ワコム Research Memo(8):「テクノロジーソリューション事業」がここ数年の業績の伸びをけん引
ワコムは2017年に一時的な業績低下を経験したものの、「テクノロジーソリューション事業」の成長によって持ち直しました。2021年にはコロナ禍を背景にオンライン教育需要が急増し、「ブランド製品事業」も好調でしたが、2023年以降はインフレによる消費者心理の低下などで再び厳しい状況に。特に中低価格帯モデルが不調な「ブランド製品事業」を、依然として好調な「テクノロジーソリューション事業」でカバーしています。ワコムは、持続可能な社会への取り組みを重視し、ESG戦略を推進する一環で「ライフロング・インク」技術を展開。さらに、環境対応としてCO2削減目標を設定し、サプライチェーンの環境負荷の低減に努めています。
コロナ禍前の2020年3月期までの売上高推移を見ると、2017年3月期にいったん大きく落ち込んだのは円高に加え、過度な社内ITインフラ投資、製品サイクルの移行等の影響が重なったことが理由である。その後「テクノロジーソリューション事業」の伸びとともに回復したものの、「ブランド製品事業」については縮小傾向をたどり、「ブランド製品事業」のマイナスを「テクノロジーソリューション事業」のプラスでカバーする構造が続いた。2021年3月期にはコロナ禍をきっかけとしてオンライン教育向けを含む巣ごもり需要などを中心に「ブランド製品事業」(特に中低価格帯モデル)が急拡大すると、巣ごもり需要が一巡した2022年3月期も「ブランド製品事業」のプロ向けディスプレイ製品や「テクノロジーソリューション事業」の伸びにより、2期連続で過去最高売上高を更新した。ただ、2023年3月期以降は、インフレなど世界的な経済環境の悪化による急激な消費者センチメントの低下やコロナ特需の落ち着き等により、「ブランド製品事業」(特に中低価格帯モデル)が大きく落ち込む一方、「テクノロジーソリューション事業」の伸びで増収を確保してきた。
損益面では、営業損失となった2017年3月期以降は、積極的な研究開発や新製品開発をこなしながら営業利益率は4%台から6%台で徐々に改善してきた。2021年3月期及び2022年3月期は、増収に伴う収益の押し上げや製品ミックスの改善、販管費の最適化等により2期連続で高い利益率を確保したものの、2023年3月期以降は、「ブランド製品事業」が2期連続でセグメント損失を計上したことにより、全体の利益率も大きく低下した。
財務面では、IT資産の減損損失の計上により大幅な最終損失となった2017年3月期に自己資本比率はいったん低下したが、その後は内部留保の積み増しにより改善傾向にあり、60%に近づいてきた。ただ、2023年3月期以降は自己株式の取得等により低下傾向にある。資本効率を示すROEや事業活動の効率性を示すROICも高水準で推移してきた。2023年3月期は利益水準の落ち込みとともにいったん大きく低下したものの、2024年3月期は改善に向かい、余剰在庫削減の進捗によりキャッシュ・フローも改善した。「テクノロジーソリューション事業」の成長基盤の頑健性が高まってきたことを背景に、バランスシートの資本・負債の最適なリバランスにも目を配ることが可能となった。財務健全性の確保を前提に負債資本倍率(D/Eレシオ)は0.3~0.5倍程度とする負債レバレッジを活用することで、資本効率を意識した事業運営を進める方針を2023年5月時点で開示した。2024年3月期末時点では負債資本倍率が0.4倍弱となっていることからバランスは取れている。今後、在庫を中心とする運転資本の適切なマネジメント、事業利益の創出から生まれるキャッシュ・フローを投資と株主還元へ配分することによって、健全性が毀損されていないかどうかを計る重要な財務指標となるため、併せて注視していく必要がある。
■社会への取り組み
「ライフロング・インク」の提供を通じて、持続可能な社会に寄り添う
