フィード・ワン Research Memo(1):2025年3月期中間期で通期予想に対する営業利益進捗率は55%と順調
フィード・ワンは、畜水産物の配合飼料を製造・販売する企業で、市場シェア15%を持つ。2025年3月期第2四半期の連結業績では、売上高が前年同期比5.3%減となったが、営業利益は18.0%増の3,355百万円となり、順調に進捗した。主力の畜産飼料事業では販売価格の影響で一部減収があったものの、販売数量が増加し、原料価格の低下で粗利が増加。その結果、セグメント利益としては34.5%増利を達成した。今後6年間で600億円の設備投資を予定しており、中期経営計画では長期的な収益力の強化と生産体制の刷新を目指す。2025年3月期の配当は年間29.5円を予定しており、安定した配当政策を継続している。
フィード・ワン<2060>は、肉や魚、卵、牛乳といった畜水産物の生産において欠かせない配合飼料の製造・販売を行う企業であり、畜産飼料では全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)に次ぐシェア15%、民間では業界No.1の規模である。2015年に、協同飼料(株)と日本配合飼料(株)及び2014年に両社により設立したフィード・ワンホールディングス(株)が統合して生まれた会社である。協同飼料は養豚用飼料と養牛用飼料、日本配合飼料は養鶏用飼料と水産飼料にそれぞれ強みがあったため、統合したことで配合飼料の販売構成に偏りがなくなり、バランスの良い事業ポートフォリオとなっていることが特長である。
事業セグメントは、畜産飼料事業、水産飼料事業、食品事業の3つである。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比5.3%減の148,298百万円、営業利益が同18.0%増の3,355百万円、経常利益が同20.0%増の3,805百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同55.4%増の3,092百万円と、減収となるも各利益で順調な増益となった。主力の畜産飼料事業においては、畜産飼料の平均販売価格が前年同期を下回ったことで減収となった。売上高は畜産飼料の四半期ごとの販売価格改定の影響を大きく受けるため業績の指標にならない面がある(詳細は後述)。一方で、販売数量は増加しており、事業が順調であることがわかる。売上原価はとうもろこし等の相場が軟調に推移し、為替が円高傾向だったこともあり原材料価格が低下し、粗利が増加した。販管費に関しては配合飼料価格安定制度(詳細は後述)の積立金の負担増(同789百万円増)などにより増加したものの、粗利益の増加により畜産飼料事業のセグメント利益は34.5%増の4,941百万円と大幅増益を達成した。
2. 2025年3月期の業績見通し
2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比2.2%減の307,000百万円、営業利益が同21.3%減の6,100百万円、経常利益が同18.6%減の6,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同11.5%減の4,500百万円と、売上高・各利益ともに減収減益見込みで、期初予想を据え置いた。通期の業績予想に対する中間期進捗率は売上高で48.3%(前年同期は49.9%)、営業利益で55.0%(前年同期は36.7%)であり、売上面では前期並み、利益面では前期を超えての進捗である。
3. トピック
同社は、2024年3月に、次の10年の方向性を定める長期ビジョンを発表した。これまでの10年は「(2社)統合による事業基盤の確立」であり、飼料業界のリーディングカンパニーに成長した10年だった。この成功に安住することなく、「『1(ONE)』にこだわり、選ばれる企業へ」というVisionを掲げ、10年後の2034年3月期にEBITDAで160億円以上、ROE10%以上、ROIC8%以上、畜産飼料市場シェア20%以上という経営指標を目指す。投資計画としては2025年3月期から2030年3月期までの6年間に600億円程度を見込む。前中期経営計画期間の設備投資実績は年間平均25億円程度だったが、これからの6年間は年間平均100億円の投資規模に拡大する。なお、初期の3年間(1st ステージ)では後半から投資が加速する見込みである。必要な資金は主に営業キャッシュ・フローから捻出し、財務規律を保ちながら有利子負債からも調達する。保有資産の最適化により資産効率を向上させたい考えだ。
4. 株主還元策
同社は、長期的発展の礎となる財務体質強化のための内部留保の充実と安定配当を基本として、連結配当性向25%以上を目標としている。内部留保資金については、将来にわたっての競争力を維持・成長させるための投資資金として有効に活用する方針だ。完全統合した2015年3月期以降、年配当金は維持または増配を行ってきた。直近の2024年3月期は年配当金27.0円、配当性向20.3%だった。2025年3月期は年配当金29.5円(中間14.5円済、期末15.0円予定)、配当性向25.1%を予定する。安定配当とともに増配している点が評価できる。
■Key Points
・主力の畜産飼料事業では、原料調達・製造・開発・営業の各機能で強みを構築。市場シェア15%を獲得
・2025年3月期中間期は増益で営業利益の通期予想に対する進捗率は55%と順調。通期では営業利益6,100百万円を見込む
・中期経営計画で継続的な収益力強化と生産体制の刷新・増強を図る。向こう6年間で600億円の設備投資を計画
・安定配当を継続。2025年3月期は配当金29.5円(前期比2.5円増配)、配当性向25.1%を予定
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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