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アイリック Research Memo(4):システム事業は「スマートOCR」が主力


■アイリックコーポレーション<7325>の事業概要

4. システム事業
システム事業は子会社インフォディオが「スマートOCR」関連を中心として、システム開発やソフトウェア受託開発を行っている。

AIを搭載した非定型帳票対応の次世代型光学的文字認識システム「スマートOCR」(2018年4月開発)は、定型・非定型の数千万枚の活字・手書き文書等を認識してデータ化できるエンタープライズ向けシステムである。収益は、提供先から得られるサブスクリプション方式の利用料である。

保険用途にとどまらず、幅広く企業・官公庁等のデジタル化・ペーパーレス化に貢献するシステムである。単に定型・非定型の手書き・活字の文字変換を行うだけでなく、マスターデータ連携・自動処理、高いセキュリティ、スマホアプリ等も備えた総合システムとして高い評価を得ている。

データ抽出パッケージとして品ぞろえを強化し、2020年12月までに「請求書」「領収書・レシート」「名刺」「運転免許証」「健康保険証」「決算書」「源泉徴収票」「診療明細書」などをリリースしている。さらに2021年5月には「決算書基本パック」をメジャーアップデート、電子帳簿保存法のスキャナ制度対応の新機能を業界に先駆けてリリース、2021年9月には「注文書革命DX」をリリースした。今後も様々な用途のパッケージをリリース予定としている。

さらにAI-OCRソリューションとして、保険業界以外の企業・官公庁等への提供拡大や、システムインテグレータ向けOEMによる提供拡大を推進している。導入事例として、2020年11月には、独立行政法人統計センターが集計を行う令和2年国勢調査などの情報(個々を特定できない処理が施された情報)を認識処理する「AI技術を用いた文字認識サービスの提供業務」を受託し、令和2年国勢調査等の定型帳票の手書き文字の認識に用いられている。2020年12月には(株)JTBが「スマートOCR」を組み込んで独自開発した「証憑書類電子保存化システム」が稼働開始した。JTBグループ全体で年間約570万枚のペーパーレス化、約7億円以上の経費削減に寄与する。

2021年3月には(株)日立ソリューションズが開発したビジネスデータ活用支援「活文」に「スマートOCR」が採用された。2021年4月には、国税庁の「確定申告書等作成コーナーの源泉徴収票OCR機能に係る開発及び機器等の提供等」を受託した。OCRエンジンだけでなく、Webアプリケーション開発、サーバー構築・運用、画像処理エンジンまで同社の仕組みを採用し、2022年1月に始まる確定申告より運用開始予定である。2021年5月には、法務省矯正研修所が行う手書きアンケート情報を認識処理する「効果検証用OCR機器の賃貸借」を受託・運用開始した。


自社開発システムを活用したワンストップソリューションが強み
5. 特徴・強み
保険販売(訪問型、来店型)は競合の多い市場だが、コンサルティングから契約まで業界唯一のシステムを自社開発して、ワンストップソリューションで展開していることが強み・競合優位性となっている。

自社開発のワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム」をベースとして、「保険IQシステム」を汎用化した「ASシステム」、「保険IQシステム」の簡易版である「AS-BOX」、「スマートOCR」の機能を組み込んだ「証券分析AIアシスト機能」「生命保険証券の自動分析サービス」、保険証券の画像と保障内容を一括管理できるスマートフォンアプリ「保険フォルダ」などを開発・提供し、オンライン保険相談サービスなども行っている。2021年6月には、いつでもどこでも「保険クリニック」DXプロジェクト第4弾として、スマートフォンで保険証券を撮影するだけで、最短30秒で加入している保障の範囲が一目でわかる「お手軽web保険診断」をリリースした。

なお、生命保険募集人がスマートフォンやタブレット等のカメラで撮影した生命保険証券を「スマートOCR」を活用して自動分析する「生命保険証券の自動分析サービス」は、2021年5月に特許を取得(第6887233号)している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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