ケンコーマヨ Research Memo(1):2025年3月期は7期ぶりに最高益更新へ
ケンコーマヨネーズは、2025年3月期に7期ぶりとなる最高益を更新する見通しです。2025年3月期中間期では、売上高が前年同期比6.1%増、営業利益は308.0%増となり、過去最高を記録しました。タマゴ加工品の売上が鶏卵不足解消で急回復したことが要因で、価格改定効果や生産効率向上も利益増に貢献しました。全体として、売上高は92,000百万円、営業利益は4,500百万円を見込みます。中長期計画『KENKO Vision 2035』では、「サラダ料理で世界一」というビジョンのもと、事業構造改革とDX推進を図り、2036年3月期に売上高1,250億円以上、営業利益率6%以上を目指します。また、安定配当を維持するためDOEを基準に段階的な配当水準引き上げを計画しており、2025年には1株当たり配当金を38.0円とする予定です。
ケンコーマヨネーズ<2915>は、サラダ・総菜類、マヨネーズ・ドレッシング類、タマゴ加工品などを手掛けるケンコーマヨネーズ本体の調味料・加工食品事業と、連結子会社で構成されている総菜関連事業等からなる食品メーカーである。
1. 2025年3月期中間期の業績概要
2025年3月期中間期(2024年4月~9月)の連結業績は、売上高で前年同期比6.1%増の46,455百万円、営業利益で同308.0%増の3,194百万円となり、いずれも中間期として過去最高を更新した。売上高はインバウンド需要の拡大もあって外食業界向けが同10.0%増と好調に推移したほか、量販店向けやコンビニエンスストア向けも堅調に推移した。商材別では前年同期に落ち込んでいたタマゴ加工品が、鶏卵不足の解消により同26.9%増と急回復し、売上増のけん引役となった。利益面では、価格改定効果で1,035百万円、原材料コストの低減で775百万円、生産効率の向上で654百万円の増益要因となり、人件費などのコスト増を吸収した。
2. 2025年3月期業績見通し
2025年3月期業績は売上高で前期比3.7%増の92,000百万円、営業利益で同52.6%増の4,500百万円を見込む。下期は価格改定効果がなくなることに加えて、鶏卵や包装材など原材料価格の上昇、並びに新基幹システムの稼働や中長期経営計画における戦略の施策費用増を織り込んでいるため、収益水準が中間期と比較して落ち込むものの、通期では7期ぶりに最高益を更新する見通しだ。下期の売上高は前年同期比で1%強の伸びを計画しているが、外食業界などの市場動向に変化はなく、売上高は若干の上振れ余地があると弊社では見ている。
3. 中長期経営計画『KENKO Vision 2035』の概要
同社は2036年3月期までの中長期経営計画『KENKO Vision 2035』を発表した。「サラダ料理で世界一になる」をビジョンに掲げ、抜本的改革と企業価値のさらなる向上に取り組む。2028年3月期までの4年間を第1フェーズとし、事業構造改革を推進する。具体的には、NB(ナショナルブランド)比率を前期の約30%から50%に引き上げブランド力の向上を図るほか、EC事業の拡大や海外事業の推進、新規事業の創出に取り組む。また、DXの推進による業務効率の向上、工場の再編並びに商品アイテムの整理統合による生産効率の向上を図っていく。これら事業構造改革に関わる投資額は後半の2年間に偏重する計画となっているため、2028年3月期の営業利益目標は33億円以上と保守的に策定したが、2025年3月期の利益水準が40億円を上回る見通しとなっている。このため、2026年3月期以降の利益水準についても事業構造改革の実行を優先しながらも、利益水準は少なくとも2025年3月期の水準を維持することを目標にしていくものと見られる。2029年3月期以降は事業構造改革の効果が顕在化し成長期に移行する見通しであり、最終目標として2036年3月期に売上高1,250億円以上、営業利益で75億円以上、営業利益率6%以上、ROE8%以上を目指す。
4. 株主還元策
同社は、業績変動に左右されない安定配当を継続するため、DOE(株主資本配当率)を基準に配当を実施する方針としている。中長期経営計画の第1フェーズ(~2028年3月期)はDOE1.5%以上、第2フェーズ(~2032年3月期)は2.0%以上、第3フェーズ(~2036年3月期)は2.5%以上と段階的に水準を切り上げていく。同方針に基づき、2025年3月期の1株当たり配当金は前期比8.0円増配となる38.0円を予定している。また株主優待制度も導入しており、毎年3月末時点で100株以上保有の株主に対して保有株数に応じて自社製品(1,000円または2,500円相当)の贈呈を行っている。
■Key Points
・2025年3月期中間期は価格改定効果や生産効率の向上などにより大幅増益に
・2025年3月期業績は7期ぶりに過去最高益更新へ
・事業構造改革とDXによる生産性向上により、2036年3月期に売上高1,250億円以上、営業利益率6%以上を目指す
・配当金はDOEの基準を段階的に引き上げる計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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