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ケアネット Research Memo(6):2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す


■中期経営ビジョン

1. 中期経営ビジョンの概要
コロナ禍によって医療・製薬業界におけるDXが加速するなか、ケアネット<2150>は創業25年目となる2021年を「第二創業」と位置付け、今後の飛躍的な成長を目指すための中期経営ビジョンを2021年5月に発表した。経営理念として「デジタル時代のサステナブルな健康社会づくりに邁進する」ことを掲げ、現在の主力事業である医薬DX事業の成長に加えて、新規成長事業としてメディカルプラットフォーム事業、ヘルスデータサイエンス事業を育成していくことで高成長を目指す。

医療・製薬業界におけるDXを取り巻くの競争環境としては、今後もエムスリーやメドピアなどが競合となることが予測されるが、医療系広告事業としての寡占的な競争環境とは異なると予測される。急激なMRの減少により、製薬業界が求めるものは広告から営業ソリューションにシフトしている。営業ソリューションは広告と異なり住み分けが必然となるため、スピーディーで効率的なソリューションの提供により十分なシェアの獲得が期待できる。また新たな事業環境では、従前のスケールや機能的なAI・データマネジメントのようなテクニカル面は競争優位性の核とはなり得ず、根源的な強みとなるのは医師の囲い込みであると同社は見ている。そのため、スピーディーかつ効率的な営業ソリューション、大学病院の教授クラスから専門医のトップクラスが魅力を感じる付加価値の提供へ注力することが最重要課題としている。

経営数値目標としては、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を掲げた。2020年12月期を基準年とした5年間の年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。収益成長を実現していくために必要となる「CareNet.com」の登録医師会員数は25万人に増やしていく計画だ。また、企業価値の継続的拡大に向けて、東証プライム市場への上場も目指していく。

同社では従来、製薬企業、医療機関をサービス対象としてきたが、経営理念に基づき今後はサービス対象領域を個人や企業/保険者まで広げていく。医薬DX事業に関しては、スペシャリティ医薬など最新の医薬品・医療技術の普及に向けて、製薬企業と医療機関をつなぐサービスをより強化していく。また、メディカルプラットフォーム事業では、医療機関(医師)と患者をつなぐオンライン診断等のサービス開発を進め、医療機関のDXを支援していく。ヘルスデータサイエンス事業では、一人ひとりの国民が最良の健康管理を行えるようなデータ分析に基づく疾病予防サービスのプラットフォームを東京海上グループなど戦略提携先と共同で開発し、健康経営に取り組む企業/保険者向けに提供していくことになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)


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