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エノモト Research Memo(9):2023年3月期もパワー半導体向けリードフレームがけん引


■業績動向

3. 2023年3月期の業績見通し
エノモト<6928>は2023年3月期業績予想について、売上高28,600百万円(前期比5.0%増)、営業利益2,200百万円(同9.3%増)、経常利益2,200百万円(同7.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,650百万円(同6.8%増)を見込んでいる。日本経済は、コロナ禍の影響が発生初期と比較して限定的となったものの、ウクライナ情勢によるエネルギーや金属資源の高騰など新たな不透明要因が生じている。電子部品業界は、EVなど自動車の電動化やADAS技術の発展、政府によるDX推進策を背景とした5GやIoTを支えるデータセンターや基地局など情報処理関連施設の建設増、クリーンエネルギーにおけるパワーマネジメントの需要増などにより、パワー半導体が強い追い風を受けている。このため、コロナ禍や半導体・原材料の供給不足によるサプライチェーン全体の停滞などが引き続き懸念されるが、同社の2023年3月期業績もパワー半導体向けリードフレームなどがけん引していくことが予想される。

同社は品質向上とコスト低減を目的に製造工程の自動化・効率化を推進する一方、強みである金属と樹脂の精密複合加工技術をベースに新たな顧客を積極的に開拓するなど、引き続き収益向上に取り組んでいる。過去数年同社の業績をけん引したスマートフォン向けコネクタの需要は高止まりしているものの、車載向けなどパワー半導体向けリードフレームのマーケットは拡大している。このような環境下、同社はIC・トランジスタ用リードフレームで、クリップボンディングリードフレームが車載やデータセンター、産機向けに引き続き需要が強いため増強投資を行っており、2022年3月期末頃から部品の採用で後発となった日系メーカー向けの販売が収益寄与する見込みである。また、より電流の流せる炭化ケイ素や窒素ガリウムといった素材を使ったパワー半導体が普及し始めており、クリップボンディングリードフレームの需要が広がる可能性が高まったと考えられる。オプト用リードフレームも需要は根強いが、中国向けがやや軟調となりそうである。コネクタ用部品は、スマートフォンの新機種発売のタイミングなどから、通常は上期が強気で下期が弱気になるが、上海のロックダウンにより、弊社では2023年3月期は上期を弱気、下期を強気に見ている。得意の超精密コネクタは、スマートフォンからウェアラブル、電源系に用途を広げており、マーケットが広がる状況になってきた。以上から、2023年3月期も好業績が続く見込みである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)


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