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オートサーバー Research Memo(3):収益は「取引台数×手数料」


オートサーバーは「ASNET」を通じての取引で発生する手数料収入を収益源としています。この収益は「取引台数×定額手数料」で決まり、固定費がかからないため、中小規模の中古車事業者から特に支持されています。「ASワンプラ」では売買双方から手数料を受け取るモデルを採用し、利益性が高いです。ただし、売上高は中古車オークション開催数に影響を受けるため、長期休暇時には減少傾向となります。2024年12月期には高い営業利益率を達成しており、収益性は上昇中です。

*12:03JST オートサーバー Research Memo(3):収益は「取引台数×手数料」 ■オートサーバー<5589>の事業概要

2. 収益構造・特性
「ASNET」の収益源は取引の都度発生する手数料収入である。手数料は車両価格によらず取引1台ごとの定額制を採用している。このため同社の収益は基本的には「取引台数×手数料」で決定される。「オークション代行」では、落札1台ごとに「ASNET」会員から落札手数料を受領し、この中の一部(平均的には約半分)をオークション会場へ落札手数料(落札手数料の金額はオークション会場によって異なる)として支払う。「ASワンプラ」では、取引成立1台ごとに売り手会員から成約手数料、買い手会員から落札手数料を受領する。売買双方から手数料が得られるため取引1台あたり単価が「オークション代行」よりも高く、オークション会場へ支払う落札手数料も発生しないため、収益性が高いビジネスモデルである。なお「オークション代行」の利用手数料については、オークション会場の落札手数料引き上げに対応して2023年3月より手数料改定を進めている。

一般的に、中古車取扱事業者が中古車オークションに参加するためには、当該オークション会場に会員として入会しなければならず、入会金・保証金・保証人・月会費といった固定コストが負担となるが、「ASNET」は手数料以外の固定コスト(「ASNET」会員となるための入会金・保証金・月会費など)が不要なため、低コストでサービスを利用できるメリットがある。この点が特に中小規模の中古車取扱事業者や、中古車販売を行うもののメインビジネスではない事業者から高い支持を得る要因となっている。

また収益特性としては、売上原価は「オークション代行」で中古車オークション会場へ支払う手数料、販管費は固定人件費(営業部門、システム部門、オークション代行に係る事務部門、及び管理部門)が大部分のため、取引台数の増加が利益率向上につながる。直近では2024年12月期の営業利益率が39.7%という極めて高い利益率となっている。


売上高は全体として増収基調

3. サービス別売上高の推移
過去3期の四半期別(2022年12月期第1四半期~2024年12月期第4四半期)の売上高の推移を見ると、2023年12月期第2四半期から前年同期比で7四半期連続増収となり、全体として増収基調である。2024年12月期は中古車オークション出品台数減少の影響を受けて「オークション代行」が低調だったのに対して、中古車価格上昇を背景として「ASワンプラ」が好調だった。なお同社の売上高は中古車流通台数のほか、中古車オークション開催数の影響を受けるため、長期休暇などで中古車オークション開催数が減少する時期(5月のGW、8月の盆休み、年末年始など)は他の時期に比べて売上高が減少する傾向がある。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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