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ファンペップ Research Memo(7):当面は研究開発費が先行し、営業損失が続く見通し


*15:17JST ファンペップ Research Memo(7):当面は研究開発費が先行し、営業損失が続く見通し ■業績及び財務状況

1. 業績動向
(1) 2022年12月期の業績概要
ファンペップ<4881>の2022年12月期の連結業績は、事業収益が1百万円、営業損失が1,169百万円、経常損失が1,175百万円、親会社株主に帰属する当期純損失が1,172百万円となった。前期の単体実績と比較すると事業収益で125百万円減少し、営業損失で424百万円、経常損失で495百万円、親会社株主に帰属する当期純損失で490百万円それぞれ拡大したことになる。

事業収益は前期に計上した「SR-0379」のマイルストーン125百万円がなくなったことが減収要因となり、機能性ペプチドの販売額1百万円を計上した。費用面では、研究開発費が「SR-0379」の第3相臨床試験費用の増加並びに抗体誘導ペプチド開発費用の増加により前期比250百万円増加の912百万円となった。また、販管費はAAPの子会社化に伴う償却費(契約関連無形資産及びのれんの償却)の増加9百万円や人件費の増加等に主因として同48百万円増の257百万円となった。なお、期末の従業員数は前期末比1名減の16名(派遣社員2名含む)、うち研究開発人員は9名となっている。

(2) 2023年12月期の業績見通し
2023年12月期の業績見通しについては、同社グループの事業収益が研究開発の進捗状況や新規提携先候補先等との交渉状況等によって大きく変動する可能性があるため、現時点では合理的に見積もることは困難なことから未定としている。事業方針について研究開発面では、「SR-0379」「FPP003」の臨床試験結果を踏まえて提携先との間で各プロジェクトの開発方針について協議を進めていくとともに、「FPP005」の第1相臨床試験、「FPP004」及び片頭痛を対象疾患とした前臨床試験を開始する予定にしている。また、新規候補化合物の開発も並行して進めていく予定で、研究開発費としてはほぼ前期並みの900百万円を計画している。一方、販管費については人件費を中心に前期比42百万円増加の300百万円を見込んでいる。人員については研究開発部門を中心に5名程度の増員を計画している。


事業活動資金は2~3年分を目安に確保すべく、資金調達については適宜実施
2. 財務状況
2022年12月期末の連結財務状況を見ると、資産合計は前期末の単体残高と比較して(以降、前期末比)372百万円減少の2,992百万円となった。流動資産では、現金及び預金が761百万円減少したほか、前渡金が166百万円減少した。固定資産では有形固定資産が8百万円増加したほか、AAPの子会社化に伴いのれん125百万円と契約関連無形資産371百万円を計上した。また、東京オフィス移転先への敷金差入れにより差入保証金が3百万円増加した。

負債合計は前期末比109百万円増加の298百万円となった。AAPの子会社化に伴い固定負債として繰延税金負債122百万円を計上したことが主因だ。また、純資産合計は前期末比481百万円減少の2,694百万円となった。新株予約権の行使等により資本金が124百万円、資本剰余金が567百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する当期純損失1,172百万円の計上が減少要因となった。なお、同社は期末時点で繰越利益剰余金の欠損額が2,678百万円となっていることから、財務体質の健全化を図ることを目的として2023年3月に資本準備金2,678百万円を取崩し、欠損額を処分することを発表している。

2022年12月期末の現金及び預金の残高は2,245百万円となっている。同社では今後も開発ステージが続くことから、研究開発を中心とした事業活動のための手元資金について2~3年分を目安に確保しておきたい意向であり、当面は株式市場から資金調達を進め、事業活動資金を賄っていくことにしている。2021年12月に発行した第三者割当による第9回新株予約権については、2023年に入って12千個(株式数で120万株相当)が行使され、新たに240百万円を調達している(2023年2月末時点)。同新株予約権の未行使数は18,829個で、すべて下限行使価額の200円で行使したとすれば残り376百万円を調達できることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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