同社ではESGや持続可能な社会への取り組みを重視しており、「社会への取り組み」への基本的な考え方や具体的な活動を同社ホームページに開示している。特徴的なのは、同社のテクノロジーをビジョンとして掲げる「ライフロング・インク」と関連付けているところである。人が一生の間に積み重ねていく「書く/描く」体験を支え、未来に伝えていくことを通じて、持続可能な社会に寄り添っていくところに同社の存在意義や価値創造の源泉があると認識している。人々の日々はもちろん、クリエイティブからビジネス、教育の分野まで幅広い「ライフロング・インク」の可能性※を様々なコミュニティのパートナーとともに追求することで、ユーザーとともに同社自身の持続的な成長にもつなげるものと言える。
※ 例えば、教育分野であれば、学習中のペンの動きから生徒個人の学習特性を解析し、個人に合わせた学習環境を提供する「教育向けAIインク」をパートナーとともに開発している。
また、世界各地の拠点で生活する個々の社員とローカルコミュニティとの関わりを大切にするとともに、環境に配慮したオペレーションと商品開発にも取り組む。社会の未来像についても、1社だけでなく、アルスエレクトロニカ※1などのコミュニティとともに提案を続けていく。また、STEAM教育※2や探求型学習※3に対する技術サービスについても社会実装する方針である。
※1 世界的なクリエイティブ機関であるアルスエレクトロニカは、オーストリアを拠点に40年以上にわたり「先端テクノロジーがもたらす新しい創造性と社会の未来像」について提案を続けている。
※2 社会の潮流となりつつあるSTEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育を構成するArtの領域で、AI技術を活用してクリエイターの創作活動を可視化することにより創作活動の学びにつなげることが可能となる。
※3 例えば、Z会グループとの協業によりオンライン教育とデジタルペンを組み合わせて生徒個人のインクデータの軌跡をAI技術で解析することにより、論理的な思考能力の育成につなげるサービス提供を行っている。
気候変動への対応についても、環境経営における重要な課題として捉えており、気候変動イニシアティブ(JCI)へ参加し、CO2排出量を年率4%削減(基準年:2014年度)することにより、2030年度に達成すべきCO2排出量目標を公表している。そのなかで、温室効果ガスの削減とCO2排出量(Scope1、2、3)等の環境パフォーマンスの情報公開にも取り組むとともに、気候変動が事業環境に及ぼすリスクや機会の分析を踏まえた事業活動を行っている。また、サプライチェーン全体でのCO2排出量削減につながる行動を、「ワコムサプライヤー行動規範」への賛同と実践を通じて取引先にも要請している。そして、年々増加している水害などの自然災害により企業活動が制限されるリスクに対しては、BCPを策定し対応を進めている。それらを踏まえ、2023年4月13日にはTCFD(気候変動関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明した。また、2024年8月に、2024年3月期の温室効果ガス排出量データ(Scope1、2、3)の信頼性向上を目的として、国際基準に準拠した第三者検証による第三者保証報告書を取得するとともに、同年10月末には、2030年までを目指してグローバルで進めている温室効果ガス排出削減目標について、パリ協定の求める温室効果ガス削減の目標(産業革命前からの気温上昇を1.5℃に抑えるもの)に対して科学的根拠に基づき整合しているとの評価を得た。国際的な気候変動対策イニシアティブの1つSBTi(Science Based Targets initiative)において、SBT短期目標の認定取得が公開されている。
同社は、ESGを中心に統合報告書の要素も一部カバーする冊子として、同社の理念や社員の思い、ユーザーの声などを一連のストーリーとして伝える「Wacom Story Book」※を発行している(創刊号の発行は2023年5月)。
※ 同社が大切にしている価値観の紹介を皮切りに、同社の商品企画や技術開発の軌跡をチームメンバーが語るとともに、様々なコミュニティパートナーやアーティストの声、作品、事例なども掲載している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<HN>
