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サクシード Research Memo(11):社会のニーズに応じてバランスのよい成長を目指す


■サクシード<9256>の成長戦略

2. 事業別の中期成長イメージ
個別指導教室では、コロナ禍で抑制していた出店を2023年3月期に再開した。今後もドミナント戦略に基づいて、神奈川県を中心に子どもが増えている首都圏ニュータウンエリアに積極的に出店する方針である。また、神奈川県以外でも店舗開発業務の担当者を増員し、不動産会社とのネットワークやディベロッパーとの提携を進めて新規商圏の調査分析や売上予測を強化していく。こうした施策に加えて上場による知名度上昇をテコに、当面の目標となりそうな100店に向け、出店ペースを現在の年間4~5店から加速していく計画である。また、ニーズの強まっている学童保育については、人材サービスと自社運営の「ペンタスkids」の両面で拡充していく考えである。さらに家庭教師事業については、新たな形態のサービスであるオンライン家庭教師が、同社、保護者、講師の3者3得のビジネスモデルになっているため、想定以上のスピードによる市場拡大が見込まれる。このため同社は、Web広告などプロモーションの強化によって全国的な認知度を上げ、トップシェアを目指して生徒数を年間15%増加させていく計画である。さらに、オンライン家庭教師の対応エリアを全国に拡大、海外展開も視野に入れる。また、プロモーション強化に伴う問い合わせの増加に対しては、テレマーケティング部門と入会営業部門の人員体制を強化していく予定である。

教育人材事業と福祉人材事業では、公民連携事業に積極的に参加していくことで売上高を年間20%増加させる方針である。全国の案件に参加できるよう入札参加者登録を進めるとともに、入札情報の収集を強化して入札・プロポーザル参加数を拡大、受託実績を積み上げることで知名度を高め、他の自治体からの紹介につなげていく。また、自社の単独受注のみならず、案件を受託した協業先とのネットワークを強化し、間接的にも公民連携事業への参加実績を積み上げていく。学校教員の喫緊の課題解消に向けて外部委託を考える学校や自治体が全国的に広がりつつあり、また、学校や自治体は一度サービスを導入すると使い続ける傾向があるため、同社は先行の優位性や上場企業としての知名度を生かして、学校や自治体に積極的に切り込んでいく方針である。このように、3つの成長戦略を実行することで、中長期的に教育サービスも人材サービスも、社会のニーズに応じてバランスよく成長を続けていくことが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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