アイル Research Memo(8):2025年7月期は大幅増配予想、株主還元を強化
アイルは、2025年7月期において2024年7月期比で6.00円の増配を行い、47.00円の配当を予想しており、これにより配当性向は36.1%に達する見込みです。同社は、8期連続で増配を続け、株主還元を強化する方針です。さらに、サステナビリティ経営を重視し、社会的貢献と環境問題の解決に取り組んでいます。また、社員の評価・成長環境の向上に力を入れています。特に、働き方の多様化や公平な評価制度を推進し、人材投資が成果を上げ、離職率も低く抑えられています。利益率の上昇も見られ、同社の管理戦略による成長が評価されています。長期目標として営業利益率30%超を視野に入れた成長を目指し、人材とプロモーションへの投資による基盤強化を図っています。
2. 株主還元策
利益還元については2024年7月期より配当目標を引き上げて、配当性向35%以上、DOE10%以上を目標としている。そして2025年7月期の配当予想は2024年7月期比6.00円増配の47.00円(中間期末20.00円、期末27.00円)としている。2018年7月期から8期連続増配で予想配当性向は36.1%となる。同社は今後も株主還元を強化する方針であり、収益拡大に伴って株主還元のさらなる充実が期待される。
人材投資を重視
3. サステナビリティ経営
同社は、ミッションに「Always free, Love&dream with you. That is our responsibility. いつだってFREEを、LOVEを、DREAMを一緒に感じられるために。」を掲げ、事業による営利活動だけでなく、事業を通じてFREEを、LOVEを、DREAMを感じることができることを大切にすることが社会的責任と考えている。またバリューには「“BX”を通じ、社会に夢を与える」「環境と両立した経営と、過剰在庫ゼロの世界を創る」「社員一人ひとりが力を発揮できる風土・制度を発展させる」「透明・健全な経営を維持し、企業成長とともに企業価値を向上させる」を掲げている。
「“BX”を通じ、社会に夢を与える」としては、「BX」を通じて「単純作業」からの開放を支援することで新たな価値創造のきっかけをつくり、より良い社会をつくるほか、テレワークなど多様な働き方の実現を助け、あらゆる人が活躍できる社会の構築への貢献を目指す。また顧客やパートナーとの信頼を一義とし、単なる「取引先」の関係ではなく、二人三脚で成長できる共存共栄の関係を築く。「環境と両立した経営と、過剰在庫ゼロの世界を創る」としては、2022年7月の取締役会で決議した気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)賛同と環境関連情報の開示を強化し、2030年度にGHG(温室効果ガス)排出量半減、2050年度に実質ゼロを目指して活動する。また「BX」を通じて在庫管理・予測の精度を上げ、顧客とともにアパレルロス・フードロスといった社会問題の解決を目指す。
「社員一人ひとりが力を発揮できる風土・制度を発展させる」としては、社員の自律性を養い、夢をもって自由に取り組める風土づくりに取り組むほか、人種・性別・年齢・地位に関係なく「頑張った人」が報われる公平な評価制度を確立する。また働く時間や場所を拘束せず、子育て世代や介護、地方在住の社員も力を発揮できる環境を整備する。「透明・健全な経営を維持し、企業成長とともに企業価値を向上させる」としては、独立社外取締役5名体制(全14名中)により、多様な意見を反映させた健全な経営を維持する。また、ステークホルダー(株主、顧客、取引先、社員)との積極的な対話を通じ、経営に反映させる。
同社はバリューのうち「社員一人ひとりが力を発揮できる風土・制度を発展させる」を特に重視している。具体的には風土づくりとしてガラス張りの経営、失敗を咎めず挑戦を称賛する文化、個人に合わせた多様な働き方、社長自ら行う新人研修などを推進し、制度としては社長・役員会食や年間賞の設定、生理休暇の有給化やフレックス制度など女性が安心して働ける制度、「頑張った人が正しく評価される」公平な評価制度、社長や役員へ直接メッセージを発信できるメッセージメールなどを推進している。なお単体ベースでは、社員の平均年収(休職者を除く数値)は2020年7月期を100とすると2024年7月には109まで上昇した。これらの環境整備もあり、2024年7月期の離職率は3.4%(男性2.5%、女性5.0%)で、業界平均(同社調べ12.8%)に比べて非常に低い水準となっている。女性の産休復帰率は7期連続100%となり、男性の育休取得率は59.3%まで上昇している。2025年1月に実施したエンゲージメントサーベイ結果は79(業界平均63)で、全項目において業界平均を上回る高いスコアとなった。今後も環境を向上させ、さらなる好循環を目指す。
またサステナビリティへの直近の取り組み事例として、2024年2月には国際的な環境評価の情報開示システムを運用する国際的NGO団体CDPの気候変動調査でマネジメントレベル「B-」評価に認定された。同年5月にはカスタマーハラスメントへの対応方針を策定した。同年7月には福利厚生の一環としてZERO(株)が提供するフードロス削減BOX「ZERO」を導入した。また同じく7月には國學院大學の体育連合会アルティメット部「TRIUMPH(トライアンフ)」のメインスポンサーに就任した。同年11月には難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)の啓発活動を行う(一社)WITH ALS主催の「MOVE FES.2024」に協賛(2019年、2021年、2023年に続いて4回目)した。
利益率上昇基調を評価
4. 弊社の視点
同社の売上総利益率及び営業利益率は2025年7月期中間期に一時的に低下したものの、通期ベースで見れば上昇基調である。これは同社が継続的に推進している人材育成・環境整備、製販一体体制による品質・生産性向上及びプロジェクト管理レベル向上、ストック売上高拡大という、地味ながらも着実な経営戦略の成果であり、この点を弊社では高く評価している。2024年9月に策定した中期経営計画では年平均2ケタ成長を維持しつつ、人材投資やプロモーション投資など成長投資の加速によって経営基盤の一段の強化を推進する方針としている。長期的目標である営業利益率30%超の達成が視野に入っており、弊社では引き続き成長戦略の進捗状況や「BX」による成長加速の動向に注目したいと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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