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TDSE Research Memo(5):「大規模×長期化」に向けたフロー強化は継続


■今後の見通し

● 2023年3月期の業績見通し
TDSE<7046>の2023年3月期の業績は、売上高2,020百万円(前期比17.2%増)、営業利益220百万円(同0.9%増)、経常利益220百万円(同0.2%増)、当期純利益124百万円(同15.8%減)を見込んでいる。

引き続き「大規模×長期化」につながる顧客との接点を増やし、フロー型ビジネスであるコンサルティング及びAIシステム実装のコンサルティングを強化するほか、デジタルマーケティング及びパートナーネットワークの強化を実施することで売上高の伸びを見込んでいる。一方で、単年度ではなく長期に成長していくために、ストック型ビジネスにおいて既存製品のサービス拡張及び新サービスの提供に向けた人材採用や最新技術のキャッチアップ、研究開発が重要である。成長投資の割合を増加させるため、営業利益、経常利益については微増を見込んでいる。AIビジネス市場やDX市場の成長余地は大きく、長期成長に向けた投資に伴う2023年3月期の微増益についてはネガティブに捉える必要はないと、弊社では考えている。

なお、同社の成長のカギを握るポイントは(1)データサイエンティストの確保(2)ストック型ビジネスの拡大に向けた具体策の実行(3)フロー型ビジネスにおけるコンサルティングサービスのさらなる「大規模×長期化」の追求の3つに集約される。

(1) データサイエンティストの確保
同社は2022年から新卒採用の専門組織を立ちあげた。2024年卒の採用に取り組みの成果がでることが期待されるほか、中途採用についてもさらに強化していく方針を示している。中途人材については、業界全体として賃金の高騰が続き採用が難化していることもあり、新卒の育成能力によって企業の明暗が分かれてくることになりそうだ。そうした際に、同社は創業以来培ってきた、300を超える解析ノウハウなどのライブラリー「scorobox」を有していることもあり、同業他社と比較しても早期育成には一日の長があると弊社では考えている。

(2) ストック型ビジネスの拡大に向けた具体策の実行
ガイアックス、ゴンドラとの販売パートナー契約の締結により製品の認知度向上をさらに進めつつ、拡販能力を高める取り組みを着実に進めてきており、引き続き動向に注目したい。また、シミックソリューションズとの医療領域のDX推進における「Cognigy」の販売パートナー契約の締結により、デジタル問診やバーチャル診療などのサービスが可能になると見られるなど、これら拡販以外に、独自に追加サービスの創出ができると事業インパクトが大きく増す可能性がある点にも期待したい。

(3) フロー型ビジネスにおけるコンサルティングサービスのさらなる「大規模×長期化」の追求
2023年3月期第1四半期の売上高の大きな伸びを見ても明らかなとおり、「大規模×長期化」の傾向は継続していると弊社では考えている。特に流通小売のニーズ取り込みは、大手アパレル会社を筆頭に好調だ。パートナー活用も前年同期から増加しているが、これは長期的な成長のための研究開発に割く余裕を生むことにも繋がるため、ポジティブな流れが生まれていると言えよう。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)


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