「あんぱん」鉄子がのぶの引き抜きを希望、釜じいの咳は…気になる展開にネットも注目
パドレスのタティスが大谷翔平を巧妙に語る言い回しが話題「クリエーティブ」「おどけて生意気」
大谷翔平、昨季サイ・ヤングの最強左腕スクバルから中前打&先制のホームへ 追い込まれるも巧打
16日~17日 近畿は警報級大雨のおそれ 滝のような雨・落雷・突風などに注意
沖縄戦の悲劇の記憶継承を担う 舞台「ひめゆり」送り手の思い
大谷翔平の打席中、バッテリーの会話が放送 大谷の中前打に「F●●●」「あ~」と嘆く
「50歳で選挙に出ます」 資格芸人が政界進出計画を明かす
同居の母を殺害容疑 36歳息子を逮捕 遺体は首切断 兵庫県警
43歳2児ママドルがバスタオル1枚で“衝撃”体重公開「ドキドキ」「これは…好き」夫は芸人
「ほっとした」「存在感高まる」 日産工場移管、九州経済界は安堵
ガーシー、新田真剣佑の“ヤリ部屋事情”を暴露でネット衝撃「イケメンだけど酷い人間」
元セクシー女優上原亜衣、大胆に白黒ビキニ水着姿を披露「最高過ぎ」「スタイルすごい」
オフショ公開のアンゴラ村長「標準体型」黒ビキニ姿に「リアリティすごい」「なんちゅー格好」
【ネタバレ?】史実で見るキングダムの今後の展開まとめ〜中華統一までの全体像
ガーシー、佐野ひなこの暴露を示唆でネット騒然「ファンだったのに」
【Amazonプライムデー2025】先行セールは7月8日から!買い物を楽しむための事前準備まとめ
山田邦子が暴露「ひょうきん族」の楽屋で「ほとんど全裸」だったタレント「出したまま歩いてた」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
クルド人男性の強制送還報道にアイドル私見「差別でもなんでもなく当然」扇動は「とんでもない」
52歳ぶりっこタレントさとう珠緒、入浴ショットを大放出「目のやり場に困ります」「セクシー」
ガーシー、新田真剣佑の“ヤリ部屋事情”を暴露でネット衝撃「イケメンだけど酷い人間」
【Amazonプライムデー2025】先行セールは7月8日から!買い物を楽しむための事前準備まとめ
【ネタバレ?】史実で見るキングダムの今後の展開まとめ〜中華統一までの全体像
ガーシー、佐野ひなこの暴露を示唆でネット騒然「ファンだったのに」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
羽鳥慎一アナが自民議員に怒り&“ひとこと”で批判「運のいいことに能登で地震があった」発言
池袋・法律事務所で男性刺殺 容疑者は50歳同僚 「以前から恨み」
日焼けしたポチャッコがかわいい♪東京・原宿のハワイアンカフェ“HALEIWA”にて、ポチャッココラボカフェ7/11より開催!
再婚した旦那に不倫されてしまった飯島直子(51)衝撃的過ぎる黒歴史が発覚する事態に
小澤征悦と再婚した桑子真帆アナ(34)黒い過去が流出、衝撃の過去にネット騒然

ワコム Research Memo(4):テクノロジーソリューション事業の収益底上げとブランド製品事業の構造改革が奏功
ワコム Research Memo(1):2025年3月期上期は増収・営業増益。「ブランド製品事業」の構造改革を推進
ワコム Research Memo(4):2025年3月期上期は円安効果やOEM需要増により増収・営業増益
ワコム---テクノロジーソリューション事業の成長とブランド製品事業の構造改革を両立し、25年3月期は増益
ワコム---3Qは、テクノロジーソリューション事業の順調な業績とあわせ、ブランド製品事業の構造改革も推進
ワコム Research Memo(3):環境変化を捉えた商品ポートフォリオの組み替えや独自技術の事実上の標準化を推進
ワコム Research Memo(2):デジタルペンとインクの事業領域で顧客価値の創造を目指すグローバルリーダー
ワコム---大幅反発、ブランド事業の黒字化目途など評価し国内証券が目標株価上げ
ワコム Research Memo(3):前中期経営方針では商品ポートフォリオの組み替えや独自技術の事実上の標準化を推進
ワコム Research Memo(5):事業構造改革プランを完遂し、大幅な費用削減と再成長への道筋をつける