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リソー教育 Research Memo(6):幼児教育事業は顧客満足度の低下を改善するための体制強化に取り組む


*12:26JST リソー教育 Research Memo(6):幼児教育事業は顧客満足度の低下を改善するための体制強化に取り組む ■リソー教育<4714>の業績動向

2. セグメント別動向
(1) 学習塾事業
学習塾事業の売上高は前期比4.4%増の16,520百万円と2期連続で過去最高を更新したものの、人件費やその他経費の増加により営業利益は同9.7%減の1,114百万円となった。期末時点の生徒数は前期末比0.7%減と若干ながら減少に転じた(第2四半期末時点では前年同期比2.0%増)。主力の小学生は順調に増加したが中学生が横ばいに留まり、高校生が減少した。高校生については総合選抜・推薦入試で大学に進む生徒が増加し、卒塾時期が早まっていることが減少要因になっていると考えられる。期中平均生徒数では微増になったと見られ、生徒当たり売上単価も受講数の増加により上昇したことが増収要因となった。

校舎展開については、「TOMAS」を2022年3月に3校、2023年1月と2月に各1校開校したほか、増床リニューアルを7校で実施した。また、「インターTOMAS」を2022年5月に1校開校し、期末時点の校舎数は学習塾(TOMAS、メディックTOMAS、Spec.TOMAS)で前期末比5校増の98校、英会話塾の「インターTOMAS」で同1校増の12校となった。なお、「Spec.TOMAS」については開校以来、初めて受験生(7名)の合格実績が明らかとなり、好成績だったことから今後の生徒数増加が期待される。

(2) 家庭教師派遣教育事業
家庭教師派遣教育事業の売上高は前期比1.5%減の5,067百万円と2期ぶりに減少に転じ、営業利益については同19.0%減の286百万円と3期連続の減益となった。地方における少子化進行に加えて、新たに立ち上げた「メディック名門会」の生徒募集活動にリソースを集中させた影響もあって「名門会」「TOMEIKAI」の生徒募集活動が停滞し、期末時点の生徒数は前期末比9.5%減(第2四半期末時点では前年同期末比6.0%減)となり減収要因となった。

利益面では、「メディック名門会」の先行投資費用増が主な減益要因となった。「メディック名門会」は、医学部受験生を対象とした完全個別指導の医学部受験専門予備校で、勉強全般のサポートだけでなく、学生寮を完備しコンシェルジュによる生活管理・メンタルサポート、モチベーションフォローなども行うなど、志望校合格に向けてフルサポート体制で徹底的にバックアップすることが特徴となっている。生徒数は計画通り獲得でき、順調な滑り出しを切った。

校舎展開については、「名門会」で2022年10月に1校開校したほか、リニューアルを2校で実施した。また、「メディック名門会」を3月(大阪本部校)と4月(神戸校)に開校した。期末時点の校舎数は「名門会」が前期末比2校増の37校、「TOMEIKAI」が横ばいの12校、「メディック名門会」が2校となった。

(3) 幼児教育事業
幼児教育事業の売上高は前期比3.7%減の5,783百万円、営業利益は同40.1%減の707百万円と減収減益に転じた。期末生徒数は「伸芽会」が前期末比11.9%減と減少したものの、「伸芽’Sクラブ学童」が同16.9%増と好調に推移し、「伸芽’Sクラブ託児」も同0.7%増と堅調を持続した。

「伸芽会」については、コロナ禍で徹底した対策を施した運営体制が評価され、2021年に生徒数が増加して売上高が伸長したが、生徒数の増加に見合うだけの人員体制の強化が遅れたことでサービス品質が低下し、結果的に2023年2月期に生徒数が減少する要因となった。利益面でも収益性の高い「伸芽会」の生徒数が落ち込んだことや、サービス品質を改善するための人員体制の強化を図ったことが減益要因となった。ただ、現状は一定のサービス品質を確保できる体制が整い、また陣頭指揮を執る社長も交代したことで2024年2月期には収益を回復させる見通しとなっている。

校舎展開については「伸芽’Sクラブ学童」を2022年4月に1校(コナミスポーツ伸芽’Sアカデミー品川校)、8月に1校(晴海トリトン校)それぞれ開校したほか、「伸芽’Sクラブ託児」を8月に1校(晴海トリトン校)開校した。期末時点で「伸芽会」は前期末比横ばいの24教室、「伸芽’Sクラブ学童」は同2校増の19校、「伸芽’Sクラブ託児」は同1校増の8校となった。

(4) 学校内個別指導事業
学校内個別指導事業の売上高は前期比17.7%増の2,699百万円と過去最高を更新したものの、営業利益は人員体制の強化に伴う人件費増により同39.9%減の21百万円となった。稼働校数や稼働学年数の拡大により受講生徒数が順調に増加した(稼働校数で86校)。

(5) 人格情操合宿教育事業
人格情操合宿教育事業の売上高は前期比53.0%増の1,565百万円とコロナ禍前の水準近くまで回復し、営業利益も10百万円(前期は39百万円の損失)と3期振りの利益に転じた。情操分野を育む体験型ツアーの開催数及び参加者数が回復し増収要因となった。また、「TOMAS体操スクール」を新たに2校開校し10校体制となった。「TOMASサッカースクール」は新規開校がなく6校である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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