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ニーズウェル Research Memo(8):事業基盤確立と重点分野拡大で市場競争力と持続可能な成長を目指す(2)


ニーズウェルは市場競争力を強化し持続可能な成長を目指すため、中期経営計画を策定しています。特に「ソリューションビジネスの拡大」は重要な戦略であり、「単価から価値アップへの移行」によってサービスの質を高め、顧客満足度を向上させることを狙っています。新たなサービスとして、「11MGN」や「Nチェッカ」、「BearAI」、そして「ManaSupport」などがあります。物流分野においても、倉庫管理システム(SmartWMS)を開発し、効率化と自動化を推進しています。経営目標では、2025年までに売上の70%をストック売上から得ることを目指しており、オンライン営業の促進やエンドユーザー取引を拡大することで、地理的な制約を超えて広範な市場にアクセスし、利益率を高める方針です。

*13:08JST ニーズウェル Research Memo(8):事業基盤確立と重点分野拡大で市場競争力と持続可能な成長を目指す(2) ■ニーズウェル<3992>の中期経営計画

(4) ソリューションビジネスの拡大
ソリューションビジネスの拡大は、企業の総合的な競争力を高め、持続可能な成長を支える重要な戦略だ。同社は、企業価値の向上、受注力の強化、そして収益性の改善を目的として、独自のソリューションを積極的に展開している。特に「単価から価値アップへの移行」という方針は、サービスの質を高めることで付加価値を創出し、顧客満足度を向上させることを意図している。同社は、単に製品を提供するのではなく、顧客とともにソリューションを形成し、サービスに注力することで、より包括的なサポートを実現している。サブスクリプションモデルの採用により、継続的なサポートと定期的な収入が保証され、長期的な顧客関係が構築されている。

具体的な新規ソリューションの追加により、引き続きこの戦略はさらに強化されている。例えば、「11MGN」は、Windows 11への移行を支援するサービスであり、短期間で安全かつスムーズな移行を実現することを目的としている。このサービスは、移行に関する課題をワンストップで解決し、運用を支援する。「Nチェッカ」と「Nチェッカ-Pro」は交通費精算業務を効率化するツールで、交通系ICカードとの連携や経費分析BIを活用し、中堅・中小企業の承認フローを簡略化する。また、勤怠管理とのリンクにより不正防止も可能である。「BearAI」はIoTセンサーやカメラで収集したデータをAIで分析し、工場などの機器や設備の稼働状況を可視化、効率的なモニタリングを実現する。一方、「ManaSupport」は収益認識方式を活用して予想損益を算出し、経営課題の早期発見と改善を支援する。さらに、予実管理機能を強化し、基幹システムとの連携で組織別の予算立案や実績原価の取り込みを可能にするなど、企業経営を包括的にサポートする。

(5) 物流ビジネスの拡大
ネットショッピングの利用率が増加するなかで、物流倉庫の効率化と先進化が強く求められている。これに対応するため、倉庫管理システムの開発と普及がキーとなる。このシステムは、「省人化・ペーパーレス化」「課題を見える化」「操作性の高いシステム」という3つの主要な特徴を備えており、物流業界の変革を牽引している。

「省人化・ペーパーレス化」は、倉庫運営の現場効率を大幅に向上させる。具体的には、ハンディーターミナルの導入によってオペレーションの改善が進み、紙の使用を減らすことで作業の迅速化とエラーの減少を図ることができる。また、ロボット技術との連携により、重労働の自動化や迅速な物品の移動が可能となり、さらなる効率性が追求されている。「課題を見える化」には、高度な分析機能が活用されている。これにより、倉庫内の人員配置を最適化し、配送車の積載効率を向上させることが可能になる。このようなデータ駆動型のアプローチは、物流の課題を具体的に把握し、解決策を迅速に実施する基盤を提供することができる。「操作性の高いシステム」は、ユーザーフレンドリーなインターフェースとカスタマイズ可能な検索機能を特徴としている。これにより、使用者は作業中の入力ミスを防ぎつつ、必要な情報を迅速に取得できるようになる。

販売戦略としては、物流ハードウェアメーカーと協業し、SmartWMS(倉庫管理システム)の市場展開を加速している。この連携により、AIピッキングカートや将来的なAI化など、革新的なソリューションが導入され、物流業界のさらなる効率化と自動化が推進される。さらに、SmartWMSをドラッグストアを含む様々な業種に展開することで、多岐にわたる顧客ニーズに応えている。

5. 経営目標
同社の経営目標は、安定した収益基盤の構築と市場での持続的な成長を図ることに焦点を当てている。これを実現するための主要な戦略として、「ストック売上の拡大」「オンライン営業の促進」「エンドユーザー取引の拡大」の3つを設定している。

「ストック売上の拡大」では、2025年9月期までに売上の70%をストック売上から得ることを目標としている。これは、2年以上のシステム保守・運用やサブスクリプション形式で提供するソリューションを通じて実現される。同社はこれまでに蓄積した開発ノウハウと長期にわたる顧客関係を生かし、安定した収益源を確保しようとしている。これに伴い、経済の波動や市場の変動に強いビジネスモデルを構築することが可能になる。なお、2024年9月期のストック売上比率は65%を達成している。

「オンライン営業の促進」によって、売上高の30%以上をオンラインチャネルからのものとすることが目標である。セミナーや展示会のオンライン化、効果的なウェブサイトの運用、定期的なプレスリリースの発信などを通じて、新しい顧客層を開拓していく戦略である。これにより、地理的な制約を超え、より広範な市場にアクセスすることが期待できる。

「エンドユーザー取引の拡大」は、売上高の65%以上をエンドユーザーからの直接取引によって実現することを目指している。このアプローチでは、既存ユーザーの継続案件や担当分野の規模拡大を図る一方で、新たな市場領域にも積極的に進出する。また、エンドユーザーに直接アプローチすることで、仲介業者を介さない直接的な顧客関係を強化し、高い利益率を維持することができる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

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