メイホーHD Research Memo(1):中小企業経営支援プラットフォームを核として実業を営む中小企業集合体を形成
メイホーホールディングス<7369>は「変わる勇気が、未来を変える」を合言葉に、中小企業経営支援プラットフォームを核として実業を営む中小企業集合体を形成している。地域に根差した企業へのM&Aを積極的に行い、能動的に主体的に生きることが一人ひとりのしあわせにつながることを共有する企業文化を形成することを目指している。
1. グループインした企業の経営効率化・人材支援・業務連携などをサポート
同社は中小企業の経営を支援するプラットフォーマーとして、M&Aによって成長意欲の高い中小企業と資本提携し、地方を長年支えてきた企業の全国ネットワークを構築している。グループインした企業には中小企業経営支援プラットフォームを通じて経営効率化、人材支援、業務連携などをサポートし、グループ企業の「稼ぐ力」を高めている。また、各企業で働く人々に安定した職場の提供や所得の向上をもたらし、さらには地域創生に貢献することを目指している。グループインした企業にとっては経営基盤構築、セグメント内さらにはセグメントや地域を超えてのシナジー構築に加えて、グループの信用力を活用した資金調達が可能になるなどのメリットがある。
2. 公共事業関連が中心で収益は安定
同社グループは2024年6月期第2四半期末時点で、純粋持株会社の同社を含めて22社で構成されている。セグメント区分は、建設コンサルタント業務を中心とする建設関連サービス事業、人材派遣や警備業務を中心とする人材関連サービス事業、公共工事を中心とする建設事業、通所介護(デイサービス)等を運営する介護事業である。基本的には建設関連サービス事業と建設事業は公共事業関連、介護事業は介護保険制度関連を主力としているため収益に比較的安定性があり、人材関連サービス事業も大手ゼネコン向け建設技術者派遣を継続的に受注しているため安定収益源となっている。
3. 2024年6月期第2四半期累計はM&A関連の一時費用の発生により各利益で損失
2024年6月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比29.4%増の4,383百万円、営業損失が14百万円(前年同期は166百万円の利益)、経常損失が96百万円(同169百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が174百万円(同81百万円の利益)だった。売上面は今田建設ホールディングス(株)の新規連結により期初計画を583百万円上回る大幅増収だったが、利益面はM&A関連の一時費用の発生により、営業利益は計画を154百万円、経常利益は236百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は244百万円、それぞれ下回り損失となった。なお、今田建設ホールディングスの新規連結の影響を除いた業績は、前期比で売上高が641百万円増の4,027百万円、営業利益が31百万円減の135百万円、経常利益が35百万円減の134百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が30百万円減の51百万円だった。建設事業において原価回収基準を適用した複数の工事の影響により減益となったが、おおむね計画どおりであった。
4. 2024年6月期も一時費用の影響で減益予想
2024年6月期の連結業績(2024年2月13日付で修正)は、売上高が前期比42.5%増の10,500百万円、営業利益が同28.6%減の330百万円、経常利益が同53.6%減の230百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同81.5%減の50百万円を見込んでいる。今田建設ホールディングス及びイギアルホールディングス(株)の新規連結に伴い、期初計画に対して売上高を2,500百万円上方修正したが、利益については営業利益を170百万円、経常利益を300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を250百万円、それぞれ下方修正した。M&A関連の一時費用の発生が影響するが、各事業領域における既存グループ企業の業績はおおむね好調に推移する見込みである。
5.「三段ロケット推進方式」により、中長期的に売上高1,000億円を目指す
同社は中期経営計画を公表していないが、成長戦略として既存事業会社の成長、既存セグメント内の新たなM&Aによる成長、既存セグメント以外のM&Aによる成長という「三段ロケット推進方式」による成長を目指している。成長プラットフォームの基盤を強化するための目標売上高100億円は2024年6月期に達成する見込みだ。当面は既存グループ企業のオーガニック成長や持株会社の社内管理体制充実など基盤固めの時期と考えているが、中長期目標の売上高1,000億円の達成に向けて、今後も、成長プラットフォーム基盤の一層の強化、グループとしてのさらなる一体感の醸成、メイホーグループの知名度向上といった基本戦略を着実に推進する考えである。
■Key Points
・中小企業経営支援プラットフォームを核とする中小企業集合体。公共事業関連の建設関連サービス事業、建設事業、及び大手ゼネコン等向け人材関連サービス業が中心で収益は安定
・2024年6月期第2四半期累計はM&A関連の一時費用の発生により各利益で損失
・2024年6月期通期も一時費用の影響で減益予想
・「三段ロケット推進方式」により、中長期的に売上高1,000億円を目指す
・中長期成長ポテンシャル大きく、中小企業経営支援プラットフォームの成果に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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