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テックポイント Research Memo(5):2025年12月期業績予想は非公表、車載カメラ向けの一段の成長に期待


テックポイントは2025年12月期の業績予想を発表していないが、半導体市場は徐々に回復すると見込まれ、新商品開発と新規顧客開拓を進める方針。監視カメラ市場は中国での部品調整次第で改善が期待され、価格競争力強化を目指す。車載カメラ市場は引き続き好調が見込まれ、中国大手自動車メーカー向け案件の量産開始が期待される。技術面では、HD-TVIの改良型を開発中で、日米欧の自動車メーカーへの採用を目指す。また、研究開発費を増額し、戦略商品の開発を進め競争優位性を高める狙いである。監視カメラと車載カメラの両部門でトータルソリューションの提供を推進し、成長を目指す。

*12:05JST テックポイント Research Memo(5):2025年12月期業績予想は非公表、車載カメラ向けの一段の成長に期待 ■今後の見通し

1. 2025年12月期の見通し
テックポイント・インク<6697>は、台湾ASMediaの完全子会社となる計画及びその手法としての買収目的会社との合併契約の締結を公表したことに伴い、2025年12月期の連結業績予を発表していない。なお、2025年12月期については大手ファウンドリの予測でも徐々に半導体市場は回復するとの見通しで、市況は緩やかな回復傾向を辿ることが期待される。同社でも引き続き積極的に新商品を市場に投入するとともに新規顧客を開拓し、業績拡大を図る方針である。以下、監視カメラシステム市場向け及び、車載カメラシステム市場向けごとに見通しを占った。

監視カメラシステム市場向けは、中国本土での需要家である監視カメラメーカーの部品在庫調整状況の行方が注目すべき点の1つであろう。これが徐々に改善し、新たな部品調達に結び付けば、同社の業況改善が期待できる。同社はカメラ送信側(ISP+Tx)生産プロセスの微細化(ナノ幅の微細な半導体の採用)により価格競争力を向上させ、需要の増加に対応する考えである。また低価格品については世界的な物価高を背景に今後も一定の売上高が期待できようが、売上増加が見込まれれば、利益率改善を目的に粗利率の比較的高い製品への切り替えも検討すると考えられる。

車載カメラシステム市場向けは、2024年12月期に続き好調な業況が期待され、事業全体をけん引することが予想される。2023年12月期までに受注し量産移行した案件の売上に加え、2024年12月期に新規受注した案件の量産移行も期待できる。特に2024年12月期終盤に生産開始した中国大手自動車メーカー向け案件の伸びに期待したい。さらに同社は現在車載用の映像伝送の基盤技術であるHD-TVIの改良型の出荷を準備中である。この新しいスペックに基づく製品は伝送時のノイズのさらなる低減を可能としており、日米欧の自動車メーカー向け純正品での採用を目指している。さらなる業績拡大に向けた材料の1つとして注目したい。

2. 研究開発の進捗状況
将来に向け、監視カメラ・車載カメラの両部門においてトータルソリューションを提供することにより販売を拡大し、成長を図る方針で研究開発を進めている。監視カメラに関してはカメラ本体及びDVR(映像記憶装置)で使用する半導体やセンサーを一気通貫で供給することを目指している。車載カメラに関してはリアビューカメラやサラウンドビュー用をはじめ、ドライブレコーダーや電子ミラーまで用途を拡大し、自動車の先進運転支援機能の進化に対応したソリューション提供を計画している。

2024年12月期の研究開発費実績は8,452千米ドルと前期比1,272千米ドル増(同17.7%増)となった。研究開発費の主な用途は、低価格品へ対抗するための送信側(ISP+Tx)半導体生産プロセスの変更、日米欧の自動車メーカー純正品での採用を目指す新規格のHD-TVIの開発、2023年に取得したAIを含む技術を用いたSoC(1チップでシステム動作が可能な半導体)の開発、需要が多様化する液晶コントローラーの新規格品の開発等である。同社は、ASMediaの完全子会社化後も積極的な研究開発投資を継続していくとしている。

現在は2025年12月期以降の成長エンジンとなり得る戦略商品の開発に注力しており、これにより他社との競争優位性を高める狙いである。主なポイントとして「既存製品の競争力強化」「開発済み新製品の拡販」「新規取得技術によるSoCの開発」の3点を挙げており、研究開発は順調に進捗している。「既存製品の競争力強化」では、カメラ送信側(ISP+Tx)の生産プロセスの微細化により価格競争力を向上させる。監視カメラ・車載カメラに共通する開発で、低価格品の攻勢に直面しているカメラ送信側(ISP+Tx)のコストダウンにより、シェア回復を図る。既存製品の生産プロセス変更では長期開発は必要ないため、2025年から量産可能である。車載用の液晶コントローラーにも適用できるが、形や大きさが製品ごとに異なるためスペックの多様化が必要であり、現在スペックごとにテープアウトや試作品のテストへの対応を進めている。「開発済み新製品の拡販」では、CMOSイメージセンサーとドアフォン用半導体に対応する。前者については長期の円安要因もあって販売促進を控えてきたが、開発済みのものを車載カメラ向けに切り替えて販売することを計画し開発を進めている。円安の影響を回避するために日本国内の工場に製造委託することを検討中である。後者については既に量産移行しているが出荷数量はまだ少なく、集合住宅向け等の大規模受注に期待がかかる。「新規取得技術によるSoCの開発」では、これまで開発を進めてきたSoCが2025年においていよいよ量産可能となる。目指す車載向け半導体のトータルソリューションのうち、電子ルームミラー、電子サイドミラー、ドライブレコーダー向けに開発されているもので、前述のCMOSイメージセンサーを含めてソリューション内容をレベルアップし、製品メーカーへの提案力を強化するとともに完成品1台当たりの半導体採用個数の増加を図る。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

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