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オプティム Research Memo(8):将来への投資を優先、配当予想は未定


■ESGの取り組み

オプティム<3694>では、ESG(環境・社会・ガバナンス)という言葉が注目される以前から、社会に良い影響を与えることを念頭に、本業を通じてESGに取り組んでいる。以下にその事例を示す。

(1) Environment(環境)
a) ピンポイント農薬・肥料散布により化学農薬、肥料を最大99%削減
AIによる画像解析を農作物に対して行い、不必要な農薬を散布せず減農薬栽培を実現している。

b) デジタル技術を用いた気候変動(温暖化)に対応可能な栽培技術体系の確立
気象・水位・栽培歴・病害虫・生育データをデジタル化することで、環境・生育状況に応じた栽培手法をレコメンドするシステムを開発したことに加え、AIを用いた病害予察技術の高度化を実施している。気候変動に伴う、作物の高温障害や病害の北上等の課題への対策を可能とすることで、持続的な栽培を可能とする。

c) ドローンを活用した資源量調査サービス「ForestScope」の提供
ドローンを活用して森林を空撮し、画像解析により樹木本数や材積量を推定することができる「ForestScope」を提供している。同サービスを用いることで、森林資源量の調査を簡便に行うことができ、資源量の調査工数の削減を可能とする。森林保全を行うためには資源量調査が有効なデータとなり、保全のための間伐や資源循環利用、カーボンニュートラルに向けた、計画的な森林マネジメントに貢献している。

(2) Social(社会)
a) 多様な働き方を支援するサービス群(「Optimal Biz」「Optimal Biz Telework」「Optimal Remote」「Optimal Second Sight」)の提供
コロナ禍を契機に、多くの企業がテレワーク(在宅勤務)へと勤務形態を移行し、物理的な場所や時間を意識しない仕事のやり方も求められている。このような社会状況に応えるべく、多様な働き方を実現する複数のサービスを提供している。

b) 医療×IT:オンライン診療サービス
地域ごとの医療格差、仕事や育児、身体的事情などでの来院機会損失の課題に対して、スマートフォンやタブレットで遠隔診療を行うことで継続的に受診でき、予防医療にも繋がり生活習慣病有病者や介護者を減らすことが可能となる。また医師にとっては、往診における時間的・経済的負担を削減できる。

(3) Governance(企業統治)
a) 各分野有識者からなる「経営諮問委員会」の設置
同社が取り組んでいる農業・建設・医療の各分野における第一人者を委員(エグゼクテイブアドバイザー)として招聘している。経験に裏打ちされた知見を基にした各産業分野への関与のみならず、企業価値の最大化を図るためのコーポレートガバナンス強化観点に対しても助言を受け、経営の透明性・健全性確保を図っている。



■株主還元策

同社は成長のための投資を優先する方針であり、現在の配当予想は未定である。日本では稀有な技術力・構想力を持つベンチャー企業だけに、投資には中長期の視点が必要だろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)


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