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NCD Research Memo(1):2024年1月に商号をNCDに変更。2024年3月期は増収増益で過去最高を更新


*13:01JST NCD Research Memo(1):2024年1月に商号をNCDに変更。2024年3月期は増収増益で過去最高を更新 ■要約

NCD<4783>(旧 日本コンピュータ・ダイナミクス(株)が2024年1月1日付で商号変更)は、1967年の設立以来57年の歴史を持つ独立系システム・インテグレータのパイオニアで、トータル・ソリューション・プロバイダーとしての成長戦略を推進している。IT関連のシステム開発事業(システム・インテグレーション)とサポート&サービス事業(サービス・インテグレーション)、及びITソリューションのノウハウを活用した無人駐輪場関連のパーキングシステム事業(パーキング・ソリューション)を展開し、経営の3本柱としている。IT関連事業は豊富な実績で培ったノウハウをベースに、安定した品質を担保するシステム開発やアウトソーシング・サービスを実現していることが強みだ。また大手優良企業との長期継続取引によって強固な顧客基盤を構築し、ストック売上比率が8割を超えて安定収益構造となっていることも特徴だ。パーキングシステム事業は、放置自転車問題の改善やCO2削減に貢献するビジネスであり、自社で管理運営する自営駐輪場及び自治体からの指定管理者として管理運営する指定管理を中心に、電磁ロック式の駐輪場設置台数として国内最大級を誇っている。

1. 2024年3月期は大幅増収増益で過去最高
2024年3月期の連結業績は売上高が前期比11.5%増の25,481百万円、営業利益が同76.9%増の2,115百万円、経常利益が同76.5%増の2,140百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同106.4%増の1,387百万円で、大幅増収増益だった。全セグメントが大幅に伸長し、人的資本投資による人件費増加やM&A関連費用などを吸収して過去最高業績だった。システム開発事業は同49.2%増益でセグメント利益率が同3.6ポイント上昇、サポート&サービス事業は同21.0%増益でセグメント利益率が同0.8ポイント上昇した。パーキングシステム事業は同57.1%増益でセグメント利益率同が5.4ポイント上昇し、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)前を上回る水準に上昇した。コロナ禍に伴う行動制限が解除されたことで駐輪場利用が想定以上に回復したことに加え、価格改定や業務効率化などBPR(Business Process Re-engineering=業務改革)の成果も寄与して収益性が大幅に上昇した。この結果、同社の営業利益率は同3.1ポイント上昇して8.3%となった。

2. 2025年3月期は小幅増益予想、さらに上振れの可能性
2025年3月期の連結業績予想は売上高が前期比9.9%増の28,000百万円、営業利益が同4.0%増の2,200百万円、経常利益が同2.8%増の2,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.5%増の1,450百万円としている。小幅ながら増収増益予想としている。IT関連事業の好調やパーキングシステム事業の収益性向上などにより、人的資本拡大や先行投資などによるコスト増加を吸収する見込みだ。システム開発事業は同1.7%増益、サポート&サービス事業は同0.2%減益、パーキングシステム事業は同25.8%増益の計画としている。IT関連事業は受注拡大により大幅増収だが、利益面では不透明感やコスト増加の影響を見込んでいる。パーキングシステム事業は価格改定継続や不採算案件の縮小などにより大幅増益を見込んでいる。会社予想は小幅増益にとどまる見込みとしているが、IT関連事業では企業のDX投資などで受注が引き続き高水準に推移すると予想されること、NCDサービスモデルの進展によって収益性が上昇基調であること、パーキングシステム事業では価格改定や業務効率化などBPRの成果によって一段の収益性向上が期待されることなどを勘案すれば、会社予想は保守的な印象が強く、弊社では上振れの可能性が高いだろうと考えている。

3. 中期経営計画「Vision2026」の目標数値を上方修正
同社は中期経営計画「Vision2026」において当初、目標数値を最終年度2026年3月期の売上高26,000百万円、営業利益1,800百万円、営業利益率6.9%、ROE15%以上としていたが、各事業の想定以上の売上拡大や収益性向上、(株)ジャパンコンピューターサービス(以下、JCS)子会社化などにより、初年度の2024年3月期に売上高、営業利益とも目標数値を上回ったため、2026年3月期の目標数値を上方修正して売上高30,000百万円、営業利益2,400百万円、営業利益率8.0%、ROE20%以上とした。下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「2024年3月期は当初計画以上に収益性が向上し、中期経営計画の当初の最終年度目標数値(売上高以外)を前倒しで達成することができた。長期ビジョンで掲げた2032年の目標数値の達成も現実的になってきたと考えており、引き続き各種取組を着実に推進することで一段の収益性向上を目指していきたい。また企業価値のさらなる向上に向けて株主還元充実やIR活動強化も推進していきたい。」と意気込みを語っている。中期経営計画の進捗は極めて順調と弊社では評価している。

■Key Points
・システム開発事業、サポート&サービス事業、パーキングシステム事業が3本柱
・2024年3月期は大幅増収増益で過去最高
・2025年3月期は小幅増収増益予想だが保守的
・中期経営計画「Vision2026」の目標数値を上方修正
・2024年3月期の収益性大幅向上を評価、中期経営計画の進捗に注目

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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