QPS研究所:世界で数社しかない小型SAR衛星の開発・運用技術をもつ
天候に左右されず24時間地表を観測できるSAR衛星は、光学衛星に対する高いアドバンテージがあるにも関わらず、小型化が困難であるため製造・打上げコストが高くなりやすいという課題がある。同社は宇宙空間で展開可能な「展開式パラボラ型アンテナ」を開発したことでこの課題を解決し、世界でも数社しかいない小型高精細SAR衛星によるビジネスを展開している。また広面積かつ低質量のパラボラ型アンテナにより、高分解能と軽量化、低コスト化を同時に実現しており、同社小型SAR衛星は日本で初めて50センチ以下の高分解能を実現している。国内には小型SAR衛星プレーヤーとしてもう1社Synspective社もあるが、同社の分解能は100センチとなっている。
世界のSAR衛星関連市場は拡大していくことが想定されており、その市場規模は2027年には1兆円に達するとの見方もある。現在の用途は安全保障分野がメインであるが内閣府では様々な省庁と衛星事業者を繋ぐことで、小型衛星コンステレーションの技術開発を支援しており、現在省庁と連携して小型SAR衛星を活用した、迅速な災害対応や国土管理、海洋監視等の実証を進めている。災害大国である我が国においてはSAR衛星の特性を生かした災害対応の実現も期待される。
業績については24年5月期は売上高は前期比340%増の1,640百万円、営業利益は290百万円を計画している。運用するSARS衛星は24年5月期末で3機であるが、25年5月期末には8機、28年5月期末には24機を計画しており、運用衛星数の増加をドライバーとして中長期的に高成長が続くことが期待される。
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