サークレイス Research Memo(6):売上高は前期比25.8%増を計画(2)
サークレイスは、成長戦略として「基盤」「再構築」「次世代」「成長」の4段階を設け、SalesforceやAnaplanなどの既存事業を強化しつつ、新規事業への投資を進め成長を図っています。AI&DATA戦略では、顧客のDX推進を支援し、長期的成長を目指します。また、製造業や通信業界向けの専門的なアプローチを強化し、グローバル展開を視野に入れています。連結子会社アオラナウとのシナジー効果を活かし、DX人材育成や企業システムの最適化を推進。特に、マネージドサービス「ConsulTech」やSaaSサービス「AGAVE」による専門的なサービス提供を通じて収益基盤を強固にします。これらの戦略により、短期的収益と中長期的市場競争力の向上を図る計画です。
3. 成長戦略
同社の成長戦略は、事業サイクルを「基盤」「再構築」「次世代」「成長」の4段階に分類し、適切な投資判断を行う点にある。まず「基盤」段階ではSalesforseやAnaplanコンサルティング、エデュケーション、カスタマーサクセスなど既存事業の収益基盤を維持しつつ成長を模索し、「再構築」段階ではそれらの環境変化への対応を進める。「次世代」段階ではAI&DATAやDXプラットフォーム(アオラナウ)、BPO(ConsulTech)といった新規事業への投資を通じて、将来の成長を見据えた事業再構築を推進し、「成長」段階では海外人事労務管理に特化したSaaS製品「AGAVE」を中心に収益基盤の早期構築を目指している。同社はこれらの戦略により、短期的な収益確保と中長期的な成長の両立を図っている。
(1) ロールモデル戦略
規範となる優秀な人材を採用し、基本サービス提供をチーム制にすることで、人材の質を底上げし、ロールモデルの活用を可能にする。人材の質を高め、収益を向上させ従業員への積極的な還元を行うことで、より優秀な人材の確保ができる好循環の実現を目指す。
(2) AI&DATAイノベーション戦略、マルチプラットフォームサービス対応
同社のAI&DATAイノベーション戦略は、AIを活用した積極的な取り組みにより、顧客企業のデータドリブン経営とDX推進を支援するものである。同社グループ全体で、コンサルティングから実装・定着化に至るまで、ワンストップで高品質なサービスを提供している。さらに、グローバルITトレンドに基づいた最先端のテクノロジーを採用することで、業界や業種を問わず幅広いサービス提供を可能としている。これにより、顧客の競争力強化と持続可能なビジネスモデル構築を実現し、対応可能な領域を積極的に拡大している。同社の戦略は、DX時代における企業変革の基盤を支えるものであり、中長期的な収益拡大と市場競争力の向上に寄与する取り組みと言える。
同社の主な顧客は製造業であり、日本企業における製造業の多さがその背景にある。また、通信業界に対してもアドバンテージを持ち、それぞれの業界に特化した戦略が必要であると見ている。製造業においては、さらに各専門分野に個別のアプローチを検討し、それを将来的なグローバル化の基盤として活用する方針である。
同社は、Salesforceが提供する最新の自律型AIエージェント「Agentforce」の導入支援サービスを開始している。このAIエージェントは大規模言語モデル(LLM)を活用し、業務の自動化や効率化を実現する技術であり、同社はこれを活用した企業のDX推進を支援する戦略を展開している。
同社は、マルチプラットフォームサービス対応拡大の一環として、これまでのSalesforce中心の事業に加え、生成AIと「Microsoft Power Platform」を活用した、より高度で広範囲な「企業システム全体の最適化」を実現するためのソリューションを提供する事業も開始している。
(3) アオラナウとのシナジー
同社の連結子会社アオラナウとのシナジーは、SalesforceとServiceNowを基軸としたクロスセル戦略にある。同社グループとして、両プラットフォームの統合的なサービス提供により、顧客企業の業務効率化やデジタルワークフローの最適化を実現する。この相互補完的なアプローチは、顧客満足度を向上させるとともに、グループ全体の売上高の増加を促進する。同時に、両プラットフォームに対応した多様なサービス展開が、競争力の強化に寄与する戦略的な連携である。
(4) DX支援・DX人材育成
同社は、パソナグループと共同設立したアオラナウを中心に、DX支援及びDX人材育成を推進している。さらに、ServiceNowのプログラムのServiceNow Ecosystem VenturesやTquila Limited(テキーラ)が参画し、デジタル人材のリスキリングを通じた事業連携を開始している。この5社による連携体制は、大手企業だけでなく、成長が期待される中堅企業を対象としたDX推進を目指している。特に、デジタルスキルの向上を支援し、顧客企業の競争力強化に貢献する取り組みが特徴である。この協力体制により、企業規模や業界を問わず広範なDXニーズに応える総合的な支援を実現し、DX時代に必要な人材育成とビジネス変革を促進している。
(5) マネージドサービス「ConsulTech」
マネージドサービス「ConsulTech」は、マーケティング、セールス、カスタマーサクセスに関連する戦略の策定から施策立案・実行、システム構築、メンテナンスまでを伴走型で支援する包括的なサービスである。専門知識を持つ担当者が、顧客獲得から育成、アポイント獲得率向上までのプロセスを全面的にサポートし、顧客企業の営業活動全体を強化する。具体的には、KPIプロセス、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスを網羅した営業フローを対象とし、効率的かつ効果的な営業基盤の構築を目指す。同サービスは、顧客の事業成長を直接支援すると同時に、長期的なパートナーシップの構築を可能にする柔軟性と信頼性を備えている点が特徴である。
(6) AGAVE事業の拡大
同社のSaaSサービス「AGAVE」は、2024年6月末時点で契約ユーザーID数が10,000を突破し、順調な成長を続けている。AGAVEは海外人事労務管理に特化した高い専門性を持つクラウドサービスであり、各国の税制対応や労務管理業務を一元化することで、顧客の業務効率化に貢献している。また、低い解約率を特徴としており、顧客の継続利用を通じたストック型収益の拡大が期待される。同社は引き続き積極的な拡販を進め、既存顧客の満足度向上と新規顧客の獲得を目指している。この取り組みは、同社のSaaS事業全体の成長をけん引するとともに収益基盤の強化に寄与しており、安定的な事業拡大の見通しを支える重要な要素である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
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