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ナガイレーベ Research Memo(8):配当性向50%以上(単体ベース)を公約、年間配当は60.0円を予想


■株主還元策

ナガイレーベン<7447>の自己資本比率は90.6%(2021年8月期第3四半期)と高くなっており、財務内容は安定している。さらに、同社の業態から考えると、利益が急速に悪化する可能性は低く、収益の安定が続くと予想される。この結果、社外への配分(主に配当金)が少ないと毎年留保された利益が自己資本に積み上がっていくことになるため、自己資本当期純利益率(ROE)が低下していく、つまり資本効率が低下することになる。しかし同社では利益成長に見合う増配に加えて、自己株式の取得も含めた総合的な株主還元を積極的に行っており、これによって高いROE(2020年8月期8.7%)を維持している。

同社はこのように安定した財務体質を維持しつつ、株主還元にも積極的である。2015年8月期には通常の年間配当(50.0円)に、創業100周年の記念配当50.0円を加え、合計100.0円の年間配当を実施した。この結果、当期純利益(単体ベース)に対する配当性向は107.5%となった。さらに期中には公開買付けにより100万株(1,500百万円)の自己株式の取得を実施しており、配当金と合わせた総還元性向(単体ベース)は153.8%となった。また2016年8月期にも年間50.0円配当を実施、単体ベースでの配当性向は52.5%となった。

同社は単体ベースでの配当性向50%以上を公約していることから、2017年8月期には年間配当をそれまでの50.0円から60.0円に増配し、2018年8月期、2019年8月期、2020年8月期も年間60.0円の配当を行った。さらに2019年11月には40万株(1,031百万円)の自己株式取得を実行したことから、2020年8月期における総還元性向は87.9%となった。進行中の2021年8月期も年間60.0円の配当を発表済みで、予想利益が達成された場合の配当性向は56.0%となるが、仮に親会社株主に帰属する当期純利益が上方修正された場合には配当性向が50%を下回ることになるので、今後の利益動向によっては増配の可能性もあるだろう。いずれにしろ強固な財務体質に加え、このような積極的な株主還元の姿勢は評価に値するだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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