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日本リビング保証 Research Memo(5):保証会社から「おうち情報のトランスポーター」へ進化


■企業の将来像と成長戦略

1. 将来の企業像
日本リビング保証<7320>では創業以来、『よいモノを永く使う文化をこの国に根付かせたい』という基本価値観を全社員が共有化している。その上で、企業理念「100年の価値を、すべての住まいに。」が制定され、「適切にメンテナンスされた住宅が、適正な資産価値評価を受けられる社会を実現し、サステナブルな仕組みづくり」に全社一丸となって取り組んでいる。また、今後はデジタル社会到来に先駆けて、「住宅×金融×Techでおうち情報のトランスポーター」へ進化させようとしている。

2. ビジネスの再定義による新成長戦略へギアシフト
同社では会社の存在意義(何のための会社か)を問い、「ビジネスの再定義」を行った。そして、「おうち情報」のプラットフォームを形成し、「便利」や「安心感」の顧客体験の浸透を図っている。これまで取り扱ってきた「おうち情報」(新築時の図面や設備、部位ごとの保証の有無、メンテナンスや点検のサイクル、資産価値等)を蓄積し、自在に出し入れすることで、住宅オーナーから住設機器の点検・修理・交換の要請があれば、いつでも住設メーカーを特定、瞬時に保証情報を提供できるようにしている。

また、DX企画力やデジタル化に強い会社になることが喫緊の課題である。当面はデジタル人材率を現状の20〜30%から50%への引き上げを目指している。そのためには、IT専門人材(SE、プログラマー、データサイエンティスト、部門とITを繋ぐプロデューサー人材等)の採用とIT教育を推進している。同時に、IT企業とのアライアンスやM&Aも選択肢として進めている。

3. 協業と提携戦略の推進
「おうち情報のトランスポーター」へ進化するためには、自社のリソースや技術だけでは到底取り組めるものではない。外部のリソースや技術と連携・融合してアジャイル型で新しい価値を創出していく必要がある。

「おうち情報のトランスポーター」の一環で、同社では「動画の記録・分析・活用を通じたリアルサービス領域のDXサービスソリューション」の開発と実証実験を行っている。2022年2月に、カメラサブスクリプションサービスのカメラブ(株)と資本業務提携を締結した。他にも、AI業務自動化ソリューションサービスのネットスマイル(株)や映像検索・分析技術のRUN.EDGE(株)ともそれぞれ資本業務提携を締結、DXサービスソリューションの共同開発を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)


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