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kubell Research Memo(1):飛躍的な成長に向けたフェーズの転換点を迎える


kubellは、ビジネスチャットサービス「Chatwork」とデジタルトランスフォーメーション支援サービス「BPaaS」を提供し、中小企業の生産性向上を支援しています。少子高齢化に伴う労働力不足という課題に取り組み、利便性の高いツールで多くの企業に貢献しています。2024年12月期の第3四半期累計業績では、売上高が前年同期比34.0%増の6,184百万円となり、営業利益や経常利益は黒字化を達成しました。今後の業績予想では、売上高が30.0%増と見込まれており、「Chatwork」やBPaaS関連サービスの拡大が期待されています。成長と収益性の両立を目指す体制強化が進められ、営業利益の黒字化も見込まれています。

*14:01JST kubell Research Memo(1):飛躍的な成長に向けたフェーズの転換点を迎える ■要約

1. 会社概要
kubell(クベル)<4448>は、国内最大級のビジネスチャットサービス「Chatwork」の提供や、業務のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)を推進し、中小企業の生産性向上を支援するビジネスプロセス支援サービス「BPaaS(Business Process as a Service)」を展開する企業である。同社の強みは、日本国内の労働市場が抱える構造的課題に対し、的確なソリューションを提供している点にある。少子高齢化による労働力不足や中小企業の生産性向上の必要性に対応するため、ITリテラシーが低い企業でも容易に導入・活用できるツール「Chatwork」を中核に据え、多くの中小企業に貢献している。「Chatwork」は日本国内で60.5万社(2024年9月末時点)の導入実績を持ち、業界トップクラスのMAU(月間アクティブユーザー数)で、特に中小企業層に向けたサービスの提供により競合との差別化に成功している。さらに、BPaaSという新しいクラウドサービスモデルを推進しており、業務プロセスをクラウド上でアウトソーシングすることで、中小企業のDXを支援している。これにより、DXが進みづらいIT未熟層であるマジョリティ市場に対しても、導入しやすい形で提供していることが大きな強みである。

2. 業績動向
2024年12月期第3四半期累計の業績は、売上高6,184百万円(前年同期比34.0%増)、営業利益184百万円(前年同期は670百万円の損失)、経常利益169百万円(同674百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益134百万円(同674百万円の損失)となった。主力事業であるChatworkセグメントの売上高は前年同期比36.2%増の6,077百万円と著しい成長を達成した。これにより連結売上高は前年同期比で34.0%増と堅調な増加を示しており、同社の主要事業が依然として市場で強いパフォーマンスを発揮していることが確認できる。さらに、EBITDAは4四半期連続で黒字を維持しており、収益性の高い成長を実現し、持続可能な利益創出を確保している。2024年12月期は後述する中期経営計画の初年度に当たるが、2020年12月期第4四半期以来の黒字転換を見込んでいる。同社はコロナ禍で大きく増加した需要に対して、認知率向上や体制構築等、中長期的成長を見越した投資を加速させていた経緯がある。営業利益以下の各段階利益の黒字化達成はこれらの投資が結実した成果であり、飛躍的な成長に向けたフェーズの転換点であると弊社では見ている。

3. 2024年12月期の業績予想
2024年12月期の業績予想は、売上高8,430百万円(前期比30.0%増)、営業利益35百万円(前期は677百万円の損失)、経常利益32百万円(同686百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失58百万円(同620百万円の損失)としている。ビジネスチャットツール「Chatwork」のさらなる普及とBPaaS事業への積極的な投資を成長ドライバーとして、前期比で力強い成長と収益性の改善を実現する。特に、連結子会社であるミナジンが運営する「給与計算アウトソーシング」や「Chatwork アシスタント」といったBPaaS関連サービスに注力することで顧客基盤の拡大を目指しており、これが売上成長に寄与することが期待されている。EBITDAは761百万円を見込んでおり、営業利益は2020年12月期以来の黒字化を達成する見通しである。利益創出を念頭に置いた体制の構築を進め、引き続き高い成長率の維持と収益性の改善を両立させる。

■Key Points
・国内最大級のビジネスチャットサービス「Chatwork」や、ビジネスプロセス支援サービス「BPaaS」により中小企業の生産性向上を支援
・2024年12月期第3四半期累計の業績は、価格改定によるARPUの上昇を追い風に、売上高は前年同期比34.0%増の成長を実現。営業利益以下の各段階利益も黒字達成
・2024年12月期の業績予想は、利益創出体制の構築により増収増益。営業利益は2020年12月期以来の黒字化を達成する見込み

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


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