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KeyH Research Memo(7):2023年12月期は通期で増収増益を見込む(1)


*17:07JST KeyH Research Memo(7):2023年12月期は通期で増収増益を見込む(1) ■今後の見通し

1. 2023年12月期の業績見通し
KeyHolder<4712>の2023年12月期通期の連結業績は、売上収益で前期比8.8%増の24,000百万円、営業利益で同8.6%増の2,200百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同6.5%増の2,000百万円と引き続き増収増益の見通しである。

総合エンターテインメント事業においては、各種イベント及びライブ等の開催と併せてファン層の購買意欲も堅調である。また、映像制作事業においても「千鳥の鬼レンチャン」のレギュラー化を皮切りに、10月以降の番組改編期においてレギュラー化番組を増やし、業績の拡大を図る。広告代理店事業については、乃木坂46の公式ライバルである女性アイドルグループ「僕が見たかった青空」が始動し、セブンイレブンの一部商材におけるイメージキャラクターに就任するなど、業績に寄与する動きを進めている。目下、インターネット広告事業やインターネットメディア事業のさらなる基盤強化及び規模拡大に向けてYouTube及びTikTok向けデジタル動画広告も手堅く、各セグメント業績も上期同様に堅調であることから、2023年12月期予想達成の見通しは明るいものと同社は考えている。

(1) 総合エンターテインメント事業
ライブ・エンターテインメント部門について既存アイドルグループやアーティストによる下期業績に寄与するライブやイベント、そのほかの取り組みを実行していく。乃木坂46については、上期に比べると数こそ減少するものの、引き続きイベントの開催や5期生を含めた積極的な活動を展開する。既に7都市全16公演の「真夏の全国ツアー2023」を開催、恒例となっている最終の明治神宮球場における4日間の公演、2023年8月には33rdシングル「おひとりさま天国」をリリースし、同アンダーライブ※も開催した。

※アンダーライブとは、乃木坂46が発売するシングル曲を歌う選抜メンバーに選ばれなかったメンバーのみで実施されるライブのこと。


SKE48は、これまで以上に全国区へ広がる活動を推進するとしている。2022年から開始されたSKE48における各チーム別の新公演の実施も、チームS、チームKIIに続き、チームEによるオリジナル新公演「声出していこーぜ!!!」を開催し、2023年8月には「SUMMER Tour 2023」6都市全14公演を開催した。同年10月にはデビュー15周年を記念したコンサート「SKE48 15th Anniversary Festival 2023」を開催した。またSKE48がリリースした楽曲の中からファンが選んだ上位100位の楽曲を実際にライブで披露する「SKE48 リクエストアワーセットリストベスト100 2023」も5年ぶりの大規模開催となった。

男性5人組ロックバンドNovelbrightは、既に大型の音楽イベントへの出演や「ビルボードライブ・ツアー」を開催した。このほか全国19都市を廻る全国ツアーの最終公演で、グループ結成10周年を記念した大阪城ホール公演と横浜アリーナ公演をそれぞれ開催した。

俳優としての評価が上がっている若月佑美や生駒里奈、小栗有以のほか、TikTokのフォロワー数700万人を誇る元ハンドボール日本代表キャプテンの土井レミイ杏利などの複数の所属アーティスト、タレントも、活躍の幅を拡げており、引き続き積極的な活動を展開していく。

デジタルコンテンツ部門については、「乃木恋」や「ひなこい」などのスマートフォン向けのゲームアプリに関わる支援を継続する一方で、同社グループで保有する自社IPコンテンツを含めた新たなアプリ開発や支援にも積極的に取り組むなど、様々なアプリ関連の案件においてプロモーションや企画制作の面で携わることで、さらなる事業規模の拡大を目指している。

(2) 映像制作事業
各テレビ局からの依頼に基づく制作案件を積極的に継続してきたことで、バラエティ番組では、企画・制作力を生かして「千鳥の鬼レンチャン」を含む新レギュラー番組4件を放送している。これらの実績が評価され、フジテレビが夏の特番として4年ぶりに「FNS27時間TV鬼笑い祭」(2023年7月22日、23日放送)を企画し、「千鳥の鬼レンチャン」をベースとした制作に携わった。各視聴率指標において全指標でトップとなった。10月以降の番組改編期にもさらなるレギュラー化が決定している番組があるなど、引き続き大型案件も含めて実績を伸ばしている。

そのほか、週間漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載している人気コミック「君は放課後インソムニア」をUNITED PRODUCTIONSの企画・製作により実写映画化し2023年6月より全国公開した。また、同作品がカナダのモントリオールにて同年7月より開催された「Fantasia International Film Festival(第27回 ファンタジア国際映画祭)」のオフィシャルセレクションとコンペティションの2部門で出品上映がされ、評価を受けた。このほか、全世界190ヶ国以上で「トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~(Netflix)」のシーズン2の配信が開始しており、引き続き制作プロダクションとして業容の拡大に向け多くの制作案件に携わる予定である。

映像制作スタッフの派遣事業についても安定的に映像制作会社への派遣を行う一方で、クリエイター人材の確保と養成・育成にも引き続き取り組む。

UNITED PRODUCTIONSはグローバル基準の映像作品とのコネクション作り及び将来の制作案件受注に向けて、2023年4月にTOKYO ROCK STUDIOを設立した。グローバルスタンダードな映像制作現場のバックオフィス業務、制作経理業務を行うことを目的としたもので、2024年12月期からの業績寄与が期待される。国内に多数存在する優れたオリジナル原作をグローバルに向けて展開できる作品を制作するため、創業メンバーに強力なプロデューサー陣を編成し様々な案件情報に対するアンテナを張るほか、脚本家を中心としたライターズルームを開設しオリジナル原作からの品質アップを図る。

直近では米国のHBO MaxとWOWOWが共同製作している「TOKYO VICE」のシーズン2に関する業務を行っており、バックオフィス機能とクリエイティブ機能を併せ持つ映像コンテンツ制作会社としてソリューションを提供している。2023年10月からも新たにレギュラー番組が増える見込みで、下期に向けても上積みが期待できる。同じ映像制作会社(特に独立系の映像制作会社)が年間でレギュラー番組を複数獲得することは稀であり、さらにそれが複数年で継続できていることは、企画力や制作力を各放送局に充分に評価されている表れと同社は考えており、今後も強化する方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清野克純)

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