同社グループが無償で配置した太陽光発電システムの運用・維持管理を提供し、電力需要家は同社が発電した電力を購入、使用した分の電気代で支払う契約である。カーボンニュートラルの実現に向けて大企業を中心に電力需要が高まっているなか、FIT制度終了後の事業モデルとして注力している。
(2) バイオディーゼル燃料関連事業
バイオディーゼル燃料関連事業は2002年に開始した。一般家庭やレストラン、コンビニエンスストア、食品加工工場などから出る揚げ物等に使用した植物系廃食用油を回収してバイオディーゼル燃料に精製し、軽油などの代替燃料として再利用する。植物系廃食用油を原料とするバイオマスエネルギーの利用は「カーボンニュートラル」であると考えられている。同社は地産地消の循環型エネルギーの実現を目指して、自治体の参加協力を仰ぎながら、廃食用油のリサイクルを推進する「油~モアプロジェクト」を進めている。
2023年からは新たな展開として、4月にDASPが、日本航空<9201>松山支店が行う実証実験となる空港内作業車両に高品質バイオディーゼル燃料「D・OiL」の提供を開始した。2024年に入ってからも、1月に日本航空の高知空港所、5月に同徳島空港所、6月には同高松空港所と、四国4空港にて「D・OiL」の提供を開始している。また、環境省の脱炭素先行地域に選定された奥日光エリアを含む日光地域で、2023年8月より実証運行をスタートしたバイオ燃料バスに「D・OiL」を提供している。なお、関東地方におけるバイオディーゼル燃料の安定供給とさらなる事業展開を企図し、茨城県にバイオディーゼル燃料の精製プラントを2024年4月に完成させた。
(3) 小形風力発電事業
2012年12月期に小形風力発電事業に参入した。DASPは、2021年12月期末に小形風力発電を12サイトで系統連系し、FIT売電を開始した。現在は26サイトを運営しており、2025年12月期末までに全国70サイトでの稼働を目指す。1サイト当たりの売電収入は、2~2.5百万円、営業利益率25~30%程度を見込んでいる。ただし、2018年度に、同区分の買い取り価格は20kWh以上と同等の20円/kWhに改定されたため、新しいFITには50kW機で対応する意向だ。許可が下りれば、20kW未満のサイトに50kW機を設置する。設置コストは同等であるが、売上高が2.5倍になるメリットを生かす方針である。
小形風力発電機の開発では2020年から(株)シルフィード(現 DASP)が、ゼファー(株)、ジャトコ(株)、リコージャパン(株)(リコー<7752>のグループ企業)と共に、低圧風力発電機に関する技術開発・実証事業を行っている。地域の防災対策や、自営線・既存配電網を活用した独立系グリッドを作る動き、事業所内で再生可能エネルギーを自家消費する動きが顕在化してきたことを踏まえ、社会受容性の高い定格出力50kWの風力発電機を新たに開発することを目的としている。ゼファーが風車の全体設計、翼の設計、フィールド試験、風車制御のアルゴリズムの構築を、ジャトコが自動車部品の風力発電機への転用開発を、リコージャパンがAIを活用したメンテナンス支援ツールの開発を、シルフィード(現 DASP)は翼の生産を、それぞれ担っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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