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リソル Research Memo(1):ホテル復活の年、2024年3月期は業績大幅回復へ


*15:01JST リソル Research Memo(1):ホテル復活の年、2024年3月期は業績大幅回復へ ■要約

1. コロナ禍にはホテル運営事業の低迷を事業ポートフォリオでカバー
リソルホールディングス<5261>は、運営と投資再生という2つの軸を持ち、ホテル運営事業、ゴルフ運営事業、リソルの森(CCRC)事業、福利厚生事業、再生エネルギー事業、投資再生事業の6事業を多角的に展開している。同社の事業セグメントは一見ばらばらのようだが、事業ポートフォリオをベースにしたシナジーモデルが大きな特徴となっている。施設の運営と投資再生を軸に事業間シナジーを発揮することで、顧客に高い利便性やより大きな満足といった付加価値を提供し、それぞれの業界で差別化を図っている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の期間はホテル運営事業が低迷したが、投資再生事業でカバーするなど、多角的に事業展開する強みを発揮し、収益を維持することができた。

2. サステナビリティ経営による価値創造に向け、SDGsの達成を目指す
ホテル運営事業では、滞在期間や利用目的など多様化する宿泊ニーズに合わせ、“ホテルリソル”をはじめ多彩なブランドで宿泊施設を運営している。ゴルフ運営事業は顧客ニーズに合わせた企画・サービスが好評で、コロナ禍を経て若者や女性、70代~80代のシニアの利用が増えてきた。リソルの森(CCRC)事業では、2020年に「Sport & Do Resortリソルの森」をフルリニューアル、既存施設の改修やグランピング施設の拡充などによって、より上質のリゾートライフを提供している。再生エネルギー事業では、グループゴルフ場3ヶ所で「ソーラーカーポート」の稼働を開始した。投資再生事業では、新規に4ゴルフ場を取得するとともに、「福島石川太陽光発電所第二設備」の信託受益権を一部売却した。同社は、サステナビリティ経営による価値創造へ向け、長期方針である「3つのやさしい」を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)を達成していく考えである。

3. 社会経済活動が正常化するなか、2023年3月期はホテルはじめ運営事業が順調に回復
2023年3月期の業績は、売上高22,061百万円(前期比5.5%増)、営業利益324百万円(同52.7%減)となった。同社は各事業においてサービス体制を強化し顧客満足度の向上を図るとともに、ゴルフコースに隣接した眺望抜群のヴィラでプライベート空間と開放感が同時に楽しめる「フェアウェイフロントヴィラ事業」、1泊から長期滞在まで多目的に楽しめる貸別荘の「リソルステイ事業」、脱炭素ニーズを見据えた「ソーラーカーポート事業」に積極的に取り組んだ。コロナ禍から社会経済活動が正常化するなか、国内旅行やインバウンド需要が立ち上がり始め、組織体制を強化したホテルをはじめとする運営事業が順調に回復し、売上高は増収を確保した。一方、光熱費や食材など原材料コストの高騰から営業減益となった。

4. 2024年3月期はホテル運営事業のみならず、宿泊を伴う事業全般が収益押し上げへ
2024年3月期の業績について同社は、売上高23,500百万円(前期比6.5%増)、営業利益1,400百万円(同331.8%増)と大幅増益を見込んでいる。社会経済活動の正常化に「全国旅行支援」といった政策やインバウンド需要の回復が重なり、まさにホテル復活の年となりそうだ。このためホテル運営事業のみならず、宿泊を伴うゴルフ運営事業やリソルの森(CCRC)事業、福利厚生事業による収益押し上げが期待される。ホテル運営事業では、女性客や観光客に選ばれる“ツーリストホテル”への転換を目指し、「物語のあるホテル」を新コンセプトにサービスや品質の向上に取り組んでいる。足もとでは一部エリアでコロナ禍以前の水準に戻りつつあるようだが、中国からのインバウンドが加われば、コロナ禍以前を一気に上回る可能性もある。

■Key Points
・事業ポートフォリオをベースにしたシナジーモデルでサステナビリティ経営を実践
・社会経済活動が正常化するなか、ホテルはじめ運営事業全般が順調に回復
・2024年3月期はインバウンド需要回復などを背景にホテル復活の年、大幅増益へ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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