デイトナ Research Memo(4):独自の企画力と開発力で、世界で最も支持されるブランドを目指す
デイトナは「商品企画」、「開発体制」、「物流体制」、「販売ネットワーク」の4つの独自優位性を持つ。商品企画では、顧客ニーズに応じた商品を3つのアプローチ(オリジナル開発、OEM商品、海外輸入品)で進め、「開発会員制度」を通してユーザーの声を商品企画に活用。開発体制では、750mのロードテストコースなど充実の評価設備で安全な商品開発を行い、社員の自由な発想を重視するカルチャーを育成。物流と販売ネットワークでは、日本国内で約4,000店舗を持ち、海外展開も拡大中。日本の小型二輪車市場はコロナ禍での特需から続く高水準を保っているが取得免許数は減少。リターンライダーの増加や新しい購買行動の中での需要にも応えるため、YouTubeで情報発信を行っている。
同社には「商品企画」「開発体制」「物流体制」「販売ネットワーク」の4つのアドバンテージがある。
1. 商品企画
デイトナ<7228>は、顧客ニーズに合わせた幅広い商品を提供するため、オリジナル開発の商品・OEM商品・海外輸入品の3系統の方法で企画開発を進めている。また、世界のバイクライダーのニーズに対応する商品・サービスを提供することで、「世界で最も支持されるブランド」を目指している。同社は「開発会員制度」という仕組みを導入している。これは実際に同社商品を使用しているライダーから使い心地や感想、改善点などの意見を聞き、商品企画に反映させるユーザー参加型のシステムである。「ライダーの生の声」を聞くことでニーズに合致した商品開発につなげている。
2. 開発体制
本社敷地内には全長750mのロードテストコースのほか、シャーシダイナモとエンジンベンチを備えた計測棟を付設している。これにより確実な性能評価を行い、安全な商品提供ができる。社員には制服がなく、自由な社風のなかでバイクカスタマイズの楽しさを追求できる一方で、規律あるクリエーター集団としての性格も強い。このような環境の下でバイクカスタマイズの楽しみ方を発想し、それが原点となり商品開発を支えていると推察できる。社員がバイクカスタマイズを熟知したライダー集団であると同時に、ユーザーに必要とされる商品を形にするための議論と試作を展開し、自社テストコースで試乗することで商品化を進めている。
3. 物流体制及び販売ネットワーク
本社内物流倉庫では、すべての物流管理がトータルで運営され、正確でスピーディな物流ネットワークを確立している。流通倉庫内はロケーションを管理し、人の動きの無駄をなくした効率的なピッキングと正確な出荷を実現している。販売ネットワークは、グループ企業のライダーズ・サポート・カンパニーが運営する「ライコランド」2店舗をはじめ、日本全国に約4,000店舗のバイクショップ・用品ショップの販売ネットワークを構築している。海外では、北米・欧州・アセアン地域でディストリビューターネットワークを拡大中である。同社のホストコンピュータとダイレクトに連携し、在庫照会・発注・発注履歴・出荷履歴・バックオーダーの確認などがリアルタイムで行えるシステムを構築している。
■事業環境
小型二輪車の新車販売台数は半期当たり4万台ペースを維持
二輪車業界では、二輪車が公共交通機関に代わる移動手段として注目を集め、運転免許取得者の増加とともに、軽二輪車、小型二輪車クラスを中心に車両販売も近年好調に推移してきた。ただし、(一社)全国軽自動車協会連合会が発表した2024年の小型二輪車新車販売台数は前期比3.4%減の88,001台と前年に引き続き10万台を割り込んだ(2023年は91,089台)。半期毎の推移では2022年下期に減少に転じたものの、2023年下期からは復調を続けた。しかし2024年下期に再び落ち込みを見せた。総じて、ここ数年は半期ベースで4万台の水準をキープしている状況と言える。警察庁「運転免許統計」によると、2023年の大型二輪の運転免許証交付件数(併記のみ)は78,106件と、前年に続き減少した。普通二輪の運転免許証交付件数(併記のみ)は2021年に同17.6%増の191,606件となったが、2022年は185,088件、2023年は163,151件と減少に転じた。各種参考指標は通年で見ると減少しているものの、小型二輪車新車販売台数で言えばコロナ禍前の2019年(66,456台)と比較すると依然高水準にあり、足元の小型二輪車新車販売台数も順調であることを踏まえると、業界環境に対する過度な懸念は不要と弊社では見ている。
環境の変化はあるものの、コロナ禍において運転免許取得者や車両販売台数は増加し、ライダーの裾野は確実に広がった。長年エンジンをかけていなかった二輪車に再び乗ろうとするリターンライダーが増加し、「3密」を回避できるアウトドアレジャーとしても需要が高まった。コロナ禍によって特需が発生した側面はあるものの、生涯楽しめるレジャーやライフギアとして定着する可能性はあるだろう。実際に、山道や林道、未舗装道路などオフロードを走るアウトドアアクティビティの人気が高まっているようだ。ライダーの年齢層も拡大しているようで、ダートフリークが展開するインターネットサイトの主要顧客層はこれまでの50代だけでなく、20代の割合も増えている。ユーザーの一部は部品の調達先やメンテナンス先として、用品店やインターネット通販を通じた購買、動画サイトを参考にした自らの手によるメンテナンスなど、販売店を経由しない新たな購買行動を選択している。これに対し同社では、YouTubeでの情報発信によってファンへ訴求している。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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